最終回 (アイ氏『理想の縞獅子』を見つける!)
夏になると段々と水やりの感覚が長くなるってくる。
肥料も5月末で打ち切りなので本当にやる作業がなかった…。
ただし草木灰から作った、アク水のみ、毎回の水やりで与えている。
そんな暇な日々が続き、アイ氏は、殆ど万年青を放置していた。
そしてある時『縞獅子1号』の鉢を手に取って、よく見たら、なんと小さな子株が生えていた!!
『気付かなかったんですか?』とか質問されそうだか…。
冗談抜に、本当に夏まで気が付かなかったのである!
万年青の子株の芽は小さな角の様なものがニョキニョキと伸びから葉が開く。
だから以外と気が付き難い。
その上、葉が開いても子株は親株と、そっくりで斑が強い葉だったから親と一体化していて気が付かなかったのだ。
獅子1号の子株は、上子で親と接点が多いのか、その後どんどん大きくなり親株と同じ位の大きさになった。
ただし1年で良く成長する株は、親から栄養を依存している場合が多い、だから親から離した1年〜2年は以外と成長が落ちるのである。
その点、『芋吹き苗』は、芋と云う栄養タンクが付いているので吹きたては小さな苗でも、次の年から良く成長する。
この付いてる芋は数年で自然と取れるので、取れるまで、そのままのの状態で育てて、問題も無い。
成長の速さで選ぶなら『芋吹苗』の方が良いし、柄で選ぶなら、どちらでも良い。
そして10月になると、再び植え替えである。
この時に植え替えたのは、春の成長期に根が飛び出した万年青や、子株を切り離す万年青である。
また春の肥料で緑色に染まり劣化した水苔も、この時期に取り替えたりと再び大忙しな時期になる。
特に春の成長期で伸びた根が水苔から飛び出した万年青を優先して植え替える。
この現象は獅子万年青に多い。
獅子万年青は、葉もカールしているが、実は根もカールしているのである。
だから『獅子万年青』の植え替えをやってから、他の品種の植え替えをおこなうと、根が真っ直ぐな事に違和感を感じてしまうアイ氏である。
アイ氏は何処までも『獅子万年青』に毒されていた。
『根が飛び出したなら直ぐに植え替えれば良いのに?』と思うかも知れなが夏になって植え替えると根が痛み、根落ちと言う根がダメになる現象が起きる。
そうすると根と連動して2年葉まで枯れる事があり、葉数が少ないと万年青が貧相になる。
これを防ぐ為に、夏の植え替えは控えた方が良いのだ。
実在に、アイ氏は6月に万年青を買って、苔巻で送られて来たので、植え付けをおこなったが、見事に根落ちして、新葉を残して枯れてしまった事がある。
だから根が飛び出したら上から水苔等を敷き詰めて、乾燥から守る応急処置してひたすら秋が来るまで耐える日々を続けるのである。
また夏は水のやり過ぎでも根を傷めるので注したい。
そして秋になって植え替え出来る時期に来るのだ。
その秋も終わりに近付いた。
再び日本おもと名品展を見に東京へとやって来たアイ氏である。
相変わらず、そこはオジサマの世界。
そしてアイ氏は、そこで運命の万年青に出会う。
そうアイ氏に取って理想と言える『縞獅子』を見つけてしまったのだ。
正確に言えば、『縞獅子』では無く、元、『輪波錦』である!
『輪波錦』とは、輪波獅子と云う、図柄万年青に縞が入った品種で、図と縞のニ芸の万年青である。
だが図は時々抜けてしまう事があり、アイ氏の買った『輪波錦』は、正にこれに該当する。
斑が強く派手な縞、柔らかな丸巻の葉が良くカールする、そして価格が一万円以下とリーズナブル。
正にアイ氏が求めていた理想の『縞獅子』が合ったのである。
更には子株も付いていて、お得感が満点である!
アイ氏は直ぐに、この万年青を購入する。
そして万年青屋さんが親切なのを良い事に名品展を見てくるから、その間、預かって下さいと、ちゃっかり、しっかり、図々しくお願いして『日本おもと名品展』をエンジョイしたのである。
さて気が付けば、アイ氏が『万年青』を育てて、1年が過ぎていた。
この1年は『万年青』の栽培で色々と学ぶことが多く、そして、残念ながら、まだまだ課題は山積みである。
更に植物の栽培は1年で終りでは無い!
毎年続くのだ!
そう。だからアイ氏の『悪戦苦闘』の日々は『万年』続くのである。
ー完ー
最後まで、お読み頂きありがとうございました。
私が、この話しを書こうと思ったきっかけは、私も私の周りの人も『万年青』と言う植物を知らなかったからです。
葉を楽しむ観葉植物は熱帯の植物だと思っていた、私には衝撃的でした。
そして興味を持ち色々と調べると万年青には沢山の品種が存在し、栽培方法も独特なのでエッセイで書いたら面白いし、万年青の存在も含めて、育て方も知って貰えたらと考えたからです。
一応、どこまで連載を続けるか、考えた時に、1年を通しての栽培方法と季節によって必要な作業を書く短期連載が自分ではベストだと考え秋からはじまって翌年の秋まで書いて完結と決めていました。
そして無事に完結出来たのは、皆様の応援のお陰です。
本当にありがとうございました。
また新たな小説を書く予定ですし、現在連載しています小説も応援をして頂ければ幸いです。
ありがとうございました。




