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第8話 5年後
「はっ……はっ……はっ……」
俺は今山の中を走り回っている。
「んー中々いないなー、これじゃまたあいつらに怒られちまうぞ」
俺は獲物が居ないか探しつつ走っていた。
そして遂に焦げ茶色の見覚えのある背中を見つけた。
「ん? まさかあの背中は………?」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
低くてのんびりとした声、しかし俺にはまるでとても恐ろしく感じる。
「うぉっ! やっぱしお前の声なんか恐ぇぇよ!!」
きっとこれではまた馬鹿にされるんだろうな………と落ち込みながら俺はガーグワァーの首に短剣を添えた。
「………………………? …………………………?」
俺はポツリと言葉を投げかけた。




