第4話 傘は忘れる物だ!!
またバカをやってます。
バカでバカでバカな主人公ですが、お願いします。
あらすじ
主人公は生徒会に対抗すために戦力の強化を図ることにした。
そして彼は風紀委員長の百合臼楓沙を勧誘しようと決める。
俺は即座に行動を起こした。・・・かに見えた。
「アリス!」
「どうしたの?三太君?」
俺はアリスにさっきの話題を話した。
「・・・」
「ん?どうした?」
すると突然アリスは黙りこくった。
「三太君・・・生徒会室に殴り込みにでも行くの?戦争でも起こすの?」
「え?まあそんな感じ。」
「いまどきそんなやり方はちょっと・・・無いよ。」
「ガーン!!」
兵卒並みに俺は落ち込みました!
アリスにそんなこと言われるなんて・・・
「あ!落ち込まないでね!そんな三太君も・・・じゃなくて、別のやり方を考えましょう?」
ああ・・・アリス・・・君は天使でもあるけど悪魔でもあるんだね・・・
俺はアリスの話を聞いちゃいなかった。
「三太君!」
ああ・・・俺は一体どうすれば・・・
「もう・・・帆香ちゃん。」
「何?」
アリスは帆香を呼んだ。
「ちょっと・・・三太君を何とかして?」
「何あれ・・・まあいいわ。死なない程度にぶっ殺す!」
「それ死ぬから!ちょ!マジギブ!!」
俺は悪魔にコブラツイストを決められて死に掛けた。
「ゼェゼェ・・・何てことしやがる・・・」
「アンタが詠美の話を聞いてあげなかったからでしょ!」
「ええ!?そうなのか!?ゴメン!!」
「え?え?別にいいよ。それよりこれからのことを考えようよ。」
「オウ!」
俺とアリスはまた話を再開することにした。
「何て話を・・・」
一人悪魔というオプションが付いてきたが。
「それでその・・・」
俺が言いよどむ。
何故か?
だって俺さっきの風紀委員長の名前忘れたもーん!
確か百合趣味 カエラ?だっけ?
・・・それはいろいろとマズイので違う名前だな。
「えーと・・・確か・・・そうそう!」
偉人っぽい名前だったよな・・・
「曹操孟徳!」
「ええ!?そっちぃ!?」
あれ?何か間違えたかな?
「じゃあ・・・諸葛亮仲達!・・・あれ?」
「・・・」
何故か出てこない・・・ていうか三国志ばっかりじゃん。
「じゃ、じゃあ李広将軍!」
「中国から離れろ!そっちじゃない!」
悪魔のツッコミにも俺は負けない!
風にも雨にも嵐にも!テポドンにもな!
・・・でも本当になんて名前だったかな・・・
「チンギス・ハーン?って違うだろ!」
「私何も言ってないわよ!!」
俺が一人でボケとツッコミをしたので悪魔はご立腹のようだ。
あいつも入れてやるべきだったか。
「確か・・・ゆ・・・ゆ・・・」
「そうよ!頑張って!」
アリスが俺を応援してくれる。
というかアリスは今回助けてくれないらしい。
そろそろ人の名前ぐらいきちんと覚えなさい、と言うことなのかもしれない。
「幸村!」
「何でそうなる〜〜〜〜〜!!!」
あれ?こいつ英雄じゃなかったか?
体の感覚をなくすことが出来る立海大・・・以下省略。
「ゆ・・・ゆ・・・湯婆!」
「むしろそこはトトロよ!なんて微妙な英雄なのよ!!」
これもダメ・・・ああ!海外か!
「ユベントス!」
「誰がセリエA言えって言った!?」
ユベントスって名前かっこいいよな〜。
俺は悪魔の話しは耳に入れなかった。
「ユルキャラ!」
「キャラじゃなくて名前ね!人名!」
「ああ!ユリウス・シーザーか。」
「三太君・・・それって合っているような・・・間違っているような・・・」
アリスが何か呟いているがまあいいだろう。
「そのシーザーさんに会いに行こうと思うんだ!」
俺は改めてアリスに自分の考えをありのままに話す。
「・・・武力的解決をしないならいいけど・・・」
「俺は生徒会に対抗するためだけに彼女を欲しているわけではない!」
俺は自分の遠謀を言ってみることにした。
「つまり、自分のボディーガードにしたいんでしょ?」
「あ・・・」
あっけなく俺の考えがアリスに読まれた。
俺が浅はかなんじゃなくてアリスの頭が良すぎるだけだ!
