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1王子の婚約者候補(1)


 ローラレッタ国は大陸の東側に位置する小さな国だ。

 その周りには四つの国があり同盟関係を結んでいる。

 そしてその西側にはビアテ帝国と言う大国がある。ビアテ帝国は魔術の発達した最先端の技術と思想を持った国だった。

 だがローラレッタ国と同盟国は新しいものは好まず古き良き時代の慣習のままだった。

 特に大切にされてきたのは王家の血筋で長きにわたり王族は高位貴族との婚姻を続けて来た。

 だが、長い間の血の濃さからか王妃や王女の度重なる不妊や流産が続いた。

 そんな中やっと生まれた王子や王女も身体が弱かった。

 先々代の王も3人の王子を授かったが2人は幼いときに亡くなり一人だけ無事大人に成長した。

 先代の王は決断をした。

 王族との婚姻は高位貴族ではなく隣国の王女や高位貴族以外からも婚約者を選べることにした。

 そして婚約者を決めるのはどの貴族も一律、学園を卒業する18歳と定めた。

 これは王家の婚約者を失うことのないようにとの計らいらしい。

 そして現在の国王はネクス伯爵家の令嬢を娶り4人の子を授かった。

 彼らは無事に大きく成長をした。

 それが20歳になるライル王太子と18歳になるエディオ王子と2歳年下のシャローナ王女。そしてまだ幼いピューリ王子で5歳になる。

 エディオ王子は18歳になるが、どうやらどの貴族も婚約者になりうるとなったせいか同年代の子供が多かった。

 

 ~そして現在~

 学園の新学期が始まった。

 王立学園の3年生には3大公爵家にはそれぞれ嫡男がおり3つの伯爵家には令嬢がいた。

 まずは外交官を父に持つ アントール・ブルボーナ公爵令息

 宰相をしている父に持つ ヴィント・サルバート公爵令息

 騎士隊長を務める父に持つ タロイ・オスカーレ公爵令息


 そして伯爵家の令嬢

 領地に港を持ち貿易商を営む父を持つ ローザンヌ・レイローリ伯爵令嬢

 領地に広大な農地は牧草地を持つ父を持つ。もともとは商人で先々代に爵位を賜り先代が国に貢献したことで伯爵位になったいわゆる新興貴族 私、アマリエッタ・ロータネク伯爵令嬢

 領地でたくさんの薬草を育て国の薬業を賄っている父を持つ リスティ・ワイアット伯爵令嬢

 そして同じ学園の同級生でもあるエディオ王子。

 この7人はみな最優秀のAクラスでいつしか生徒の間では彼らの事を神7と呼ばれるようになった。

 全然そんなんじゃないのに‥


 特に伯爵令嬢は誰がエディオ王子の婚約者になってもおかしくはなかった。

 ちなみにこの前後に公爵家には令嬢がいなかったのも大きな理由だ。

 ネクス伯爵にはシルフィ令嬢がいたが婚約者候補にはならなかった。王妃がネクス伯爵家出身だから。


 ついにエディオ王子の婚約者が決まった。

 彼の婚約者は隣国バーラ国のゾラ王女。

 つい半年ほど前バーラ国から留学生として来たのがゾラ王女だった。

 もちろん同じ学園生徒としてエディオ王子や公爵家の令息や伯爵家の令嬢である私達が世話をしたがゾラ王女はエディオ王子をえらく気に入ったらしく今回の婚約の話がまとまったらしい。


 エディオ王子の婚約が決まると雪崩を打ったような速さで3年生の婚約が決まって行った。

 ローザンヌはアントール・ブルボーナ公爵令息とリスティはタロイ・オスカーレ公爵令息とそれぞれ婚約が決まった。

 ローザンヌとリスティはもともと好意を抱いていた相手だった。

 それで私はと言うと‥‥

 お父様が宰相をされているヴィント・サルバート公爵令息しかいない雰囲気になってしまい案の定彼に決まった。

 まったく。正直嫌だった。

 










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