浜千鳥と満月 (アイ氏『来年のカレンダー』欲しさに万年青をまとめ買いをする!)
さて『東天光』を無事に植え付けて『万年青』が三鉢に増えた。
だが、アイ氏は、まだまだ万年青が欲しい病は、収まっていなかった。
だから時々アイ氏は、万年青屋さんのHPを覗いていた。
そんなある日、アイ氏は、小さくて可愛い万年青を気にいってしまう。
その『木』の名前は『浜千鳥』である。
この小さな獅子万年青は葉がクルっと一巻きして、その姿が、まさに千鳥の様に見える万年青だった。
早速、アイ氏は『万年青通販』を開始する。
そして年末の為か、HPには1万円以上で来年の万年青カレンダープレゼントとあったので、アイ氏はカレンダー欲しさに、もう一鉢万年青を買うべくHPを更に検索を進める。
そして目についた『木』が『満月』である。
この『満月』は、江戸時代に生まれた万年青で、美しい濃緑に覆輪が入り、葉幅が広く葉先辺りは波が打った様に揺らぎ大変上品な見た目の万年青である。
この『満月』はまだ若木で葉が少なく、新葉は、『アザミウマ』と言う害虫に葉を食べられ様なた痕がある為、比較的安いお値段で売られていた。
そして何より二株で合計で1万円ぴったりになるのだ!
そうしてまとめ買いしたのが、『浜千鳥』と『満月』である。
『浜千鳥』は、小さな『獅子万年青』で葉は千鳥が羽を広げた様に『クルン』とカールした可愛い見た目である。
『満月』は、残念ながら、少しアザミウマの痕が痛々しいが、来年の新葉が出てくれば、それ程気にならないのはずである。
カレンダーには春と秋のおもと展の開催日が記載され美しい万年青の写真が載せられ、正に『万年青』好きの為に作られた様なカレンダーだった。
こうしてアイ氏は、また新たな万年青を迎えたのだった。
そして増えてきた万年青達の為に、アイ氏は本格的な『万年青置き場』を庭に造る事を考える。
仕事が休みの日に、アイ氏は疲れた体に鞭を打って、万年青置き場を造る工事を開始する。
庭の午前中日が当たる場所に、簡易のビニール温室を置くのだ。
場所が決まったら、最初にやるのは草むしりと地面を平らに整える事だ。
そうしてから砂利を引きブロックを二つ置く。
その上に簀の子を乗せてブロックの起いた位置を確認する。
地面に直接、万年青を置くと地面の土から病気移る可能性もあるので、ブロックで高さを取り、砂利を引いて
地面から跳ね返った泥を避ける、簡易の棚を造った。
調整後、簀の子を取り払い組み立てたフレームを置く。
簡易フレームには、南からの日射しを遮るべく、遮光ネットを取り付ける。遮光ネットの取り付けに便利なのは、園芸用の結束バンドでる。
アイ氏は、この結束バンドを遮光ネットの取り付けに何年も前から使っている。強風でも遮光ネットが飛ばされ無いので、かなり便利だ。
そして温室ビニールを被せて簀の子を再び置けば、万年青棚の出来上がりである。
朝から夜まで、簡易ビニールの入口は、必ず開けて通気を確保する。
そしてアイ氏、寒さが厳しい12月中でも、アイ氏は万年青を外に置いた。
だが、ある日の夜、万年青の様子を見に行くと水苔が凍結していたのである。
万年青、自身かを氷って無くても水苔が氷ると万年青の首元や根を痛める可能性が出てくる。
万年青は根の管理が大切なので、アイ氏は慌てて、万年青を室内へと入れるのだった。
そして夜は、室内、朝から夕方まで、野外の生活が続いた。
アイ氏は、浅いカゴに入れて万年青達を運んで、野外に置いていた。
だが、ここでアイ氏は、ドジをやってしまった。
大葉の東天光をカゴの隅な置いてしまったのである。
ふらっと玄関の階段でバランスを崩した瞬間、『東天光』がカゴから地面に落ちてしまったのである!!
『東天光』の鉢は陶器!!
無残にも淵と鉢の一分が割れ、更に『東天光』は用土と共に鉢の外に投げ出された!!
この大惨事にアイ氏はパニックった!!
とにかく、直ぐに『東天光』を植えないと!と慌てて物置に置いてあった鉢と用土の準備をする。
そして再び、植え変えたのだ!
その後、アイ氏あわててホムセンに駆け込んだ。
ホムセンで苗育成用のカゴを購入する為である。
このカゴなら、お手頃な値段と比較的深さがあるので、鉢が落ちにくいと考えたからだ。
こうして、アイ氏は万年青大惨事を乗り切り、そして本格的な初めての冬越しを迎えるのだった。
そして冷静になってから、『東天光』を見れば、また鉢の正面を無視しているのに気が付いた…。
せっかく植え替えたのに…。鉢の位置を確認すれば良かったとアイ氏は後悔するのだった。