働く貧困層アイ氏が万年青に出会うまで (アイ氏『黒歴史』をぶちまける!)
アイ氏の勤める会社は、ぶっちゃけブラック企業大賞にノミネートされ、見事に賞を受賞したマジもんのブラック企業である!!
(アイ氏も自分の会社に清き一票を投票して応援しました♡)
以外と専門的な知識と、きつい肉体労働の仕事なのに、給料はメチャクチャ安い!!
(基本の時給は最低賃金+20円ですー☆)
正社員との待遇格差が有りすぎる!!
(現在、同一労働同一賃金の名の元に正社員の待遇を非正規に合わせて格差是正というブラック企業らしい素晴らしい対応で、ほんの、ちょっとだけ縮まっています♡)
自爆営業有り!!
(ニュースにも取り上げられ問題となり個人のノルマ等は廃止され無くなりました。ですが、その時期になると『何故か苦しさを感じる』心の病をアイ氏は、万年患っています…)
そんな過酷な状況により『宝くじで高額当選して会社を辞めてやる!』がアイ氏の万年の夢であった……。
では実際に宝くじを当てる為に、どうすれば良いのか?!
そう考えた時、アイ氏の出した結論。
それは『金運を上げる事だ!!』とアイ氏はスピリチュアルな世界に走るのだった。
そして実践したのが『風水』だ!
風水では運気を上げるのに、玄関やトイレを掃除しろとある。
そして運気を上げる為に玄関に飾るアイテムとして六角形の鏡、観葉植物、玄関やトイレにマットが必要とだと知った。
アイ氏は残念なヲタ脳の持ち主だが無駄に行動力だけはあった。
風水を実践し玄関やトイレを、せっせ掃除して玄関やトイレにマットを引いて、六角形の鏡を玄関から入って左に飾る。
(鏡を右に飾ると仕事運、左に飾ると金運が上るそうです)
そして仕上げに玄関に植物を置けば完成のはずだった…。
だが、ここでアイ氏は最大の問題に直面してしまったのだ!!
その問題とは、『どんな丈夫な植物でも、玄関に置きっぱなしにすれば枯れる…』である。
風水では『玄関に置いた植物が枯れるのは悪い運気を吸ったからだ』と書かれていたが、アイ氏は、そうは思わない。
アイ氏は知っている。
植物を育てるには、光や風が必要な事を……。
そしてアイ氏宅の玄関の冬の最低気温に問題がある…。
風水に取り上げられている植物のラインナップを見ればわかるが全て熱帯植物ばかりなのだ。
アイ氏の住む北関東の冬はかなり寒い。
一番寒い時には最低気温が―6度位まで下がる時がある。
その上、隙間風が吹き抜ける、古い木造住宅のアイ氏宅では、外気温が―6度まで下がると、室内でも加湿加温が無しでは、夜の温度は0度から-1度位まで下がってしまう。
とてもでは無いが熱帯の植物が耐えられる温度ではなかった。
だがアイ氏は植物を置く事を諦めたくはなかった…。
一応、風水のオススメ植物のラインナップから、玄関に置く植物として白羽の矢を立てたのはモンステラだった。
モンステラは丈夫な植物で比較的寒さにも強く、日陰を好む植物だからだ。
2017年、4月下旬のゴールデンウィーク頃、フリマアプリから、アイ氏はモンステラの茎を1本2千7百円、更に、もう1本2千円で合計2本購入するのだった。
近くの店でもモンステラは売っていたが、わざわざフリマアプリからモンステラを購入したのには理由があった。
フリマアプリには、珍しい『斑入りのモンステラ』が出品されていたからである。
その名は『ボルギシアナ ホワイトタイガー』
アイ氏は子供の頃に観葉植物を育ていた経験がある。
最初に観葉植物を買って来たのは父親だった。
だが両親は仕事も忙しく、植物を育てる知識もなければ水遣する暇も無く、観葉植物は段々と弱り初めた。
そんな観葉植物をアイ氏は可哀想に思い、自分の部屋に引き取り世話を初める。
アイ氏は子供の頃から残念なヲタ脳の持ち主であり、ここで、その本領を発揮する。
弱って行く観葉植物を元気にする為に、アイ氏は何冊も専門の本を買って読みまくり栽培知識をどんどん吸収していったのである。
また専門の本には様々な珍しい観葉植物がカラー写真付きで紹介されており、大人になっても子供頃に培った知識は残っいて、普通のモンステラでは満足出来なかったのだ。
どうせ手間を掛けて育てるなら、ちょっと珍しい品種を育てたい!
独自の価値観とこだわり!
