2012年10月14日(授業六日目面接)
※この作品は作者の日記ではありません。
10月14日(授業六日目面接)
どこかの店の面接を受けるとき、その店の事務所へ通されることが多いのだが、そこが清潔であったことはほとんどない。唯一の例外だったのはゲームセンターの面接を受けたときで、その面接を受けた部屋は余計なものがほとんど置かれておらず、実に清潔な面接部屋だった。今思えばあそこは面接専用の部屋で、事務所ではなかったのかもしれない。そう思えるほどあそこは清潔だった。ちなみにゲームセンターの面接は落とされた。バイトの面接でも落とされるということはあり得るのである。それともこれは私のような人間特有の現象なのだろうか。普通はバイトの面接になんか落ちたりしないものなのだろうか。
書店のおそらく店長と思われる太った中年男性の質問に、私は誠心誠意を持って真面目さを、これから仕事を始めるにあたって決してだらけた店員らしからぬ態度をとったりすることは決してない、という態度を持って答えたつもりだった。もちろん履歴書も見せて。私は大学生ではないがこの仕事に対する熱意やシフトの自由度は大学生に勝るとも劣らないものである、と事故をアピールした。その他の雑然とした質問にも、私は誠実に応答した、はずである。それなのに店長はこう言った。「私はあなたのような人と、一緒に仕事をしたくありません」
一体私の何が悪かったというのか、と尋ねてみた。「全部です」ところが店長は答えてくれなかった。私は履歴書を返してもらい、追い出されるような気分で書店を出た。一体何が悪かったのか、想像してみないことには収まりがつかなかった。まず考えたのは、私は自分で考えているよりはるかに横暴な態度で店長に接していた、という可能性である。しかしそれは考えにくかった。私はパイプ椅子から腰を下ろして土下座までしたのである。それのどこが横暴な態度だというのか。むしろ謙虚すぎて引かれてしまいかねない態度である。それとも、もしかして。




