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第5話 男は全員馬鹿だ!!

※作中にバカな表現とアホなシーンがありますので、読む際に気を付けて下さい。

静寂の教室…

そこにただ一人の男が机の上に立っていた…

その姿は視点を変えれば壮大だが、基本間抜けである。

…それ、俺だ。

だから間抜けじゃあない。



時は午前3時。

これは一人のバカが天下を統一する物語である。

そして平気で嘘をつく物語でもある。

ということはこれも嘘。

そしてさっきの言葉も今の言葉も嘘。

さあ、どれが真実なのか!?



そんなバカな話はともかく、場所は生徒会室、時は今より10時間ほど遡る。


嘉臣(よしおみ)。お茶を出しなさい。」


「かしこまりましました。」


部屋には二人の男女がいた。

だが服は片方は制服だが、もう片方は執事服であった。

そして執事服を着こなしている嘉臣と呼ばれた男が女の命令に従って席を立った。

この二人の関係はすでに言わずもがなであろう。

席を立った嘉臣…顔はかなりの美形のこの男はポットの紅茶をカップに移した。

その動作はとても優雅で気品がある。

しかし嘉臣には二つほどの欠点があった。

さあ今こそカップを運ぼうとカップを持ったとき…


「あ。」


ガシャーン!!

究極のドジだった。

そう、カップすらまともに運べないのだ。


「またか…嘉臣。」


女の方はもういつものことだと理解しているようで呆れていた。

そしてこの男のもう一つの欠点…


「申し訳ありませえええええええええええええええええええええん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!レイラお嬢様あああ!!僕がカップになりまあああああああああああああああああああああす!!!!!!!!!!!!!!!!」


頭が悪かった。


「…」


その光景を女はやはり呆れて見ていた。


「何でもします!!!!首を吊ったり、腹を切ったり、硫化水素使ったり!!!!」


「…」


全て自害関係なのはこの男の趣味ってことにしておこう。


「黙りなさい。」


「はぃぃぃ!!」


正直格好が悪い。


「もういいですわ。自分でやります。」


そう言って立ち上がって自分で紅茶をカップに淹れた。


「いつまでそうしているの?」


生徒会室の床に座ってまだ絨毯を拭いている。


「はひいっ!!すみません!」


すぐに立ち上がって敬礼した。

なぜ敬礼なのかは不明なのだが。


「…それはともかく、入学式の日に会った人を覚えている?」


「はっ!確か世界を制服にすると言った意味不明な男でしたね。」


「…あなたもね。」


また呆れて呟いたレイラ。


「まさかあ!惚れてしまったのですかああ!?」


「殴るわよ?」


そう言われて黙った嘉臣。


「彼を調査して欲しいの。何かあるかもしれない。」


「はい!すぐに準備をしまーす!」


そう言って駆け足で退室した。

そして残ったレイラはため息を吐いた。


「彼は…まさか…」


そう呟きながら。


もちろん三太はこんなことがあったのを知る由もない。




そして現在(いま)

俺の状況を説明すると、静かな教室の中心にある自分の机の上に立っている。

なぜなのかは常識的にわかるだろ?

まあ敢えて説明するなら今の俺はとても気合いを入れている。

だから机の上に立つ。

ほら、常識だ。

優しい俺に感謝だね。


ガラガラ


「三太君!やっぱり早いよ!」


アリス、入室。

時は午前3時半。


「フフフ。気合はこうやっていれないと。」


「はぁ…まあいいけど。」


「ところでアリス君。」


突然真剣な顔になる俺。


「何?」


「机もう一段高くした方がいいかな?」


「…」


何故か俺を哀れむアリス。

何で!?

俺今おかしい事言った!?


「!!」


突如アリスの目線がドア付近に向かった。


「どうした?」


「見られてる…」


「え?俺を?朝早くから俺を見たい奴か…なかなかいい奴だな。」


アリスはそんな俺の発言をシカト。

ちょっと悲しいぞ。


「…」


「おーい。そんな真剣な顔してるってことはなんかまずいのか?」


「三太君の命を狙っているのかもしれない!」


「何〜!?」


まさかこんな早く暗殺者に出会うとは…俺もさすがに想定外だぜ。


「一体どこのどいつだ?」


「…わからない。ごめん。」


「いや、いいよ。」


アリスに謝られるとなんか罪悪感感じちゃうよな。はぁ。


「!!来た!」


ヒュン


「え?」


いきなり俺の方に細長いものが飛んできた。

先が尖ってて、後には羽がついている矢みたいなものだ。

つうか矢だ。


「危ない三太君!」


「おわっ!」


いきなりアリスに飛びつかれてよろける俺。

しかしそのおかげで矢を避けることが出来た。


「ありがとな。」


「別にいいよ。そのための私だし。それにしても…何て手荒なやり方なの…」


まあそのやっている本人は何とも思っていないかもしれないが。


「ったく!こそこそしてねえで出てきやがれってんだ!」


「危ないから三太君は隠れてて!」


「お、おう…」


王たる者、命は無駄にしないために平気で隠れる…いや、逆か!

俺が家臣を守らなくてはいけないんだ!

いくら俺が使えなくても部下を守ることくらいは…


ガラガラ


「来た!はあっ!!」


「ええ!?アリスちゃん!?」


そこにいたのは兵卒だった。


「あ、兵卒君!ていっ!」


構わず回し蹴りをヒットさせたアリス。


「イタイ!今、僕と分かってたのに蹴ったよねえ!?」


「ごめんなさい。ちょっと止まらなくて。」


「ええ!?絶対僕に殺気出してたよねえ!?」


そう床を転がり回って言う兵卒。

つうかなんでこんな時間に学校に来た?


