表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

星に願いを〜僕の大切な君へ

作者: 志馬

僕のことを


ずっとずーっと友達だよ。


と言ってくれる。


僕は神奈子ちゃんが大好き。神奈子ちゃんが居てくれたら僕は幸せなんだ。

大好きだよ。


神奈子ちゃんは僕を抱きしめながら声を出さずに震えながら泣くことがある。

その時はすごく力一杯抱きしめるからちょっと苦しい。

でもそんな神奈子ちゃんを受け止められるのは僕だけだから。大丈夫だよ。


僕が人間なら神奈子ちゃんが僕を撫でる様に頭を撫でたり、背中を撫でてあげるのに。


何で僕は猫なんだろう。

僕には何も出来ない。


最近神奈子ちゃんが僕を抱きしめて泣くことが増えた。

神奈子ちゃんのお母さんは病気なんだ。

神奈子ちゃんが泣きながら


お母さん死なないで。

神奈子をおいていかないで。

良い子にするから。

神様お母さんを助けて。


ってようやく心の中の言葉を口に出したんだ。

僕に聞かせてくれて嬉しかった。


「ねえ。流れ星にお願いすると、願いごとが叶うんだって。毎日神奈子と一緒に流れ星を探して見つけたら一緒にお願いして。お母さんが助かります様にって。」


神奈子ちゃんのお願いなら僕は何でもきくよ。一緒に流れ星を探そうね。


寒い冬の夜色々な人がバタバタと家の中を走っている。

僕は黙って見つめていた。


神奈子ちゃんが僕を見つけて抱きしめて来た。


「お母さんが死んじゃうよ。神様は神奈子のお願い聞いてくれなかった。何がいけなかったの?どうしたらお母さんが助かるの?」


泣きじゃくる神奈子ちゃんを見て僕は解ったんだ。

神奈子ちゃんの幸せは、お母さんが生きて居ることだって。

僕は神奈子ちゃんから離れて、人の合間を縫って玄関から外に飛び出して流れ星を探した。


天空を一筋の光りが弧を描いた。


「僕の命をあげますから、代わりに神奈子ちゃんのお母さんの命を助けてあげて下さい。神奈子ちゃんを幸せにしてあげて下さい。それが僕の幸せだから。」


空が光り輝いて、僕に光りが降って来た。


大丈夫だよ。神奈子ちゃん。お母さん助かるよ。


重たくなる身体をゆっくりと地面に横たわらせてもう開く事が無いだろう目を閉じた。


目を閉じると神奈子ちゃんとの楽しい思い出が色々と流れてくる。


ああ。僕はなんて幸せだったんだろう。


僕を好きになってくれてありがとう。

僕の家族になってくれてありがとう。

僕を幸せにしてくれてありがとう。


その気持ちを全部ぜーんぶ神奈子ちゃんに返すよ。


ありがとう。

これからは僕がお星様になって神奈子ちゃんとお母さんを見守っているからね。


読んで頂きありがとうございます。

ブックマークや評価⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 切ない願い、そして別れですね。 お母さん元気になったのでしょうか?
2021/12/26 13:20 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