2012年8月25日(授業二日目食事)
※この作品は作者の日記ではありません。
8月25日(授業二日目食事)
仕方がないので牛丼屋に入ることにした。すき家は今夏もまたオクラなどというけったいなものを牛丼に乗っけていた。少し前までは丼の上に牛肉とうなぎを同時に載せるという暴挙にすら出ていた。その場合米の味はどうなってしまうのか。想像するだに恐るべきメニューである。
私はそんなすき家の支持者である。所沢にすき家が少ないのが悔やまれる次第である。家から大分歩けば一応あるにはあるが、いくらすき家の支持者だからといって近場の松屋を不意にしてまで食べに行きたいとは思わない。私にとって牛丼とはその程度の食物である。そんな本当はどこでもいい某牛丼屋では「ズブロロロロロ」という音が響いていた。まるで太い麺類を吸い込んでいるかのような音である。音のした方へ視線を向けてみると、頭髪が完全になくなっている老人がものすごい音を立てながら牛丼を吸い込んでいた。咀嚼が少なくて楽そうな食べ方である。私もそれを見習い、牛丼に卵を追加して吸い込むように牛丼を食べた。はっきり言って聞くに耐えない音が店内に響き渡ったが、図書館と違ってそんなことで追い出されたりしなかった。
腹をふくらませて店を出た私は、そこでやっと今日が講義の日であることを思い出した。私は想像しなければならない。サラリーマンの生活について。と、そこへちょうど背広姿の人物が通りがかった。夏なのに背広とはおかしな姿である。こんな暑い時期は皆してクールビズなのに、ひとり背広を着て汗を流して大荷物を背負っている。きっと彼こそが一番サラリーマンらしいサラリーマンに違いない。私はその人物の足取りを負うことにした。




