2012年8月19日(授業初日結果)
※この作品は作者の日記ではありません。
8月19日(授業初日結果)
「ほーむれすをあつまてもやすほけんじょがあるんだ」と真偽のわからないことをホームレスは口にした。そのホームレス然としたホームレス曰く、ホームレスは世の中に必要ないからホームレスを処分するための施設が作られたらしい。税金で。なんという無駄遣いであることか。ホームレスはきちんと厚生させれば労働力になるだろうに。それとも労働力が余る程世の中は不景気なのだろうか? 元ホームレスを雇うための金もないのだろうか?
とりあえず真偽を確かめるためにその足で保健センターへ向かった。プロペ通りから保健センターまでは対して離れていない。暑さを除外すればさほど苦労しない程度の距離なのである。そしてそこの窓口へ立ち、私はホームレスを処分する期間があるそうですが、と話を切り出した。帰ってきた答えは「は?」だった。
それから大して相手もされずに追い返された。もしや私はホームレス然としたホームレスに騙されたのだろうか。確かにホームレス然としたホームレスの口調は決して賢い人物のそれではなかった。しかしだからといって賢くないと決まったわけではない。平気で嘘をついて人をからかう程度のことはやらかすかもしれない。とにかく。私はホームレス然としたホームレスに敗北した、ということになる。一杯食わされれば敗北なのだ、自分が決めた。そう決めた。明日からはちゃんと訓練をして、いつかホームレス然としたホームレスから一本取り返さなければならない。そう心に誓った。