「アンタが呼んだんでしょうが!」


「地の文に突っ込むなんてダメだよ。」


「そうよそうよ。」


「おわあ!悪魔!」


突如悪魔が襲来。

こいつも俺が呼んだんだっけ?


「まさかお前が俺の命を…?」


「はぁ?」


こいつだったらやりかねないぞ。

俺の命を常に狙っているようなものだからな。


「三太君。もう大丈夫。気配は消えたよ。」


「ふう…良かった。」


全く…一体誰がそんなことを…

そんな朝(夜明け前)が過ぎてやっとHRに入った。




「席に座れ〜。座らなきゃ女子は犯すぞ〜。」


そう言って入ってきた支配者の前梨禿。

もちろん全員席に着いた。

つうかアンタさすがに犯罪だと思うけど。


「何であんなのが教師なのよ…」


悪魔も愚痴を言っているしな!

便乗するか!


「オイ自称支配者!アンタのそれは犯罪だぜ!」


「お前は確か金八先生に出ていた…」


「出てねえよ!ってしまったあ!またペースを乱されたあ!」


コノヤロー。やはりやるじゃねえか。

自称支配者と言うだけある。


「そんなのよりな!アンタより俺の方が支配者には似合っているんだよ!」


「バカだ…」


「あそこにバカがいる…」


「もう救いようのないバカだ…」


「死んでしまえばいいのに…」


何か最後に不穏当なことを言われたが俺は気にしない!

だって心は…(以下略)


「さて、ホームルームを始めようか。」


『はーい。』


「シ、シカトオオ!?」


やべえ…なんだか泣けてくる。

思わず泣けてくる…

何気ない言葉が悲しいホームルーム…


「まあ元気出せよ。」


そう言って俺の肩を叩いて笑顔で慰める兵卒。


「お前何俺の肩に触ってんの?」


「ええ!?折角心配したのに酷くないっすか!?」


だから感謝として虐めてやった。


「あそこに変なのがいるわ…」


「うわ、キモ…」


「何あれ…ヘタレ丸出し。」


「死んでしまえばいいのに。」


「ええ!?僕何か悪いことでもしました!?」


クラスメイト達に当然のように虐められる兵卒。

こいつのクラスでの立場は確定したな。


「まあまあ兵卒君にも友達がちゃんと現れてくれるよ。来世に。」


「ええ!?僕って友達いないんすか!?しかも一回死ななきゃ出来ないんすか!?」


きちんとアリスにも虐められる兵卒。

ああ愉快愉快。

悪魔もバカ面で笑ってるしな愉快愉快。




そして運命の昼休みがやって来た。

俺は独断で百合臼シーザーを探しに2年の教室にやって来た。

俺は名前と顔は覚えられないが、その他のことは平均以下のレベルで覚えられる。


「さあて…おっ!」


見知った顔を発見した。

あいつは昨日のゲーセンちゃんじゃないか!


「おーい!」


「ん?おう。お主か。昨日ぶりじゃな。」


「おう。アンタに訊きたいことがあるんだけど…」


「年上をアンタとは…まあいいだろう。何じゃ?」


そういえばこの人先輩だったな。

タメ口しか俺はしゃべれねえからやべえよ。


「人探し。シーザーって人探してるんだ。」


「シーザー?それって人名かの?」


「そうだよ!確か…風紀委員長だ!」


「…」


突如無言になるゲーセンさん。

一体どうしたのか。


「えーと…何かまずかった?」


「それは私のことか?」


「え?」


「シーザーって私のことか?」


はぁ?

アンタはゲーセンさんだからシーザーさんじゃないよ?


「いや、違うよ。俺が探しているのは風紀委員長のシーザーさん。」


「だから私が風紀委員長なのだが…」


は?

……

………


「何ぃぃぃぃっ!!」


「なぜそこまで驚くのじゃ?」


「だってシーザーさんとゲーセンさんが同一人物なんだぞ!?」


「いや、私はどちらも知らないのだが。」


と、困り気味に言った。

そんなことより本題に入らなければ!!


「俺の家臣にならないか?」

よし。後は結果を待つだけだ。


「話が読めん。何をそなたはぬかしておる?」


「だから俺の配下にならないか?ということだよ!!」


何か俺がまずいことしたかな?


別にどこもまずくはない。

ただ言っている内容がラリっているだけだ。

それを彼は気づいていない。


「正気か?」


「ああ。」


俺は真剣に頷いた。


「そうか…答えは否だ。」


「何ですとー!」


あまりの意外な答えに俺びっくり。


「何で?何かいけなかった!?」


「根本的に。」


「そこから!?」


全然理解できん。

何を言っているのだろうか…


「そもそも今どき主従関係を結ぶのは時代遅れじゃ。」


「そんなことはない!」


突如謎の男乱入。


「誰だよお前。」


「どなたじゃ?」


「フッ…僕は…」


さあ突然謎の男が乱入。

一体彼の正体とは!?

次回へ!


「え!?終わり!?」


「ああ。お前のことは後回し。」


「ええ!?これで終わり!?」


終わりです。


でも続きます。

次回は馬鹿決定戦!(嘘)

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