常識クイズ
「常識クイズー!!」
「じゃあ、ルイスは答えてね」
「……お前らは?」
「私ですか?常識は普通にありますし……」
「私も常識は有るから問題ないわ」
「……」
どうやっても俺を常識人だと認めようとしない二人にもはや呆れを覚えながらも、テンションを上げていくミルについていくべく、俺も頑張ってテンションを上げる。
「第一問!……んーじゃあ、迷宮は何層でしょう!?」
「10層」
「じゃあ、私が2問目を出すわよ。……亜神が頂点にいる国を4つ」
「今いるクラネミア王国、北のリサティエル王国、東のクーマ帝国に北東のクラニア王国だな」
クラネミア王国の象徴である無属性精霊クラネミアと、クラニア王国の象徴である無属性精霊クラニアはいわゆる双子精霊という希少な精霊で、それによってクラネミアとクラニアの間には切っても切れない様々な関係が存在する。
「次は私の番ですね!……最も有名な天空城は何処に有るでしょう!」
「四国の国境上空。……てか、ミル。もしかしてエデン出身か?」
「そ、そ、そこは気にしないで!」
「……厄ネタじゃなければ良いけど、大丈夫よね?」
「は、はい大丈夫です!つ、次は……基本属性7つと派生属性7つ!」
「火、水、土、風、光、闇、無。炎、氷、樹、雷、聖、影、幻」
二連続ミルが問題を出していたが、聞かれた内容は当たり前のような事でしかなく、迷うこと無く答えることが出来た。
それを聞いたクミアは難しい顔をしていたが──、
「あれね、ミル。ルイスって知識が有るだけの非常識人間よ」
「あぁっ!!」
「おい」
「何?希少スキルを秘匿しない時点でルイスが非常識人間なのは確定してるのよ?」
「……」
そう言われても、秘匿する理由がないのだから秘匿しないのは普通だろう。迷宮にいる間に言わなかった理由だって、どうせ信じてもらえないだろうから、というだけの事。命が関わっているのだから、情報共有は大切な筈である。……まあ、クミアのお家事情の様に俺は知らなければ良い事は情報共有しなくて良い。命に関わってくる訳でも有るまいし。……一緒にパーティを組んだだけなら殺されないよな?
「はぁ……何馬鹿な事を考えてるのかは知らないけど、自分のスキルは隠すべきよ」
「なんで?」
「私が敵になったらどうするの?」
「……死ぬな」
情報共有をしていようがなかろうが、迷宮内でクミアが敵になった場合は死ぬ未来しか見えない。地図を頼りに逃げられれば良いのだが、そもそもの身体能力で逃げる事が出来ないだろう。
「……質問を間違えたわ。もし私がルイスの能力を悪用しようとしたらどうするの?」
「……悪用されるな」
これまた、クミアには肉体面でも経済面でも勝てないのだから言われるがままになるだろう。
「……はぁ。ルイス、貴方一人で誰かと会話するのは禁止ね。必ず私のいる場所で会話して」
「分かった……?」
「ルイスさんは非常識ですしね!私もそれで良いと思います」
「もちろん貴方もよ、ミル」
「えぇ!?」