後ろ髪食われたい？

　圭太（けいた）はサラリーマン。同じ電車で出勤し、同じ電車で自宅に帰る。毎日そんな日々が続いている。つまらない日々だが、それが自分の道なんだ。頑張らなければ。そして、いつの日か、幸せな家庭を築きたいな。そろそろ恋人がほしいな。そう思っていた。

　圭太はホームで電車を待っていた。この時間は朝のラッシュアワーで、多くの人がホームで電車を待っている。彼らのほとんどは社会人で、スーツの人もいれば、私服の人もいる。いつも通りの通勤風景だ。

「間もなく、１番線に電車が参ります。黄色い線の内側でお待ちください」

　駅のアナウンスとともに、１０両編成の長い電車がやって来た。電車の中は満員だ。本当に乗れるんだろうか？　不安だが、いつも乗れている。今回も乗れるだろう。

　電車がホームに着いた。ホーム柵が開くと同時に、電車のホームも開く。この駅も転落防止のために、ホーム柵が付くようになった。山手線の新大久保駅で起こった転落事故がきっかけだという。少々狭く感じるが、安全のためなら納得できる。

「はぁ・・・」

　圭太は車内に入った。車内にはいろんな人が乗っている。彼らの中には、スマホをいじっている人もいれば、文庫本を読んでいる人もいる。これもいつもの風景だ。つまらない日々だな。たまには別の時間に通勤したいな。圭太はそう思っていた。

「ん？」

　と、圭太はある女が気になった。その女はとても美しい、ロングヘアーの女だ。その女は、スマホをいじっている。その女、かわいいな。

「あの女、気になるな」

　電車のドアが閉まり、電車は動き出した。普段、圭太はスマホをいじっているが、その女が気になっていじろうと思わない。

「かわいいな」

　やがて、電車は圭太が降りる駅に着いた。圭太はいつもの駅で降りた。ここから会社までは徒歩だ。

　と、圭太は気づいた。その女もここで降りる。まさか、この女もここで降りるとは。偶然だろうか？

「同じ駅で降りるとは」

　圭太は女の後に続いて歩きだした。女はそれに気づいていない。いや、全く気にしていないようだ。

「えっ！？」

　突然、女は誰かの気配を感じて、振り向いた。だが、怪しい人は誰もいない。何だろう。

「誰もいないな・・・」

　女はいつものように会社に向かっていた。圭太が見ている事も知らずに。

　退勤直前、圭太はあの女が気になっていた。考えるたびに、好きになっていく。どうやら一目ぼれしたようだ。この女にまた会ってみたいな。

「どうしたんだい？」

　上司の言葉で、圭太は我に返った。上司は圭太の表情が気になった。何か気になる事でもあるんだろうか？　まさか、恋だろうか？

「いや、何でもないっすよ」

「そっか・・・」

　圭太は何も言えなかった。本当は何かあるのに。

　圭太は時計を見た。そろそろ帰る時間だ。今日も早く家に帰って寝よう。明日も仕事だから、しっかりと休んで明日に備えよう。

「さて、帰ろうか。お疲れ様です」

　圭太は退勤した。今日もいろいろあったけれど、自宅に帰ってしっかり疲れを取ろう。

　圭太は駅にやって来た。夕方はそこそこ混んでいる。だが、夕方ラッシュは朝ほどではない。ゆったりと家に変えれるだろう。

　しばらく待っていると、電車がやって来た。車内はそこそこ人が乗っている。

「さて、帰りの電車に乗るか」

　圭太は帰りの電車に乗ろうとした。と、そこにあの女がやって来た。まさか、ここでも会うとは。やっぱりこの女が気になってしまう。どうしてだろうか？　恋だろうか？

「あれっ・・・」

　２人とも電車に乗った。２人とも、自宅に戻るようだ。一体、どこに住んでいるんだろうか？

「あの女、帰りでも一緒なのか」

「ん？」

　と、女は誰かに気付いた。今朝、通勤で見かけた男だ。同じ電車に乗るとは。

「どうしたんですか？」

「いや、何でもないですよ」

　圭太は笑った。何もないよ。ただ、一緒の電車に乗っただけだよ。どうやら、ストーカーではないようだ。安心したな。もしストーカーだったら、警察に言わないとな。

　あっという間に、電車は圭太の自宅の最寄駅に着いた。圭太は電車から降り、家に向かった。もうすぐ自宅だ。今日も疲れたな。ゆっくりしよう。

「さて、家に向かおうか」

　圭太は改札口を抜け、自宅に向かって歩き出した。明日もまた頑張ろう。

　翌朝、圭太はいつもの電車を待っていた。圭太は気になっている。あの女は今日もこの電車で出勤するんだろうか？　とても気になるな。

　しばらく待っていると、電車がやって来た。今日も電車は混雑している。圭太は車内に入った。

「さて、今日も行くか」

　圭太が車内を見渡すと、あの女がいる。今日は後ろ姿だ。どうしたんだろう。偶然だろうか？　後ろ姿もかわいいな。ますます好きになってくるよ。

「あれっ・・・。あの子、今日もいるな」

　ドアが閉まり、電車が動き出す。圭太は文庫本を読み始めた。今日は読まなかったのに、今日は読んでいる。あの女をあんまり気にしていないようだ。

「かわいいな・・・」

　だが、圭太はあの女を考えてしまう。どうしてだろう。

「うわっ・・・」

　突然、圭太は誰かにかまれたような気がした。何だろう。圭太は顔を上げた。だが、周りは普通だ。

「な、何？」

「どうかしましたか？」

　と、そこにあの女がやって来た。どうして来たんだろうか？　圭太を気にしてやって来たんだろうか？

「いや、何でもないです・・・」

「大丈夫？」

　隣にいる中年のサラリーマンも気にしている。圭太の叫び声を聞いて、何があったんだろうと思った。事件だろうか？　いや、そうではないようだ。

「だ、大丈夫だけど・・・」

　ため息をついて、圭太は女の方を見た。すると、女の後ろ髪から何かが出ている。よく見ると、ワニのような大きな口だ。圭太は鳥肌が立った。

「ウフフ・・・」

「ギャーーーー！」

　圭太は叫び声をあげた。まさか、あの女が二口女だったとは。

　それ以後、圭太があの女を気にする事はなくなったという。