これって「なろう脳」ですか。それともありきたりなパンピー脳ですか?
「香坂大先生の100%グチかもねシリーズ」第3弾。
まずはじめにお断りします。
こういう脳がイヤだと言ってるわけでは無いんです。
これって変なのかな? と素朴に思っているだけなのです。
朝、起きますよね。
わたしは昨夜の夢を思い出そうとしながら洗面所に向かいます。
結局、顔を洗い歯を磨いているうちに「何かを思い出そうと努力したことも」忘れますが、その悔しさすら「これネタになんじゃね?」と考えます。リビングのテレビから流れる星占いで「新しい何かに出会えるかも」と聞こえたら、すかさず新キャラの構想に着手します。
通勤時、わずかな時間を使ってPVチェックした後「二度と更新してやんないもん」と拗ねます。その数分後には、なけなしのストック校正作業に入り投稿準備をします。
「挿絵がないとダレも読んでくれないかなぁ?」
と、割と大きな声で独り言をつぶやきます。自分以外、まわりは景色なので問題ありません。
職場に着き、蚊の鳴く声で「お早うございます」と挨拶し、同僚から返しを頂けなかったら「アレ? 異世界に迷い込んだ?」と、ボンヤリとほくそ笑みます。
始業前のラジオ体操では目前の同僚の「ヤル気ゼロ」の動きに感心し、モノローグをつけてあげます。「あーダッル、みんな良くこんなフシギな踊りしてやがるな。仰け反った瞬間に時間停止させてやろうか」例えばこんなカンジ。
朝礼では、スピーチ当番の人がしゃべる時事ネタを割と真剣にチェック。
電話が鳴れば、当然自分では応対せず、応対した同僚の様子をジッとに観察。それ、オレオレ詐欺の電話ジャネーノ? などと期待し、耳をそばだてます。
上司に呼ばれて冷や汗流してる自分には「いまネタになってる」と確信のうなづき。上司の指示は半分も聞いてなくって後で後悔。それもコミコミでオイシク頂きます。
昼休みは陰キャ設定を自らに課して黙食。
コロナ禍だから……とは考えないのがミソ。決して考えてはダメ。現実世界に引き戻されますので。
そんなだから当然誰からも話し掛けられず、輪の外側でゆっくりとPVチェックに勤しめます。ゆえに【ブクマ剥がれ】に遭遇、すっかれ意気消沈し不機嫌さ倍増の結果となり昼終了。
昼過ぎは、眠くなったらすぐトイレ。
個室に入ればフシギなことに調子が良ければアイディアが湧き出る時があるので、【新規小説作成】機能でしっかりキープ。その間、離席状態が続きます。上司とのオイシイ時間が待ち受けます。
夕方。
創作したくてたまらない。「まったく。今日も時間を消費してしまった。早く挽回せねば」と帰り道で【執筆中小説一覧】を開きます。そんなの家まで待てません。
日により投稿。
珍しく反応もらえていたら「夜、絵描きます」とバカな一言をつけ加える。この時点では絵に関するアイディアなんて皆無です。だけど高揚感たっぷり。有頂天とはまさにこのことですね。南無南無。
夕食のとき、家族がご近所さんの話をすれば、波乱万丈人生の物語を即興でこさえる。無論アタマの中でです。
「田中さんの御主人に、今日スーパーで会ってさぁ……」
ほうほう。
そこで万引きして通報されて家族にバレて離婚されて、自暴自棄になって大食いしてダイエットしたら大成功してCMに採用されて、それが縁でべっぴんと知り合い再婚したのか。そーかー。
「ねえ、話きいてる?」
「あ。ごめんなさい。でもそれネタになるよね?」
――そして夜。フラつくアタマで絵を描く。【小説家になろう】なのに絵を描く。「だって文章オンリーのわての作品やったら、ダレも見向きもしてくんないだもん」と一生懸命言い訳しながら、描く。
【みてみん】さん、今日もよろしくお願いします。と一礼して掲載。
やっと一息。
PVチェックし、またもや一喜一憂。そうして夢の世界へ。
こんな日常なので、例えば家族が不幸な目に遭った場合、「そのネタ、イケるやん!」とダメなセリフを発してしまわないか、常時心配です。
これは「なろう脳」ですか? パンピー脳ですか?
こんな「疑なろう脳」、やっぱりヘンですか?
イヤじゃないけど心配です。