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迷宮をただ歩む者  作者: 洗濯紐
一章
16/16

相変わらずの非常識

「ルイスさんルイスさん!このネックレスどんな効果が有るんですか!?」

「え、えーと……」


 効果は魔力消費量軽減と魔法効果増大といった所なのだが、それを直接伝えて良いのかという疑問が発生する。実際に分かっているのだから答えてしまって良い様な気もするが、専門的なスキルが無い俺が何故分かるのかという……いや、もう変なやつだと思われてるから別に良いのか?


「あのね、ミル。いくら常識がないルイ──」

「魔力消費量軽減と魔法効果増大……なんか言ったかクミア?」

「い、いや……なんでも無いわ。この腕輪も分かるのかしら?」

「クミアのは空間庫のスキルが……あっ」

「へぇー、それを売ろうと?」


 やばい。何がまずいってそれを無言で売ろうとした事。空間庫などという、超有名な、《地図化》なんかよりも圧倒的に有名なスキルを売ろうとしたのはまずい。てか、城を建てれるレベルの物を知りながら内緒で自分のものにしようとしたのはまず過ぎる。


「へぇー……?」

「そ、そろそろ帰らないか?」

「……そうね。じゃあ……マジックポーチに全部入れて帰るわよ」

「ああ」


 簡単に乗ってくれたクミアに疑問を覚えながらも、それを口に出す訳もなく手っ取り早くアイテム群を回収する。ミルが乗っけてるネックレスは別に回収する必要も無いだろうと判断して放置したのだが、クミアの目線はそちらに向いているし……まあ触らぬ神に祟りなしとも言うから無視が最善手だろう。


「み、ミル。取り敢えず喜ぶのは良いから帰らないか?」

「そうですね!!」

「……クミアも帰るぞ」

「……ええ、そうね」


 道中、未だ喜び続けているミルに怒りを覚えながらも、なるべく発散対称……魔物が沢山いる所を通って帰っていく。

 まあ……悲惨だった。それに気づかないミルの脳みそも悲惨なのだろう。




「え、えっと……C等級魔石が1個。D等級魔石が137個。E等級魔石が215個。F等級魔石が24個で14万dとさせていただきます」

「はい」

「……おいっ!待てよおまヒッ」

「何?さっさとして頂戴。私の時間を無駄にしないでくれる?」

「あ、いや、何でもありません。はい」


 初めて手に取った半金貨というものに感激しながら、絡んできた見たこと有るような少年を一瞥してから建物を出る。クミアの虫の居所が悪かった事に感謝するべきなのか、タイミング悪く絡んできてしまった少年に同情するべきなのか……。まあ、圧倒的に前者だろう。


「……そういえば。ルイス、今日は打ち上げね。私牛乳とか飲みたい気分だわ」

「牛乳……?」

「……何か?」

「いえ、何でもありません。買ってきます」

「じゃ、お願い……って駄目に決まってるじゃない!?何一人で行動しようとしてるのよ!?」

「え、えー……」


 牛乳などという高級な嗜好品がこんな所に有るか分からず、脳内地図を駆使して探しに行こうと思っていたのだが……。


「ルイス、どうやって探すつもりだったの?」

「地図化使って──」

「はぁ……宿に戻るわよ。追加料金払ってご飯を増やしてもら……ミルは?」

「え、迷宮から出てきた時にはふらっと屋台の方に……『ご飯が私を待っている』とか言ってたぞ?」

「はぁぁぁぁ……ミル連れて帰るわよ。案内しなさい」

「はい」


 有無を言わせないクミアの物言いに素直に頷いて案内する。なんかミルもチャラい男集団に絡まれていたけれども、クミアの目線で一発だった。


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