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万年悪戦苦闘  作者: アイ氏
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大葉 万年青 (アイ氏『大葉万年青』を買いまくる!)

凱旋実生(がいせんみしょう)』を皮切りに、アイ氏は、ネットオークションに完全にはまってしまった。


何故かと言えば『凱旋実生』を譲って頂いたベテランさんの他にも、九州で東洋蘭や万年青を専門に扱うお店から『大葉万年青(おおはおもと)』が多数出品され品種も豊富で良く管理され品質も良い『大葉万年青』が続々と出品されていたからだ。


アイ氏は『獅子』も大好き♡だが、同じ位『大葉』も大好きなのだ♡


愛知の万年青屋さんでも取り扱いはあるが、本州では、どちらかと言えば『羅紗』が好まれる。

手掛ける人が、少ないければ、残念ながら流通も少ない。


その為に、どうしても本州では『大葉』は入手しにくいのだ。


だからこそ、アイ氏は、大葉を買う為にネットオークション参戦した。



そしてアイ氏がインターネットオークションで落札したのは以下の通りである。


(つるぎ)』『残雪(ざんせつ)』『凱旋(がいせん)


因に、全て1万円以下で落札している。



これらの『木』は以前にも紹介した品種なので、今回はアイ氏が、何故、全て1万円以下ので落札が出来たか、その理由に付いてを説明したいと思う。


まずは『剣』である。


『剣』は昭和に作出され、平成に登録された、比較的、新しい品種である。


その見た目は大変印象的で、アイ氏が見に行った『日本おもと名品展』にも格好いい『剣』出品されておりアイ氏も欲しくなった大葉である。


アイ氏が落札した『剣』は、既に『親木』と呼ばれる木で、『芽アタリ』と呼ばれる、子株の芽も2つ付いていた。


『アタリ』は、万年青の世界独特の用語で子株が生えてくる芽である。


そして万年青は春に子株を出す。

その年に出た子株の事を『当才木(とうさいぎ)』又は『当才苗(とうざいなえ)』と呼ぶ。


そして翌年から『2才木』、翌々年には、『3才木』と数える。


ここまでが大体『若木』と呼ばれるのである。


そして4才以上になって、漸く子株が出来る位の年齢になると今度は『若親』と言う様になる。


4年以上育てて、漸く『親木』と呼ばれる株になるのだ。


この年月が長いか短いかは、個人の感覚にも寄ると思うが、アイ氏は『万年青は育てるのに時間がかかるなぁ~』と言うのが感想である。


アイ氏は『観葉植物』を育ていたので、観葉植物が、殖えるのに必要な期間は、精々1年~3年の短いスパンで簡単に沢山殖やせる。


そんな殖え易い、植物を相手にしてきたから余計に、そう思うのだろう。


その点、万年青は成長もゆっくりで余り増えない。


需要と供給が合わない。


だから万年青は植物でも、価格が高価で値段が崩れ難いのは、これが理由にあると思う。


さて話しを『剣』に戻すが『剣』の斑は、縞覆輪(しまふくりん)である。


だが残念ながら『覆輪(ふくり)』のみの木も数多く存在する。


万年青の世界では『縞覆輪』と『覆輪』この僅な差だけでも、かなり値段が違ってくるのである。


そうアイ氏が落札した『剣』は、『覆輪』の剣なのである!


これが人気の万年青『剣』をアイ氏が1万円以下で落札出来た理由なのだ!


その為、安く『剣』を購入したい場合は、『覆輪のみ』の『剣』を探して見ると良いかも知れない。


次に『残雪』である。


残雪は、江戸時代に作出され、古くから存在する万年青である。


万年青には、(しょう)(くち)と言う、万年青の世界ならではの用語がある。


『性』や『口』とは、美しい残雪を作り出し、皆が、その方が栽培した万年青を欲しがった結果生まれる。


そして・古くから存在するからこそ『残雪』には、この性と口が多数存在する。


その中でも代表的な性は『松島性』と『片貝性』である。


松島と片貝は、名字であり松島氏と片貝氏が栽培した『残雪』の一番良い1本の『残雪』が元である。



これが年月へ殖えて、今の『松島性残雪』と『片貝性残雪』である。


松島性の特徴は、なんと言っても大きく入る図柄である。図が葉の一面に大きく入り美しいのだ。


ただし、松島性は、やや斑が黄色い傾向がある。


雪白(ゆきしろ)』と呼ばれる雪の様に白い図が理想とされているので、そこは弱点とも言える。


そして片貝性は図の入りは細かく入り、大きな図の松島姓に比べて、どうしても見た目が地味である。


アイ氏の体感としては人気は、やはり図が大きく入る松島性の方が価格も高く、片貝性よりも高値で落札されている。


そしてアイ氏が、落札したのは『片貝性の残雪』である。


アイ氏が落札した『片貝性残雪』は『親木』で『芽アタリ』複数付いて芋も長かった。


ただ今回の出品されたのは、アイ氏落札の『片貝性残雪』の他に『松島性残雪』が2本、他のにも『都の城系統』の図物が、同時に出品され、そちらに入札が集中し『片貝残雪』の入札が少なかったからである。


たまたま運が良かったのもある。


そして『凱旋』は、親と子2株がバラ売りされていた。


当然、親木が最も高値が付き、残りの2株のうち、アイ氏の落札した株は、斑が強い凱旋である。


万年青を初めた当初は、派手な斑入りの方が、美しいと思っていたが、不思議ではあるが、万年青を知れば知る程、地味な縞の方が良くなってくる。


アイ氏が、落札した『凱旋』は斑が葉の全面に入り青の葉が縞の様になった株である。


これは、これで綺麗なのだが、万年青の世界では評価が低い。


他の親株、兄弟株が1万円を越える値段で落札していたのに対し、この株だけがアイ氏でも手の届く値段での落札になった理由である。


そして、せっかく『都の城』の話が出たので、次回は、大葉万年青では絶対に外せない『都の城』の万年青を、熱く語たらせて貰う予定である。





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