第11節:跳ネ回ル空気・止マル彫刻
ドォン!
ドカァン!!
「ねぇノース……アイツらってただの人間だよね?なんであんな力強いの?」
ノースは売店で購入したバナナシェイクを啜りながら、ある程度試合を眺めると質問に答える為ストローから唇を離す。
「あれは神力という文字通り神の力で己の体を強化しているからだ、貴様も覚えが無いか?力がいきなり強くなったとか……」
レッドはしばらく考え込んで、何か思い当たる節が無いか頭の中の引き出しを開けて回る。
「あ、そう言えば一回普通に蹴ったと思ったら相手が空まで吹っ飛んで行ったことがあったような……」
ノースはそれを聞いて一瞬困惑する。
しかしすぐ理解して話始める。
「それは……間違いなく神力の力だな……と言うか普通怪しむものだと思うが………まぁ貴様に限ってそれは無いか……」
「う~んまぁ特に怪しみはしなかったけど……」
ノースと話をしていたレッドを試験官のハキハキとした声が呼ぶ。
「次!レッド対マイク!両者マットの上に立て!」
レッドは試験官の言葉に反応して立ち上がりノースに目だけで別れを告げると組手を始めるためにマットの上に立った。
二人がマットの上で向き合ったのを試験官が確認すると手を振り下げて叫ぶ。
「始め!」
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レッドはつい先ほど行った組み手により、手にこびりついた血をゴシゴシ強めに洗い流してからフゥと息を吐くと、トイレから花の彫刻が施された柱の整列する長い廊下に出る。
「おい……お前」
手をブンブン振って乾かすレッドを一人の忍が止める。
忍の特徴については体全体を隠すような服のせいで男か女かすらもよくわからないが、顔立ちと結ばれた長い髪だけで見れば少女に見える。
そんな得体のしれない忍に話しかけられて、レッドは少し困惑したような様子で立ち止まる。
「お前……さっき眼帯を付けた奴と一緒にいたよな?」
レッドは質問に対して特に警戒もせずに回答する。
「え?うん……いたけど……それがどうした?」
忍は薔薇の彫刻が刻まれた柱に寄りかかって、腕を組むと言う。
「別に特段言いたいことでもねぇけど……あ~いや………嘘ついた……これは結構伝えたいことなんだが……」
忍は鋭い紫色の瞳を刃の様に光らせて少しその場の空気を重たくすると言う。
「お前……アイツに利用されてるぜ?」
パタパタ……
外から鳥の羽ばたく音が聞こえてくる。
忍の声は別に大きい声でもなかった……しかしそれはその場にとてつもない振動をもたらし、同時にとてつもない哀愁漂わせた。
「あぁ~!知ってる知ってる」
レッドは確かにそう言った。
特に驚きもせず、日常会話をする時と同じトーンで確実にそう言った。
忍は間の抜けた表情になり、ドン引きに近い感情を持つ。
忍は脱力して手をプランと下げると天を仰ぎながら言う。
「え~嘘だろ……いやそれってどうなんだよ?え?なんか思うところ無いの?利用されてることに対してなんか拒絶反応とかでないか?普通……というか何で知ってんの?」
レッドは少しめんどくさそうに顔をしかめて、テキトーそうに言う。
「質問多いな…まぁなんか途中から俺の事利用してそうだな~とは思ってたし…いや正直どうも思わないよ……生きてたら利用の二つや三つされてるもんだと思うし………まぁノースは多分いい奴だから……いい奴の役に立ってると思うといい気にならない?」
忍びはとてもキレ味のある言い方でスパッと言う。
「いやならねぇよ」
「それに俺とノースは結構仲いいから!お前が知らないだけで一緒のベッドで寝てるし……」
忍はレッドの言葉を聞いて重大な何かに気づいたのか、顎に手を当てて言う。
「お前それ手錠外されてるな………」
「どういうこと?」
「……フッ」
シャキン!シャシャシャシャ!
忍びはいきなり刀を抜くと自分が寄りかかっていた柱の彫刻を超高速で薔薇から髑髏に変えてしまう。
刀を振るう腕は液体のようにしなって見える程素早く動く。
その様子を目の前で見ていたはずのレッドには忍の動きを感知する間もなかった。
カチャ…
忍は静かに刀を鞘に納めて声を張りなおし腕を組み直しその状態で偉そうに語り始める。
「面白そうだから教えてやるよ……お前の事についてじっくりたぁっぷりな……ただ生半可な覚悟じゃ受け止めきれねぇ………しっかり構えておきな?」
空気は軽く跳ねているが忍が気分で変えた柱の髑髏の彫刻は真




