五分咲き
音無 恭吾の独り言
くそう!
なんか、やっぱり大人だよなぁ。
あの沖田って人………
なにやっても、勝てる気がしねぇよ。
なんであんなに、さわやかなんだ?
俺なんかとは全然違って頭良さそうだしよ。
どうしよ、どうしたらいい?
響子ちゃんもすげえよな。
あんな、プロの作家に本気で褒められてたもんなぁ。
そういやあの新刊本のコーナー、地味な本屋の中でいつも人が集まってるよなぁ。
好きでやってるだけって言ってたけど。
あのコーナーやってる時の響子ちゃん、楽しそうだもんな。
そうか、そうなんだ……
自分が好きでやってる事を、人が認めてくれるってさ………
なんか、すげえ気持ちいいんだろうな。
俺には、何があるんだろう?
まず、それ見つけないとな………
本屋の仕事は、響子ちゃんがいてそれなりに楽しいけど…
なんか、違うんだよな。
俺、何がやりたいんだろう?
どんな俺になりたいんだろう?
まあ、とりあえず保留にしとこう♪
一目惚れって、ホントにあるなんて思ってなかったよなぁ。
そりゃあ、今まで何人か付き合った女の子はいたけど……
考えたら、自分から好きになった事ってなかったよなぁ。
人を好きになるって、こんなに苦しくて、切ないもんだとは………
今まで、俺なんかを好きになってくれた女の子、こんな気持ち抱えてたんだ。
俺は、俺はさ、諦めないぞ。
今度こそ、諦めない。
そう、決めたんだ。
受験から逃げて、親からも逃げて………
色んな事から、逃げて今までやってきたけど。
この今の気持ち、響子ちゃんを好きだっていう気持ちからは絶対に。
逃げない!!
まあ、なんか結果はわかっているような気がしないでもないけど‥‥
頑張るぜ!
何を頑張ったらいいのか、わからないけどよ。
とにかく、最後まで‥だな!
う〜〜ん、なんか元気出てきた♪