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万年悪戦苦闘  作者: アイ氏
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凱旋実生 (アイ氏『ベテラン』の凄さを知る!)

『雪雷』の細い根の内ダメなった部分を切ってから、アイ氏は用意していた水苔で雪雷の根を包んて保護した。


水苔に包む事により、『雪雷』の根が水を吸い易い様にしたのだった。


また置場所にも配慮が必要だ。


根が少ないと水分も吸収も少ないので新根が張るまでは、日陰に置いて水分の消費を押さえる事も必要だ。


日陰に置くので、これから生える新葉の斑や葉芸は余り期待出来ないが、ここで、しっかりと新根を出させれば『雪雷』は持ち直すので、今年は我慢である。


また水苔を包む時は、一見すると『ふわぁ』と軽くした方が良いと思われるかもしれないが、それは逆で水苔は水を絞って固くして『ギュッ』と、しっかり包む方が良かったりする。


植物と云うのは、『しっかり』と安定した場所に根を張るからである。


その為、軽石も隙間なく植えた方が良いので震度を与える作業が絶体に必要なのだ。


そして水苔で根を巻き終わると、それを黒鉢の真ん中に起き鉢と苔の間を万年青の用土で埋める。


そして砂利の上にも、水苔を敷いて出来上がりだ。


折衷(せっちゅう)植え』と呼ばれる植え付け方法で、獅子や一文字系の根が細く湿度を好む万年青や根が少ない万年青に良く植え付けられている方法を採用した。


他にも獅子では『苔植え』もポピュラーではあるが、アイ氏は『折衷植え』の方が好みだ。


縞甲系は比較根が太いので、水の吸い上げも良いとされているので、この『雪雷』の新根が沢山生えていると思われる、来年には普通に万年青の用土に植え変えを予定だ。



さてアイ氏は、萬風展で見た実生が忘れてられず『黒達磨』の実生を探すべく、ネットオークションやフリマアプリを検索して探し回っていた。


その時にアイ氏は、『凱旋の実生』がネットオークションに出品されていたのを見つけて、『実生』なら安く落札出来るかもと期待して入札してみることにした。


『四君子』は、買えないが、その遺伝子を持つ『実生獅子』なら安く買える。  


『凱旋実生』も同じであると考えたからだ。


自動入札設定で3000円を入札した。


そして幸運にも、2900円で落札してしまったのだ。


こうして『凱旋の実生』が我が家にやってきたのである。


送られて来た『凱旋実生』の素晴らしいさにアイ氏は、ど肝を抜いた。


葉長は50cm前後あり堂々した気品に満ちた姿。


『凱旋』、特有の派手な棒縞がズバッと入りながらも、落ち着いた上品さ、まさに名品展で見た様な素晴らしい万年青が送られて来たのだ。


正直言えば写真では地味かな?と思っていた葉の青と斑のコントラストは、実際には大変に気品があり、それは美しい万年青だった。



この鹿児島からやって来た『凱旋実生』は、万年青一筋、60年のベテランの方が繁殖した万年青で、根はしっかり張り、実在にベテランの作った万年青を手に取ってアイ氏は、その栽培技術力の高さを尊敬した。


こうして、アイ氏は凄い『凱旋実生』を入手してしまったのである。


だが、素人(ペーペー)のアイ氏には、この凱旋の美しさを維持するのは簡単ではなかった。


そして、その時期は、もう間も無く梅雨の時期にやってくるのだ。


そんな事とは知らず呑気に、ただ美しい『凱旋実生』に大喜びするアイ氏であった……。


ー次回へ続くー

今月もありがとうございました。


来月は、3月25日に更新予定です。


よろしくお願い致します。

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