寒肥と農薬 (アイ氏『本格的』に栽培活動を初める!)
2月末になる頃、アイ氏は、万年青達の異変に気が付いた。
それは、何となく全体的に葉が黄色ぽいのだ。
そうアイ氏は、万年青を冬の間外に出して日光に当ていたが、どうやら遮光が足りなかったのだ。
また大葉は、中葉より日光を必要としない。
来年は、もっと遮光をした方が良いと言う課題ができた。
既に葉色が薄くなってしまったのでアイ氏は対策として『寒肥』を与える事にした。
これが熱帯の観葉植物なら話しは簡単で即効性の液体肥料を与えれば問題は解決する。
だが万年青は化学肥料とは相性が悪く使えない。
当然、アイ氏の観葉植物用にストックしてある液肥は使えなかった。
そこで4月に与える予定で用意していた、玉肥(油かす)を、ちょっと早いが与える事にした。
万年青の肥料は有機肥料の『油かす』を粒状に固めたものを使う。
ただし『油かす』も『発酵済み』で無ければダメなのだ。
万年青の用土は砂利が主体である。
その為に微生物による分解がなされず、根焼けを起こしたりするのである。
だから必ず発酵してある『油かす』を使うのだ。
その為、『油かす』肥料は数有れど使えるのは『発酵油かす』だけなので商品が限られていた。
この『発酵油かす』も近所のホムセンには無く、アイ氏は事前にネット通販から、お取り寄せしていた。
『発酵油かす』には、顆粒タイプ、中粒、大粒とあるが、小さい粒を沢山置くのが、めんどくさいので、アイ氏は中粒を選んでいる。
獅子には、中粒でも比較的、粒が小さな物を選んで、鉢の淵の近くに1粒置く。
大葉の『東天光』と『鶴裳』には、大きい粒を一つ置いた。
そうして肥料を置いてから一週間以上の期間を開けて消毒も開始する。
今回アイ氏が使った農薬『オルトラン』である。
『オルトラン』は植物の根から農薬の成分が吸収されて、植物の内部から効果を発揮させるタイプの農薬である。
新芽が伸び始める前に農薬成分を吸収させて、新芽伸びる頃には、農薬成分を含んだ葉で虫を撃退するのである。
その『オルトラン』は梅の花が咲く頃と桜が咲くころに二回程使用する。
小さなプラスチックスプーンで、一杯程の量を肥料とは別に鉢の淵に撒く。
農薬は徐々に溶けて根か吸収されてるのである。
この時のアイ氏は、観葉植物を育てた経験から、万年青の虫の付き易さや病気を甘く見ていた。
観葉植物は丈夫で農薬や消毒をしなくても植物、自体が健全であれば使う必要性は無い、症状が出て初めて使うのが常だった。
その為に、アイ氏は消毒や害虫予防に無頓着だったしこの農薬散布で、もう大丈夫だと油断していた。
その事が後にとんでもない自体を引き起こす事を、アイ氏は、まだ知らなかった。
そして3月上旬、アイ氏お待ちかね。
東京で万年青の展示会『萬風展』開催された。
この『萬風展』は、万年青名品展と違って、無名の実生も万年青も主品される。
秋の名品展とは、また違った面白さがあった。
そしてバレンタインジャンボの発売中でもある。
アイ氏は、高額当選を狙い銀座で宝くじを買う目的もあり、再び東京まで出掛けていくのだった。
ー次回に続くー
今月もありがとうございました。
また来月2月22日に更新予定です。
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