これがアイ氏のヲタ心理である。
さてアイ氏の子供の頃の育てた観葉植物は、その後はどうなったかと言えば、アイ氏の部屋は観葉植物で溢れジャングルになっていた(笑)
栽培技術の向上もあり枯れる事も無く、株分け等の繁殖を繰り返し年々増え続けた。
そして観葉植物は、既にアイ氏の部屋一室では置く場所に限界を迎え、徐々に他の部屋も侵略し始める。
その上、観葉植物は寒さに弱い、冬には加湿加温が必要になる。
だから冬の光熱費は一気に爆増し1ヶ月に数万円にも達した。
そして光熱費を払っていた母の怒りは頂点に達し、とうとう観葉植物を処分する様に言い渡されるのだった。
アイ氏が子供の頃には、フリマサイトどころか、携帯すら無い時代、仕方なく知り合いや祖母にあげたりするも、全ての植物が貰われる訳も無く、残った観葉植物は冬に外に置いて枯らすという、悲し結末で完全に終わりを迎えてしまったのだった。
それから月日は流れアイ氏は大人になっていた。
コミ障、引きこもり気質、残念なヲタ脳と様々な個人的な障害と、就職氷河期やらリーマンショックやらの社会的な問題が重なってアイ氏は、まともに就職も出来ず万年ブラック企業の非正規で泣く泣く働いていた。
だからこそ『宝くじ高額当選』を願い、再び観葉植物モンステラを購入したのだった。
だか『宝くじ高額当選』は、簡単には実現する筈も無く、哀れ働く貧困層アイ氏のブラックな日常は母親が突然、病気に倒れた事により更に危機的な状況になる。
体が弱り、終には寝たきりになり本人の希望により在宅療養をする事になった。
アイ氏はブラック企業で働く非正規社員なので正社員ならある介護休暇の福利厚生は対象外であり、母親に付きっきりで介護、看病は出来なかった。
だから介護保険を申請してケアマネジャーさんを見つけ、ヘルパーさん、訪問入浴、介護タクシー、在宅診療、介護医療に携わる皆様のお世話になり、働きながら介護、看病をした。
そして一人で自宅で寝ている母の慰めになればと植物を部屋に飾る事を考えた。
最初はモンステラを置く事も考えたが、鉢植えは縁起が悪い。その上、病気で免疫力が弱ったいる母に土で植えられた植物を部屋に持ち込むのは衛生面に不安があったので、色々と考えた末にエアプランツと言う植物に白羽の矢を立てたのである。
これがアイ氏を再び『植物の世界へ』に誘うきっかけになるのである。
因みにエアプランツは、アイ氏が子供頃に輸入され初めた。
アイ氏も子供頃に1株だけ入手したが、当時は、専門書も無く、店でもエアプランツには、水やり不要とか、空中の水分を吸うのでお風呂場に置いておけばオケーとあったが、実践したら、あっさりと枯れアイ氏のエアプランツ栽培歴は1ヶ月と持たずに終わった。
だが今は違う。
その後、エアプランツは熱心な一部の愛好家達により栽培方法が確立されていた。
無駄に行動力のあるヲタ脳、アイ氏は、エアプランツを購入後、必死に栽培知識を学び、エアプランツを枯らさずに育てる事に成功する。
そしてエアプランツを飾った事で母や介護の為に来てくれた皆さんが喜んで鑑賞してくれた事が、嬉しくなりアイ氏は調子に乗った。
ヲタ脳と独自のこだわりが悪い方に発揮されエアプランツを次々に購入し増やしてしまったのである。
その後アイ氏の母親は、一年と半年の闘病の末に亡くなった…。
在宅療養中の母の目を楽しせめてくれていた沢山のエアプランツだけがアイ氏に残された。
そして母の死後、コロナが世界的に流行するのだった。
コロナの巣籠もり需要なのか園芸ブームが到来の兆しが現れる…。
(今回の園芸ブームでは『草バブル』のワードを何度か目にしており。以降、園芸ブームの表記は『 草バブル』で、統一します)
この『草バブル』で一番、驚いたのは『斑入りモンステラ』が、大人気となり茎1本に高額な値段が付いた事だ。
偶然にもアイ氏は流行前に玄関に飾る為に斑入りのモンステラを購入していた。
アイ氏の子供頃に培った栽培技術は、今も健在で『斑入りモンステラ』は枯れる事も無くスクスク育ち『草バブル』期には、かなりの大きさに育っていたのである。
アイ氏は『草バブル』時期に大きく育ったモンステラの茎をカットしてフリマアプリに出品した。
なんと購入金額の倍以上の値段でも、あっという間に完売してしまったのである。
エアプランツも母亡き後も大事に育て続けて、どんどん増えていたが、子供頃の様な痛い失敗は起こらなかった。
何故なら管理しきれないエアプランツもフリマアプリに出品し『草バブル』のお陰で売れに売れたからである。
働く貧困層アイ氏は『草バブル』で思わぬ『臨時収入』を手に入れてしまうのだった。
だが、『草バブル』に浮かれいたのも束の間、アイ氏を強烈なインフレが襲う。
『働く貧困層』アイ氏にインフレはキツかった。
(生活費もそうですが、社会保障費も年々上がっています。時給も上がってはいますが、社会保障や税金、生活必需品(食品も含む)値上げは生活に重くのし掛かり将来に不安しかありません)
ー2022年秋ー
生活費の高騰と母が亡くなっていた事でアイ氏は漠然と将来が不安になる。
(父は健在ですが、一人っ子、未婚、子無しなので父親の死後は天涯孤独な身の上と低収入でカツカツの貧困生活なるので1人ぼっちで生きていけるか正直不安です)
そしてアイ氏は、再び『宝くじに高額当選したい』病が発症する。
『今度こそは玄関に植物を飾るぞ!』と、また風水オススメの開運植物を調べ初めたのである。
(斑入りのモンステラは寒さと葉焼けが心配で専用の置く場所を作ってしまった為に、殆ど玄関に飾る事はありませんでした)
そして万年青と言う日本古来からある観葉植物の存在を知るのだ。
これがアイ氏と万年青の出会いである。
お読み頂きありがとうございます。
こちらは私小説です。
私の馬鹿な生きざまと楽しい園芸ライフを、そのまま書いております。
これを読んでも人生や園芸の参考には全然ならないと思いますが、この人に比べたら、自分は良い人生を歩んでいる。とでも思いながら読んで頂ければ幸いです。
月に一回の位の間隔で更新をする予定です。
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