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私の妹シリーズ

私は転生悪役令嬢のようですが、妹が可愛すぎたので幸せにしようと思います

作者: 真白

悪役令嬢転生が流行りのようなので、思い付きで書きました。

面白半分で思いきりで書いたら、最初とは多少違う作品になりました。(笑)

「なんでここにはスマホが無いのよーーー!!」


…スマホ?

スマホとはなんでしょう?


とりあえず、朝からお庭で叫ぶのは止めて欲しいですね。


あら。紹介が遅れました。

私、レティシア・ラルフォードと言います。

年は今年8つになりました。

父、リード・ラルフォードは公爵の位を賜っております。


「キャシリア!また貴女はそうやって大声を出して…。」


「お、お母様!?」


「まあまあ。元気があっていいじゃないか。」


「旦那様…貴方が甘やかすからこの子は…」


「まーまー。お母様もお父様もケンカしないで…」


「誰のせいでこうなってると思っていますの!?」


ケンカが無い方が良いのは私も同意です。

けれど、これは少しお母様に同情致します…。


お母様。ローゼリア・ラルフォードが諦めたような目を向けるのは、先程不思議な言葉を叫んだ方。


キャシリア・ラルフォード。

私の姉です。


お母様と同じお美しい金色の髪に、青色の瞳をした自慢のお姉様は私の2つ上で、今年10才を迎えました。

お父様と同じ栗色の髪を気に入っている私ですが、お姉様やお母様の髪色もお月様みたいで大好きです。


そんなお姉様なのですが1年程前、9つの誕生日のその日、足を滑らせ階段から落ちたお姉様はケガこそ無かったものの、1週間程目を覚ましませんでした。

そして1週間後目を覚ました直後お姉様は、


「悪役令嬢とか無いわーー…」


それこそ世界の終わりのように呟かれました。


それからお姉様はお変わりになりました。

気が強く、私を好いていなかったようなお姉様が毎日話しかけてくださるようになったのです。

一緒にお勉強をしました。私の魔法を褒めてくださいました。

遊びに行こうと、近くの草原にピクニックに行きました。

何より、私に笑いかけてくださいました。

私はどれだけ嬉しかった事でしょう…


それと一緒に、お姉様は不思議な言葉も話されるようになりました。

「ぽてち」だとか、「ぱそこん」、「妹もえ」…

意味が分からなくて聞いてみましたが、お姉様は教えてはくださいませんでした。


けれど、そんな言葉をお姉様は外で叫んだりするので、お母様は毎回注意してるうちに、最近は苦笑いを浮かべて諦めるような態度をとることも多くなりました。


けれど、お姉様同様あまり笑顔を見せてくれなく、お顔さえ見れなかったお母様が笑ってくださるのはとても嬉しいです。


仕事だとあまり屋敷にいらっしゃらなかったお父様も、側にいてくださる事が増えました。


全てお姉様のおかげです。


「妹もえ!笑う妹かわいす!!」


不思議な事を言うお姉様ですが、私はお姉様が大好きです。





「悪役令嬢とか無いわーー…」


その日私は記憶を取り戻した。

9才の誕生日。

9才には似合わないゴージャスなドレスを着た私は、階段からまっ逆さまに転がり落ちた。


そして、1週間眠っている間に、いわゆる前世で20才まで生きていた記憶を取り戻した訳だけど…マジ無いわー

成人式の日に、同窓会で羽目を外しまくって酔っぱらって、階段から転げ落ちて打ちどころ悪くて死ぬとか…

しかもさ、目覚めてビックリよ…というか引いたわ…


金髪、碧眼のつり目の美少女でキャシリア・ラルフォード。

妹がレティシア・ラルフォード。栗色の髪に翡翠色の瞳のおっとり系美少女って…


私が超ハマった乙女ゲーム[魔法使いと恋しませんか?]通称・マホコイの悪役令嬢じゃない!!


はい、そこ!

タイトルがダサいとか言わない!


私のだってそう思ったわよ…

内容だってテンプレだったわよ…


本当によくある設定で、魔法が使える世界で王政。

舞台は、魔力があるものは必ず入学して魔法の勉強しなければいけない魔法学校。

攻略対象は、その国の第二王子に騎士団団長の息子、王子の護衛の双子に、商家の次男。

あ、攻略対象はどこにでもいる感じだから省略!

ヒロインはやっぱりテンプレで、超庶民だけど高い魔力を持ってて、王子達のクラスに転入してくる。

まあ、それも省略!


で!よ…

私は第二王子の婚約者。

ワガママで高飛車、そんなテンプレ悪役令嬢で、ヒロインがどのルートに行っても、身分の違いを思い知りなさい!と苛めてくる最悪なやつ。


それでレティシアなんだけど、この子はちょー良い子なのよ!

素直で穏やか、優しくて、まさしく天使!いや、妖精?

とにかく可愛いの!

でも、レティシアはキャシリアに敵になるのよね…


両親はキャシリアに期待をかけながら、基本的にレティシアとは会わない。

しかもキャシリアには睨み付けられ、罵声を浴びて暮らしてた。

この子が性格良いのは確実に使用人さん達のおかげ…マジ良い人達なんだもん使用人さん達…


ああ…良い人じゃないと手におえないのかキャシリアも…


とにかくさ、性格はものすごく良いんだけど、親からは無視され姉にはいじめられ、すごく後ろ向きになっちゃったんだよね。

それでも魔法学校には行かなきゃ行けないわけで、自分なんて…って一人でいた所に現れたのがヒロイン。

「あなたは悪くない。あなたはすごい。私が側にいるよ。」と言ってレティシアを励まして、立ち直させる。

そんで、そのままキャシリアの断罪イベントからの逆ハーイベントに繋がる訳だけど、そこで酷いのが


「お姉様を止められなかった私にも否はあります。お姉様、私も共に行きますわ。」


キャシリアがどの断罪ルートに進んでも、レティシアはキャシリアにそう言うんだ。

ヒロインや他の取り巻きが、止めたり、自分の家への養子を進めてもよ?

その柔らかな笑顔に、キャシリアは最後は泣き崩れてレティシアに抱き付くの。


は?っては?ってなるよね!?

ヒロインなんて、レティシア励ましイベントで攻略対象全員の好感度ガンガン上げてんのに、レティシアに幸せは無いのよ!?


そんなレティシアの幸福ルート探して100%クリアしたけど、全然ダメ…

しかも、このマホコイは結構な人気ゲームで、その何が人気ってレティシアなのよね…

レティシアを幸せにしろ、って抗議の電話が相次いだってファンの中じゃ有名だし…


私もレティシア命でして…

目の前には本物の天使レティシア!!


そりゃあ、喜びましたよ喜びましたとも!

もうベタベタに甘やかしましたよ!

お母様にレティシアの優秀さを話しまくったし、お父様には家で仕事するように説教しましたよ、9才が!

それがなにか!?←


自分が悪役令嬢なんて二の次よ!

私は私の天使レティシアのために原作をぶち壊します!



ほとんどセリフ無し。

モノローグです。

お姉様の妹溺愛っぷりが半端ないです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 男の攻略者を近付けなくするって意味では悪役?令嬢になりそうだ。
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