「ん〜・・・そう簡単に受けてくれるかな〜?」
アリスが首を捻る。
何を言う。きちんと給料も出すし、飯代も宿代も要らない。
こんなすばらしい環境にいたくない、という奴なんていないに決まっている。
「あの人結構頑固だって聞いたから。」
「へえ。」
俺は生返事。
「ちゃんと聞いてよ!こういうのって第一印象が大切なんだから!」
「お、おう。」
アリスの説教は長いからな・・・
俺は真面目に聞くことにした。
「まるで犬と飼い主ね・・・」
オイ。失礼だぞ悪魔。
アリスを犬って言うな。
「まあ兎に角一回話してみようよ。」
「そうだな。」
俺は翌日に彼女に会うことに決めた。
時は放課後、現在外は雨。場所は下駄箱。
俺は傘を持ってきている。
しかし隣には傘を持たずに空を眺めている女生徒一人。
アリスも悪魔も兵卒もいない。
アリスは先に帰って買出しに行っている。
悪魔はラクロス部に行っていて、兵卒は無残にも殉職した。(理由は不明)
そんな状況です。
俺はどんな選択肢を選ぶ?
A 帰る
B 傘を貸す
C 傘を壊す
D 女生徒と話す(ナンパ)
・・・
どうしようかね。
個人的にはD選んでもいいのだが、そんな暇は無いのでナンパはまた今度。
Cはやり方がえげつないので俺の好みじゃない。
まあ兵卒の傘だったら壊しているけどな。
・・・AかB。
だが俺の答えはもう決まっているようなものだ。
「なあ、この傘使わないか?」
俺は結局Bを選びました。
何故か?
別に俺は彼女への親切なんか持っていないけど!
ただ、俺の心は・・・(以下略)を見せたいだけ!
それだけで他意はない!
「・・・その傘はそなたのであろう?」
「俺は傘をいっぱい持っているんだよ。」
ああ、俺ってなんて優しいんだろう・・・
すいません。調子に乗りました。
「・・・嘘を言うな。目を見れば分かる。」
「何!?アンタエスパーか!?」
まさかこの学校に超能力の使い手がいるなんて驚きだぜ・・・
「たわけ。そんなわけ無いだろう。カマをかけただけじゃ。」
「な・・・」
コイツ・・・出来る!
「だから私はそなたの傘を使うことは出来ぬ。」
「・・・でも何て言うか後味悪いからさ、使ってくれないか?」
俺がお願いするなんて何年ぶりだろう。
ていうかここまできたら使ってくれないと困る。
「と、いうわけだ!じゃあな!」
俺は傘を置いて走って外に出た。
ああ・・・雨が当たる。
俺って体濡れるの嫌いなんだよね。
はぁ・・・俺は・・・
「待つのじゃ!そなた!」
「はぁ!?」
俺は後から猛スピードで傘を差しながら走ってくる女生徒を見た。
というかさっきの女生徒ね。
「な、何!?」
「ふう・・・やっと追いついた。」
何てスピードだ・・・
いくら地面がぬかるんでいるとはいえ俺に追いつくとは・・・
「そなたも一緒に使うが良い。」
女生徒が照れながら言う。
「へ?」
「だから、そなたも使わねば私もそれは使わん。」
その女生徒は俺にそんなことを言うのだが・・・
「いや・・・その・・・」
「なんじゃ?不服かの?」
「そうじゃないんだよ。」
俺は「それ」に指を指した。
「ん?・・・・!!」
そこにあったのは傘だった物だった。
先ほどのこの人の疾走のせいで無残な姿になってしまっていた。
「あ・・・その・・・すまぬ。」
その女生徒がぬかるんだ地面で土下座しようとしたので俺は慌てて止めた。
「ちょっと!ヤバイヤバイ!それはヤバイ!」
あまりにも語彙力が無い発言でバカ丸出しになってしまったのだが、本人は気づいていない。
「何故じゃ?こうしなければ気が済まない!」
「いや!いいからいいから!それより雨宿りしていこうぜ。」
