第4節:旅ノ訪レ時代ノ幕明ケ
稀代大陸
かつて神文明が最も栄えていたとされている大陸。
ガラスの砂で出来た砂漠地帯に古代文明の名残を数多く遺すこの大陸は、創世紙が一番見つかりやすい場所の為、一獲千金を狙うシーカーが集う場所としても有名だ。
そしてこの地にある文明国家サヴォルの首都でとある大会が開かれると聞き、その大会を目当てに二人の少年が稀代大陸への旅を始めようとしている。
「おい!もうそろそろこの村を目当ての便が通る!寝てないで早く起きろ!!」
刀の少年は目をこすりながら言う。
「むにゃ……あともう少しだけぇ………」
少年はため息をつくと、覚悟を決めて刀の少年を背負いこむと、路地から飛び出して走り出す。
「あぁもう!お前なんっで肝心な時に起きないんだ!普通逆じゃない?!お前が寝てる俺を背負って走るやつでしょ!!まぁ俺寝れないから無理だけど!」
少年が無我夢中で走っているうちに建物は後ろに流れてゆき、周りには草原ばかりが広がる。
ゴォォォン!!!
少年が村から出て間もない頃大きな轟音が聞こえてきた。
ふと少年が顔を上げると大きな鉄の塊がガシャ!!と錆びた鉄がこすれる音を響かせて移動している。
空を高く飛ぶ鳥がそれを避けて飛んで、走っている少年を見下す。
少年は思わず叫ぶ。
「デッッカァァァァ?!」
ゴォォォン!!
音が海の方に近づくにつれて幅を広げていく。
「もしかしてあれが装甲船!?あれに乗るの?!どうやって乗る……」
少年が大きなキャタピラの横を走っていると、キャタピラの上にある扉から茶髪の女性が顔を出して話しかけてきた。
「お~い!!そこの人を運んで走っている君!!もしかして乗船客か~い!」
少年は女性を見上げると言う。
「え?あ!そうで~す!!」
「オッケー!なら梯子落とすね~!!」
ガララララ……ガチャ!!
「え?……もしかして止まってくれないんですか?!」
「当然でしょ~!!早く乗った方が良いよ~!そろそろ飛行開始位置に到達するから~!!」
「え?なにそ」
チリリリリリ!ガシャン!!ウィーン!!ゴウンゴウン………
警報音が鳴り響くと、装甲船から鉄で出来た翼が出てき始めた。
「うるさ!!どうなってんのこれ!」
女性が目を輝かせて指を立てると解説しはじめる。
「説明しよう!!」
「え?!何急に!?」
「この装甲船は全国の首都を常に周っている首都船で、首都を巡るために必要な飛行機能を搭載する為に鳥の創世帳を搭載しているんです!」
少年は梯子に翻弄されながら言う。
「もう!!そんな話聞いてる暇ないって!!」
少年は苦戦しながらもようやく梯子を掴むと、一生懸命登り始める。
ゴォォォォォ!!!!
とてつもなく大きい音が鳴りだし、大きな炎が装甲船の後ろから出始めてその熱気が寝ている刀の少年に汗をかかせる。
「よっこらせっ」
女性は少年の手を掴んで引き上げる。
「?……なんで君手錠してんの?」
少年は息を切らしながら言う。
「そんなこといいから早く中に入れて!」
「じゃぁ切符見せて?」
装甲船が少年たちの旅の始まりを告げるように大きく羽ばたき地を離れてゆく。
少年は自分の位置と平行になった天空樹を見ながら言う。
「はは……不安しかないけど……ちょっと楽しいかも…この旅」
「むにゃ……世界を巡り剣術を磨いてきた某に任せろぉ……むにゃ」
そんな少年たちの様子をデッキから赤い影が見下している。
「な~んか………見覚えある手錠タコね……」




