1
こうして文字に描き起こそうとすると、必ず出だしから真実とは異なることを書いてしまう。
何故か。
格好つけたいからである。
現実の女子高生の心情や日常なんてたかが知れていて、そのままそっくり本当のことを書こうとすると、それはもう本当にかっこ悪いのだ。
だが、この文章は私が私を記録する為のものなので、格好つける必要は万に1つもない。
ということで、ここから書くことは全て真実であることを未来の私に誓おう。何とか今ここにある事実と思考だけを記すので、未来の私は過去の古傷を思い出し、歯を食いしばりながら読んで欲しい。
そしてこれを読む男性諸君は、女子高生も頭空っぽに見えて一応は色々考えて生きているのだということを身をもって体感して欲しい。
1,
時間のスピードは、本当に速い。
17歳というぴちぴちの女子高生の今ですらこう感じるのだから、50歳をすぎた暁にはどうなっているのか想像したくもない。
ぼーっとしていたら高校1年が終わり、「あれ?終わっちゃった?」と思っていたら高校2年も過ぎ去り、そして今、である。
全くついていけない。
明日が来るのが常に信じられないが、私がぽかんと口を開けて「ほんとに来んのか…?」と疑心暗鬼になっていると、気づけば日付が変わっている。
本当に不思議である。
時間は砂時計に似ている。1mmにも満たない穴から零れる水滴のようでもある。電車みたいだし、蝶々みたいである。落ちていくものは止められず、今はいつでもあって、どこにもない。本当に不思議だ。
こうして文章を書いている間にも、今はどんどん私の手の隙間をこぼれ落ちていき、こうして淡々と土曜日の昼を消化していく。
私は大学生になっている自分の姿が全く想像できない。想像できないが、小学生の時も中学生の自分を想像できなかったし、中学生の時も高校生になった自分を想像できなかった。
それならまあ、そういうものなのかもしれない。
いつの間にか人生はどんどん進んでいって、止まることの無いベルトコンベヤーに乗せられてごうんごうん進んでいく。そういうものなのかもしれない。