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第8話 メモリは不足だ!!

今日もこれはあいも変わらずバカをやってまっせ。

「今回はシリアスです」


「は?」


「一応断りを入れておいた」


「というか唐突に話を始めるなよっ!」


初っ端から兵卒にツッコミを入れられる俺。

言っておくが俺はマゾヒストじゃない。


「はいはい注目!」


そんなとき、悪魔がホワイトボードを指差した。


「今日の議題はこれよ!」


「名前について」


俺はホワイトボードにある文字を読み上げた。


「何これ?」


「アンタがいつまでも人の名前を覚えないからこうなるんでしょうが!!」


何故か悪魔にチョーク(時速300キロ)を投げられる俺。

一応サッとかわして隣のアリスに耳打ちする。


「どういうこと?」


「三太君に人の名前を覚えてもらおうってことよ」


「何だ、そういうことか」


俺はヘラヘラしながら今日買ってきたガ○ガ○君の袋を開けた。


「あーあ。溶けちゃってらぁ」


「真面目に聞けよ!点無し!!」


そう言ってまたも悪魔がチョーク(時速500キロ)を投げつけてきた。

俺はサッと兵卒を盾にした。


「うぐあっ!」


兵卒の額が貫かれた。

ってそれじゃ俺にも被害が!!


「危ない!」


しかし横からアリスが片手でチョークをキャッチする。


「おお!サンキューな!」


兵卒を貫いてからキャッチするとはアリスめ、分かっているじゃないか。


「空気の読める女、アリス。読めない女、お前」


俺は悪魔を指差す。


「アンタの方が読めてないでしょうがっ!!」


「そう言って俺にチョーク(時速1メートル)を投げつける悪魔」


「投げて無いわ!!しかも遅すぎるっ!」


肩で息をし始めた悪魔。

こんなのでスタミナ切れとは……悪魔め、真面目に部活をやっていなかったな。


「とにかく!アンタ、私の名前を言って見なさい!」


「悪魔」


「平気であだ名を即答するな!!」


「いや、だって名前だろ?」


「ああもう!本名よ!本名!これで満足!?」


悪魔に火が点くと大変だからな……

ここは折れてやるとするか。


「結城尚子」


「誰よそれ!!」


「あ、それは俺の姉さんの名前だったよ」


「そんなのいたの!?知らなかったわよ!」


「そりゃあ尚子と翔子は俺達と一緒に住んでいないし」


「翔子って誰!?また新しいのが登場しているじゃない!!」


「ああ、翔子は尚子の妹だよ」


「ていうかアンタ何人兄弟姉妹がいるのよ!!」


「……難しい話だ」


「ええ!?」


こんな会話が10分以上繰り返された……





「で、話を戻すわよ。私の本名は?」


「……ブリトニー?」


「アンタ真面目にやってる?」


悪魔が俺を少し睨む。


「……えーとですね、明日提出の数学の宿題やってきた?」


「話を逸らすなっ!」


俺と悪魔の目が交差する。

ダメだ……これ以上この目を見ると……


「ガ○ガ○君が食べたくなる!!」


俺は溶けた○リ○リ○をのどに流し込んだ。


「マズッ!ヌルッ!スペシャルッ!」


「ねえ。まさか本当に覚えてないの……?」


悪魔が珍しくしおらしそうにする。


「え……いや……」


「……そうよね。私なんかの名前覚えてる暇があったら世界征服のこと考えられないもんね……」


悪魔の声がドンドン小さくなる。

いつのまにか4人(故人含む)しかいない部屋が静まり返っている。

俺はそこで……


「ゴホッ!ゴホッ!!あああああ!一気に飲んだから器官に入った!ゴホゴホッ!!」


俺は盛大に咽た。

いやあ確かに今のはKYかもね。


「ゴホゲホッ!……心配すんなよ。配下の名前くらいは覚えてる。だからお前も兵卒の本名覚えてやれよ」


俺は少し笑いながら言った。

でもさすがに兵卒の名前は少し自信が無いな……


「そう……ね」


悪魔はどこかホッとしたようだ。


「ねえ三太くん。私の本名も覚えてるよね?」


「当然だろ。第1話を見なさい」


「あ、そうだね!よかった〜」


俺は水を飲んでまずは咽を治した。


「それで名前が何だって?」


俺は珍しく真面目に話を聞くことにした。


「三太くん。名前をきちんと呼ばない人は周りからの評価もやっぱりよくないと思うの」


しかし悪魔ではなく、アリスが答えた。


「それで俺に人の名前を覚えてもらおう、っていう企画?」


「うんうん」


アリスが頷く。

あー、つまりその、これはアリスがこの企画を提案したのか。

それを敢えて悪魔が提案した風にしたのか。

我が軍師ながら中々腹黒いやり方ですな〜。


「一応理解はしたけど。じゃあまず誰の名前を覚えることにしようか?」


「生徒会長じゃない?」


悪魔が言った。


「そうだな。俺の覇道の邪魔をするライバルだからな。覚えておいて損は無いな」


俺は腕を組みながら頷いた。


「で、実際の話、覚えてる?」


「……金髪の女」


「それ容姿じゃん!名前じゃないよ!」


いつのまにか蘇生した兵卒が叫ぶ。


「何お前生き返ってんの?」


「死んでませんから!!」


「残念」


「アリスちゃんひどっ!!」


兵卒は放っておいて、問題はこっちか。


「アンタって結構他人に興味ない方?」


「そんなことは……」


俺は周りを見てみる。


「……特別あるわけでも無い」


「大丈夫!今から頑張ろうね!」


アリスが俺の手を握って言う。


「つうか何で握ってるの?」


「あ!これはその……親愛の証!」


「なるほど!」


俺はアリスと両手を繋いだ。


「……」


それを冷めた目線で悪魔が見る。


「じゃあ早速行動してくる!」


俺は急いで謎の部屋から出て行こうとした。


ゴン!!


「痛っ!」


俺はドアに頭をぶつけた。

言っておくが俺のせいじゃないぞ。


「何でドアが開かないんだよ!」


「だって今回はメモリ不足でこの部屋以外のプログラムは造られてないの」


「マジで!?」


俺は悪魔の発言に驚いた。


「ていうかもっと意味不明な発言について突っ込もうよ!」


兵卒が再び騒ぎ立てる。

お前はガキか。


「そんなのはどうでもいいとして、つまり今俺はお前たち3人以外会えないということか」


俺は冷静にこの状況を分析する。


「じゃあしょうがないな。メモリが空いたら呼んでくれ」


「そうするわ」


俺は悪魔とハイタッチを交わしてその場で横になった。


「じゃあ俺は寝るから」


俺は寝た。







「ちょっ!おしまいかよ!」


「当然」


アリスは終始ニコニコしていた。




もう少し捻りを入れたいけど、ギャグには必要ないかな?

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