プロローグ1・闘技場そして弟の為に
「アウトゥールス様!、準備が整いました!」
「うん、全軍前進!、この勢いで一気に攻め落とすわよ!」
戦場に一つ輝きを見せる者が居た、それは白金の鎧を着け、波打つ金模様が刻まれた剣を持っていた。
かつて存在した王国のひとつであるゼイラム帝国、そしてこの帝国の農民として暮らしていた、一人の女性の話である、
私は今、農家の手伝いをしています、
「アウトゥールスちゃん!、今日も手伝いありがとうね!」
「良いですよ!、こう言った助け合いが国を良くするんですから!」
「そうだねぇ」
私は農家の手伝いを終えると、いつもどうりの買い物をしていた、今日は夕飯どうしようかな?、
「ん?」
私はふと壁に貼ってある紙に目が行ってしまった、
「(騎士になりたい者募集ね〜、まあ私には関係ないわね)」
私は買い物を終え家に会えると、妹達が迎えてくれた、
「お姉ちゃん、お帰り!」
「はーい、皆ただいま~、みんな大好きお姉ちゃんが今帰りましたよ~」
私は今日は機嫌が悪いと言って寝込んで居る弟の所に行った、
「大丈夫?」
「お姉・・・ぢゃん、苦しいよぉ」
「うーん、どうしよう、病院に行ってもお金が無いし・・・・・」
困ったわ、これは流石に病院で見てもらわないとどうしようもないわ、
「とりあえず、ご飯作る帰らね!」
「うん」
「良い返事です」
私は妹達にご飯を作り、お風呂を沸かしに行った、
「お金が必要・・・・あの張り紙、もしかしたら、明日行ってみよっと」
お風呂のから声が聞えて来る事に全然、気づく事は無かった。
布団に入り寝る支度をしている時、妹達が私の所に来た、
「「「お姉ちゃん一緒に寝ても良い?」」」
「良いわよ」
深夜、普通なら皆寝るんだけど珍しく起きていた、
「ねえ、皆、少しお話良い?」
「何?面白い話?」
「うーん違うかな?、お仕事の話なんだけどね」
話を終えると直ぐに、皆、寝付いた。
翌朝、私は朝食だけ作り、張り紙に書いてあった場所に足を運んだ、
「お嬢ちゃん、ここはお嬢ちゃんのような子が来る所じゃないぞ」
「私はここに用があって来たのです!」
「ほう?」
「弟が凄い熱を出しているの!、だから直ぐにお金が沢山もらえるここに来たんです!」
「そうか、なら分かっているのか?、ここが何か」
「知りません」
「ここは、コロシアムだしかも今回は皇帝陛下も見に来てらっしゃる、それでも出るのかい?」
「ええ、出ます!」
「名前は?」
「アウトゥールスと言います」
「そうか、だったら、これを持って行きな」
「せめて、女の子なんだ、多少身を守れる方が良いだろう」
「ありがとうございます!」
私は皇帝陛下も見に来ているらしいが関係ない、弟の風邪を治す為なんだから!。