俺はその話を強引に打ち切って雨宿りできる場所を捜した。
「あそこでいいか?」
俺はゲームセンターを指さした。
「そ、そのようなところは放課後には行ってはいけない!」
「俺だって好き好んで入るわけじゃない。雨宿りするにはもってこいだろ?」
そう言って俺は彼女を引っ張った。
俺もあまりゲームセンターには行かない。
何故か?王になるものはそのようなところには行かないと俺が勝手に思っているからだ。
「待つのじゃ!」
俺は強引に彼女をゲーセンに入れた。
「ふう・・・全く。ここまで強引な男とは思わなかったぞ。」
「悪いな。強引さでは俺の右に出る奴はいない。」
「それ、自慢になってないぞ。」
俺と彼女はこんな会話をしていたが、俺は彼女がチラチラとあるものを見ていることに気づいた。
「欲しいのか?」
俺はUFOキャッチャーの中のウサギの人形を指した。
「な・・・!そういうわけではないぞ!あのようなもの、私のような女子には似合わぬ!」
「そうかな?」
俺はそのUFOキャッチャーに近づいた。
「で、俺はこれをやるのは初めてなんだが・・・確かお金を入れるんだよな?」
当たり前です。
それは常識です。
「そ、そなた何を?」
「だからお前のためにこれを取ってやる。」
「そんなことせずとも!」
必死に止めるその彼女を無視して俺はやる。
というかそこまで彼女は必死に止めていない。
だって力があまり入っていない。
「だから俺は強引さだけなら負けない、って言っただろう?」
「う・・・だからそれは自慢じゃないと・・・」
最後の方は良く聞き取れなくなった。
「さてと!やるか!」
俺は自分に気合を入れてやることにした。
・・・
・・・・・
・・・・・・・
「む、難しい・・・」
案外難しくて俺は苦戦していた。
「もう良いではないか・・・」
彼女は俺を止める。
しかし俺は諦めない!王たる者は決して何事にも諦めない!
俺はお金のことを構わずプレイし続けた。
そしてついに・・・
「おお!よしよしよし!キタキタキターーーーーーーーー!!」
「おお!」
俺と彼女はクレーンに捕まえられた人形を見て喜んだ。
そしてクレーンはきちんと穴の中に人形を落としてくれた。
「よっしゃあ!」
「頑張ったな。」
俺は大人気なく大はしゃぎをした。
「さて、これをお前にやろう。」
「だから私は・・・」
あれ?こいつ本当は欲しいんだよな?
・・・う〜ん。
よし!
「じゃあこれは俺の物になるんだよな。でもな〜、俺要らないからこれ捨てるしかないんだよな〜。」
「な・・・」
やはり呆気にとられたか。
「仕方ない。短い命だったな・・・」
俺はウサギの人形に謝った。
「ま、待つのじゃ!」
やはり俺を止めた彼女。
「何だ?」
「そ、そんなことをするぐらいなら貰ってやる!この子が可哀想だ!」
そう言って顔を真っ赤にして俺に両手を差し出した。
こいつ結構可愛いな。
「そうかそうか。」
俺はそいつを渡した。
そして彼女は大事そうに人形を抱きしめた。
「お、雨上がってきたみたいだな。」
「そのようじゃ。」
晴れてはいないが、雨は降っていなかった。
「じゃあ。俺は帰るから。」
「うむ。気をつけるのじゃ。・・・お主!」
彼女が俺を呼び止めた。
「何だ?」
「名はなんと申す?」
「ああ・・・」
そういえば名乗っていなかった。
彼女の名前も俺は知らなかったな。
「亜礫三太。お前は?」
「百合臼楓沙じゃ。」
「サンキュー。じゃあまた明日な。」
「そうじゃな。」
そう言って俺達は去った。
百合臼楓沙か・・・
初めて会ったな。
主人公は最後まで風紀委員長=楓沙だと気づいていません。
というか顔も忘れています。