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rainy day

掲載日:2014/06/20

ジューンブライドは招待客にとっては迷惑でしかないというのを聞いたことがある。

せっかくのスーツやドレスが濡れてしまうからだ。

基本俺ら日本人は雨があまり好きではない。

そりゃあ一部物好きな連中が雨が好きってやつもいるだろうが、わかってても濡れるのはいやだし、傘をさすのも手間だ。

だが、俺はそれらをひっくるめて、雨の日のほうが好きかもしれない。


俺はいつも通学に電車を使う、とある私立高校の生徒だ。

なぜ雨が好きなのかというと、そのわけはとっても単純である。

「あ、今日もいた…。」

部活が終わって、学校を出るのはいつも5時半。そこから駅まで15分。

雨の日に必ず学校の最寄駅の同じホームの一番後ろの車両の一番後ろのドアが来る位置に、その女性は立っている。


初めて見たときに、ひとめぼれしたというそれだけの理由。

だけれども、俺が人を好きになった初めての経験だった。

べつに大層な理由があって好きな人ができなかったわけじゃない。

ただ単に魅力を感じなかった。それだけである。


だが、高校に入り、2年生の秋ごろだっただろうか。

よく覚えている。部活帰りの雨の日。11月ごろだったろうか。

物憂げな表情でその女性が立っていた。

なぜか胸がくるしくなった。

身近に相談できる人もいなかったので、ネットで調べたところ、おそらく恋ではないだろうかという結論に達した。


その時は俺でも恋ができるのかと自分のことながら感動した。


今日も彼女はそこにいる。

話しかけてみたい。だがそこは俺のチキンハートが俺をとどめる。

一人悶々としながら、彼女を見つめる。

そのときだった。ふと意識を失ったかのように彼女が倒れ、線路に落ちたのは。


「だいじょうぶですか!」

この時間、この駅には人が少ない(だから彼女を見つめていたのだが。)

それでも急行が止まる駅ではあるので、幸いにも俺を含めた数人の男性と駅員によって、彼女は助け出された。

あの時の俺は、どうやらかなりあわてていたらしい。恥ずかしい限りである。


彼女が病院に搬送されていくのをみて、安堵した気持ちと反面、かなり不安な気持ちにさらされた。


この時のことは、地方の新聞の小さな記事にもなり、ついでに警察から感謝状ももらった。

まあ、そんなことはどうでもよかった。ただ彼女の容体が心配だった。

警察からは命に別状はない、とのことだった。

病院まではおしえてもらえなかった。当たり前か。


あの日からしばらく、彼女は雨の日もあらわれなかった。

一カ月がすぎたあたりだろうか。彼女は再び駅に現れた。

彼女は僕を見つけると、こっちに来てこういった。


「あの、もしかして、液近高校の生徒さんですか?」

「は、はい、そうですが。」

「あ、じゃあ、この駅で私をたすけたっていう生徒さんをしっていますか?」


すなおに自分がそれだ、と言える勇気が彼にはなかった。


「ああ、今日はもうあいつは帰りましたよ。」

「そうですか…お礼だけでも伝えてもらえますか…?」

「わかりました、伝えておきます。」

僕には彼女を養う余裕なんてない。だから今はこれでいいのだ。


その時、ふとあることをおもいついた。

「そうだ、彼、なんで雨の日にいつもこの駅にいるのか気になるっていってたんですけど…

 彼に教えてあげたいんで教えてもらってもいいですか?」

「私は毎日ここにかよってますけど…?」


どういうことだ?雨の日しか姿をみてこなかったのに?


「あ、ああなるほど、たぶん…」

彼女が言うには、雨の日は夜間に行う仕事が危険であることからなくなり準備がいらなくなるため

少し早く帰宅できるのだそうだ。


「なるほど、ありがとうございました。彼にはそう伝えておきます。」

「ええ、こちらこそお礼を伝えてくださってありがとうございます。」

その後、反対方面の車両に彼女はのっていった。


今日も雨がふっている。

もちろん彼女はそこにいる。

彼女と目が合うと軽く会釈をしてくれる。

俺も会釈をかえす。それだけ。

それだけの関係だ。

この関係は明日も明後日も、続いていく。




いかがでしたでしょうか。

6月ももう後半です。たまにはこんな純粋なラブコメもいいかもしれません。

ただし作者はこんな経験はないです。


4日連続投稿です。さすがに明日は無理だな…

また機会があればお会いしましょう。ではでは。

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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポよく物語が進んで、わかりやすかったです。 2人の今後が気になります。 [気になる点] 盛り上がりが少なくて、淡々と進んでいったような印象を受けました。 [一言] 主人公が女の人に自分…
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