ほんの数分前に、失恋した私に近寄ってきたこの男に完全に私は騙される!
・・・私は5年間付き合っていた彼氏からフラれてしまう。
突然彼から別れ話をされた私は彼に別れたくないと泣き縋った。
それでも、彼は私を一人置いて去って行く。
彼が私と別れたいと言った理由は、、、?
【他に好きな女性ができた】だった。
私はずっと彼しか見ていないし、これからもそうだと思っていた。
彼と結婚して、幸せな生活ができると思っていたのに......。
彼は私をフッた後、その女性と付き合うらしい。
今までの“彼との5年間”は何だったのだろう?
私は彼の為に、料理教室にも通ったし。
彼を支える奥さんになれるように、自分の事よりも彼を優先してきた。
それなのに、彼は私をフッたのだ。
私は見っともないぐらいその場で大泣きしてしまった。
誰に見られてもいい! こんなに悲しい事は私の人生の中で初めての
事だった。
『もーう嫌! なんで私ばっかりこんな目に遭うのよ!』
周りは冷めた目で私を見て通り過ぎていく。
『あのお姉さん? 男にフラれたのかな?』
『みっともないわぇ~』
『あんな所で大泣きしなくてもいいのにねぇ~』
『他に男なんて! いっぱいいるわよ。』
『未練たらしいわね。』
『でもさーなかなかあのお姉さん! キレイなお姉さんだよ。』
『良かったら? 俺と付き合ってもらおうかな~』
・・・誰も私の気持ちなんか分からないのよ!
他人事だと思って言いたい放題だいじゃないのよ。
私のこの気持ちはどうすればいいの!
そんな事を思っていたら? 一人の若い男が私に近寄って来た。
『大丈夫ですか?』
『えぇ!?』
『一先ず、ここから離れた方がいいですよ、人が集まってくるかもしれなし。』
『・・・でも、』
『ボクで良ければお話ぐらい聞きますよ。』
『・・・あ、貴方は?』
『ボクの名前は、原田光之介です。』
『原田さんは何故? “こんな私に話しかけてくれたんですか?”』
『気になったからですよ。』
『原田さんも私の事、みっともないと思ってるんでしょ!』
『そんな、ボクは貴女の泣いている姿をもう見たくないと思った
だけですよ。』
『・・・あ、ありがとうございます。』
『もう泣かないでください! はいこれ!』
『えぇ!?』
彼はさっと、泣いている私にハンカチを差し出してくれた。
私はそんな彼の優しさに甘えてしまう。
気が付けば、私はお酒をがぶ飲みして居酒屋で寝てしまう。
彼は眠っている私を抱えてタクシーに乗り、自分の部屋のベットで
私を寝かせてくれた。
『起きましたか?』
『えぇ!? ココは?』
『“ボクの部屋ですよ。”』
『・・・私、居酒屋で寝ちゃったんですか?』
『そうです、ボクが自分の部屋まで連れて帰りました。』
『えぇ!? あ、ありがとうございます、』
『心配しなくてもいいですよ、何もしてませんから。』
『・・・そ、そうですか。』
『はい! ボク、朝ごはん作ったので一緒に食べましょう。』
『えぇ!?』
『簡単なモノですよ、先ずは顔を洗った方がいいですね。』
『何から何まで、ありがとうございます。』
『気にしないで。』
私は優しい彼に“すっかり甘えてしまった。”
気がつけば、私をフッた彼の事は忘れていた。
この男性こそ! 本当は私の未来の旦那さまかもしれない!
・・・でも?
彼と仲良くなり1ヶ月ぐらい会うようになった頃に彼から
私はこんな事を言われるようになる。
『美伽ちゃんって? “貯金いくらぐらいあるの?”』
『えぇ!? どうしてそんな事を訊くの?』
『いや? 美伽ちゃんて家庭的だし、貯金もさぞかしあるんだろうなと
思ってさ。』
『・・・まあ、一応、それなりにあるよ。』
『幾らぐらいあるの?』
『5000万円はあるかな。』
『そう! やっぱり、美伽ちゃんって節約ができるいい奥さんになれるね!』
『そうかな~』
『“ボクの奥さんになってほしいぐらいだよ。”』
『・・・そ、そんな、それもいいかもしれないけど、』
『えぇ!?』
『何もないよ!』
あんな事を彼から言われて私は浮かれてしまった。
彼も私との【結婚】を考えてくれているのかと思うと心がウキウキしたわ。
・・・でも? 彼の考えは私の思っているモノじゃなかった。
彼は私の“お金が目的だった!”
あの時、私を見つけたのは偶然だったかもしれないけど。
私に近寄ってきた時には私からお金を吸い取ろうと決めていたのだと思う!
案の定、私は彼に今まで貯めてきた貯金、5000万円近くのお金を
彼に全部渡してしまう。
私が子供の頃からお年玉やお小遣いをコツコツ貯めてバイトや社会人に
なっても仕事で貰った給料もずっと無駄遣いせず貯めてきたというのに。
もうそのお金も彼も全て失った。
【失恋】した時に近づいて来る男には“要注意”だという事を私は学んだ!
もう恋愛は、当分の間コリゴリだなと思っている。
最後までお読みいただきありがとうございます。




