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富士山大噴火による東京壊滅(首都機能壊滅)及び首都移動を決定するための緊急対策本部

作者: seekwarsar

「速報です。富士山が大噴火し、東京が壊滅しました。これにより、東京は首都機能を失いました。死者は10万人以上と予想されます。現在、東京都及び神奈川・埼玉・静岡・山梨県全域に避難指示が発令されています。現地からリポートです。」

「はい、現在八王子支社の屋上で避難をしています。溶岩が迫っています。東京支社のカメラで撮影している映像をお送りします。あ、首相官邸に溶岩が到達しました。もう東京駅は飲み込まれている様子です。八王子にももうすぐ溶岩が来るようです。あ、ヘリコプターが来ました。では、スタジオに返します。」

「ただいま、伊勢崎市にある一時的スタジオからお送りしてます・・・」


「ああ、東京にいなくてよかったぁ」

内閣総理大臣補佐官の松岡臣志がついつい本音を漏らした。

「これは首相、北海道視察の時でよかったですねぇ。」

官房長官の槗本匡與が言った。

「馬鹿野郎、これだけの日本人民が危機的状況に落ち込められているのに、なぜそんなことを言うか!」

内閣総理大臣の濱中庄司が言った。

「しかし首相、東京すなわち現在の首都の機能が失われた今、どうするつもりですか。」

内閣総理大臣秘書官の宮川敬が言った。

「ひとまず、全国の消防署員全員を東京へ派出しろ。人命を最優先させなさい。皇居にはまだ天皇陛下もいる。兎に角、囚人も家がない人も全員救助せよ!」

「イエッサー!」

そこにいる全員が言うと、首相も自ら救助に行くと言いだし、要人幕閣もみんな救助しに東京へ急行した。

北海道に残った緊急対策本部長の本松輝芳と副本部長の大野正紀は首都を選べと首相から命令を直々に承っているので、首都をどこにでも移せることができるのだが、とても責任重大だ。

「首都を決定する会議を始めます。さあ、今回の議題は」

「さあ、どうしようか。」

「ちょっと、話をさえぎらないでほしいんだがね。」

「幼馴染じゃないか本松君。早速、首都を決めようか。」

「はいはい。」

幼馴染の本松と大野は、悩みに悩んだ。

「札幌はどうだろうか。」本松が言うと、

「いやいや、遠すぎる。大阪がいいと思うな。」

「今大阪には・・・・・ 空き地がない。」

「なくてもいいじゃないか。」

「いや、ないといけないんだよ。スペースがないと、首都機能を移せないんだよ。」

「じゃあ、比較的大都市でもなくて、土地があり、インフラが整っている場所だったらいいんだね。」

「そうだ。」


二人は考え抜いて考え抜いて、何時間もたった。

「じゃあ、ここはどうなんだ。」

「うーん、まあ、いいんじゃない?」


二人は "最終候補" ともいえるこの案を、首相に提出しようとしたその時、


「速報です。幕閣の要人ならびに首相がお亡くなられました。溶岩に巻き込まれたことが死因のようです。」

「”ピンポンパンポンピーンポーン ピンポンパンポンピーン(この時、チャイムが重複して鳴った。)”

ただいま、日本国営放送大阪臨時本部からお送りしています。天皇陛下が崩御されました。したがって、皇太子様が即位されます。ただし、先ほどの大噴火により、即位の礼および大嘗祭は行わず、践祚のみ行うということで、諸外国への通達は、北海道の富良野にある臨時外務省本部室が行うということです。」「さきほどの首相死亡の続報をお伝えします。亡くなられる直前、メールで富良野にある緊急対策本部に『総理大臣代理には本松君を指名する。官房長官は大野君。副総理は黎明党幹事長の荒木君を。復興庁長官には黎明党代表の渡邉君を。後は頼んだぞ荒木。』(原文ママ)という内容のメールが送られていました。」


本松は近くの国営放送局へ電話をし、すぐに記者会見の準備をしてほしいという旨を伝えた。そして、皇太子殿下に新首都の承認を行ってほしいと伝え、記者会見の原稿を準備した。


そして一時間後・・・


「ただいま、内閣総理大臣に就任した、本松輝芳です。早速ですが、新首都を発表します。新首都は・・・・・・・・・・・『紋別市』に決定いたしました!」




1年後、本松は地図を見た。首都が紋別になっている。田園地帯の首都。オフィス街を作らなかったのが良かった。紋別の街並みを壊すことなく、首都機能を移すことができた。北海道視察に行ってから、東京には帰っていない。東京は焼け野原になっているらしい。紋別は良いところだ。紋別に機能が移った後、紋別は人口が増えた。おかげで名寄本線の再開業も果たすことができた。(本松は紋別の出身で、名寄本線を再開業させてやるのが夢であった。)外務省など主要省庁も、高層ビルではなく3階建てのビルに本部を置かせた。警察法を改正し、警察庁を局に格下げ、『警保局』とする。今まで警視庁だった組織を『東京都警察』に改編し、北海道警察を『警保局本部兼北海道警察』にして警視庁を廃止、警視庁の役割は警保局が果たすことになった。


無事、首都機能の移動は成功した。

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