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46、デアの考え
向こうのお茶会に戻る気もしなかったので、デアはガルチアーナを残して、そのままリーリア・ハウスに帰った。ニニーもサービス係としてお茶会へ行っているので、ハウスにはデアの他に誰もいない。
自室の椅子に座って、一休み。デアは先ほどまでのガルチアーナとの会話を思い出す。
はじめは、誰も来なくてさすがにショックを受けていたようだが、最後のほうはいくらか立ち直った様子だった。デアとの話が気晴らしになったからだろうし、自分を見つめ直すきっかけになるかもしれない。
デアはにやりと笑った。
これであいつがあたしに無茶な命令をしなくなればいいがな。マリエーリュスに対する競争意識が減って、スパイなど使う気がなくなればいい。
そういうふうに話を持っていったつもりだ。
デアは、別にガルチアーナを慰める気などなかった。
なんせ、一番重要なのはあたしの生命だ。ガルチアーナが弱っていたのは、言いくるめるいい機会だった。
あたしは、自分が生き延びるために必要なことをするだけだ。
…………。
そう、あくまでそれだけなのだ。




