表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/38

02.エルフが欲しい!

 「──ここが最南(さいなん)の町スタットだ」


 俺の目の前にはそこまで大きくはないが小さくもない、普通ではない町があった。

 町の門はスタットの【ス】の字が大きくドーンと立っている。

 この町を作った人のセンスを疑う。

 この世界の言語は日本語なのだろうか……。


 そして手を振って門で出迎えてくれたのは、オレの妹サエだった。


 「もう、心配したんですよ!」


 そう言ってサエは頬を膨らませている。


 「サエ、俺はだいじょ──」

 「セントさん」


 えっ……。


 「男達の集団から助けてくれたと思ったら、()ぐに大型モンスターの方に走って行ってしまったんですから」

 「ああ、ごめん()。無事でよかったよサエちゃん。ていうか君たちが兄弟だったん()()。襲われているところとか、お似合いの兄弟()()


 誰だよこいつ! 口調変わりすぎだろ! (さえ)の心配返せよ!


 「それじゃあ(ぼく)は先に失礼するよ」

 「はい、ありがとうございました!」


 ……。


 「お兄ちゃんもお礼くらいしたらどうです?」


 絶対に嫌だね!

 

 ──その後、オレ達は冒険者ハウスに行ってみた。


 「冒険者ギルドに参加希望ですね?」

 「はい!」


 そしてオレたちは今、受付嬢(うけつけじょう)に冒険者ギルドへの参加を志願した。


 「少々お待ちください」


 やっぱり異世界って言ったら、まずは冒険者ギルドだよな。ここで大金手に入れて美味いもの食べていけたら、もう文句はないよな……。

 いや待てよ。異世界って言ったら『エルフ』じゃないだろうか。『エルフ』の存在って結構大事な気がする。小さい頃のオレの夢は『エルフと一緒に旅をする』だったしな。


 「スズキヒラガさんでよろしいですね?」


 そう言われてオレはコクリと頷く。


 「えーと、サトウヒラガさんのパーティーの冒険者ランクは(えふ)からのスタートとなります。実績を積み上げることで最高 (えー)ランクまで到達できます。これから頑張ってくださいね」


 ほう、この世界にはそんな制度があるのか。だがオレが成り上がるのは時間の問題だがな。


 「はい! ありがとうございます!」


 こうしてオレ達の冒険者ギルドの登録が終わった。

 

 ──そしてオレ達は冒険者ハウスの(すみ)にある椅子に座る。


 「異世界に大切なのはなんだと思う?」

 「お金、でしょうか?」


 即答でお金が出てくるとは思ってなかったな……。確かに異世界でもお金は大切なのだが。


 「違うだろ! 異世界に必要なのはエルフだ!」

 「エルフ……?」


 サエはまさか、あのエルフを知らないのか?


 「エルフの大きな特徴は(とが)った耳で、なんといっても可愛い! それに弓を持ってるエルフなんてのもカッコイイよな……」


 オレは手を握り熱く語り始める。


 「尖った耳?」

 「あぁ、異世界やゲームの王道の種族で、大抵の場合あまり姿を見せずに森で密かに暮らしてたりしてて、その世界の主人公くらいしか縁がない種族で──」


 「尖った耳の方は先程居ましたよ」


 「それでな……ん? 今なんて?」

 「あっ、ほら今ギルドに入ってきた」


 サエの指差す方向をオレは咄嗟(とっさ)に見る。そしてそこには耳が尖っていて、顔立ちが整った、緑髪のロングヘアの美少女が。


 「エルフ!」


 オレは興奮を隠しきれずに机をバンと叩いて、甲高い声を上げ立ち上がる。エルフはオレのことなんて全く気にしていないようだ。受付嬢の方に優雅に歩いていく。


 「おっ、あの子か最近の噂のエルフってのは」

 「そうそう、噂では一人でAランク冒険者の実力があるらしい」

 「あれがかぁ……」


 ギルド内は彼女の話で持ちきりだ。

 そんなに強い冒険者の人は是非ともオレ達のパーティに入って欲しい。なにせ、今オレ達のパーティに足りないものは『戦力』なのだ。


 「よし、あの人に声掛けてくる」

 「お兄ちゃん!?」


 そう言うとオレはエルフの女性の方に、声を掛けにいこうと歩きだす。


 「おい、(にい)ちゃんやめときな。あんた新入りなんだろ? 悪いことは言わねぇよ。兄ちゃんじゃあついていけねぇぞ?」


 オレはそのアドバイスなど気にせずに、エルフの少女に声をかける。


 「あの、良かったらオレ達とパーティ──」

 「いいわよ!」

 「「「「えっ!?」」」」


 即答するエルフに、冒険者ギルドの人達が一斉に驚く。そしてオレの顔を見てくる。その視線を無視してオレは軽く自己紹介を始める。


 「オレは鈴木平賀(すずきひらが)。それでこっちが──」

 「あ、私はサエと言います。これからよろしくお願いします!」

 「私はアンリィよ。よろしくね」


 オレは今日とても『ついてる』のではないだろうか。異世界の珍しい種族エルフに会えたし、パーティも組んでくれた。

 今日はとてもいい日だな。オレが引き籠ってたついこないだまでは、こんなことになるなんて考えてもなかったよ。

 ありがとう女神様!

 そんなことを考えていると、ギルド内の一人が立ち上がる。


 「エルフの姉ちゃん、本当にそいつでいいのか? そいつは今、冒険者になったばかりの新入りだぞ? 姉ちゃんがパーティ募集したらもっと腕のいいやつでも入ってくれるだろうし……」


 このおっさんは突然何を言い出すんだ。嫉妬か? 嫉妬なんだろ! 可愛いエルフを取られて嫉妬してんだろ? だが残念だったなおっさん。オレはもう子のことパーティを──。


 「スズキさん、ごめんなさい!」


 「えっ──」

 「「「「えー!」」」」


 オレと同時にその場にいた皆が驚いた。


 「少し用事を思い出してしまいました。それでは」


 アンリィさぁぁん? えっ? ちょっと待って! こんなことある?

 

 ──こうしてオレの夢は終わった。


ご高覧ありがとうございます!

感想等頂けると幸いです。

次の投稿は10月21日20時となります。

今更ですが、後書きって何を書くところなんでしょうかね……。本当は作者の日常とか書くところなんでしょうか……。(なろう初心者)


これからもよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