2012年9月25日(授業四日目執着)
※この作品は作者の日記ではありません。
9月25日(授業四日目執着)
そして診察は終わった。さっきの親子の診察時間と比べれば光の如き素早さである。まあ私はこの病院に通って長いわけだし、そう長々と話すようなこともないわけだから、このくらいの診察時間で十分なのかもしれない。しかしあの程度の雑談だけで金を取られるとしたら納得がいかない。処方箋がもらえなかったら暴動を起こしているところである。そしてまた警察を呼ばれるのだ。あ、今余計なこと書いた。
私は処方箋を受け取り、診察台を支払い、おとなしく病院を出た。雑居ビルから出てしまえばそこは再び日本一ラブリーな町である。空は暗くなりかけていて、狭い路地は人でひしめき合っていて、コスプレ店員がチラシを配っていてただでさえ狭苦しい路地をさらに狭苦しくしていたりして大変な騒ぎである。
私はゲームセンターに入った。精神に異常があろうとゲームくらい嗜むのである。一人で勝手に楽しむんだからむしろ推奨されるべきである。と思っていたら以前医師に「気晴らしにゲームでもやってみるのもいいかもしれませんね」と言われたことを思い出した。なので堂々と入店である。誰も私に注目などしない。精神の異常は見た目に現れないからである。
ゲームセンター内では外国人の姿が目立った。外国人は自動販売機にデジカメを向けていた。そういえば海外には自動販売機というものはあまりないらしい。水を飲みたくなったらいちいち店に入って買わなければならないのか。それは面倒だ。それはそれとして私はゲーム台へ座った。クイズゲームである。全国対戦ができる唯一のクイズゲームを私は毎日のように粘着的にプレイしている。それでも全国の上位者には少しも歯が立たない。つまりこれ以上プレイしても伸びしろはないのである。だというのに私は毎日のように挑戦を続けている。おそらくこれをプレイすることが生活習慣の一部に組み込まれてしまっていて、これを外すとまた違和感に苛まれることになるのだろう。難儀である。




