もう一人の
花の散り終えた日に
春の眠りを見届けて、
青い新しい季節に
身も心も吹かれよう。
もう一人の自分が、
もう一つの世界で、
自信に満ち溢れて
ありふれた風の中。
どんな夢も暮らしも、
ありのままじゃ流れず、
深く考えない方が、
いいよと誰かが言う。
森の若い緑は、
寄せる夏に誘われて、
震えるお日様の方へ
一斉に伸び始める。
もう一人の自分が、
もう一つの世界で、
期待に胸膨らみ
程よい光の中。
どんな詩も言葉も、
思いのままじゃ注げず、
期待していたほどには
伝えられないままに。
季節のあるこの国で、
戦争の無いこの時に、
生まれ落ちている意味、
それは何と何だろう。
もう一人の自分が、
もう一つの世界で、
誠実に生きている
素直な気持ちの中。
どんな好きも興味も、
生きるだけじゃ膨れず、
空を見上げれば雨が
やっぱり降ってくる。