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プロットの書き方として、私の中でひとつルールを決めようと思います。
『プロットは台本』
これです。
私はプロットに説明とか設定とかをよく入れ込んじゃうんですね。それってどうやって本文にするのって話なんですよ。ていうかその説明や設定をどう表現するのか計画するのがプロットですよね? え? たぶん……。
だからプロットには、『ここにこういうことを書く』以上のことは書きません。
説明を書くにしても、『ここでヒロインが心の中でこのことを語る』とかそういうふうに書けば、プロットを読んだときに全体の印象が捉えられるんじゃないかと思います。説明してるような場面だが、はたしてこれは説明的か? くどいか? 自然か? それが執筆前段階からわかりやすくなるのではないかと。
ていうかもう今から予想できちゃうのが、ヒロインの正体が作品的に明かされる場面……説明必須の事柄が大量に押し寄せてくるんじゃないか……。
大丈夫かな。
まあいいや、心配しても仕方ない。とにかく作っていきましょう。
【プロット】
ヒロイン視点①。通行人と過剰に距離をとりながら歩くヒロイン。通学路でクラスメイトと挨拶を交わすが、近づこうとした相手に対して逆に離れていく。そこで相手が思いだして、
「たしか、人間アレルギーだったっけ?」
それに対して口頭でアレルギーの説明をするヒロイン。(心の中では語らない。アレルギーは嘘なので)
「可愛いのに、大変だね。頑張って」とクラスメイト。
「うん」と微笑み返す。
殺人鬼視点①。そのへんでつかまえた美少女を殺すシーン。虐待の過去を独白。殺害解体がもう日常化していることにも触れる。撮影現場へ。天才女優登場。
ヒロイン視点②。昼休み。「近所で映画の撮影をやってるんだって」的な会話がされている。ヒロインは他クラスの女子に触られそうになる。友達と下校。友達はいじめっ子だった過去を明かす。夕方です。
殺人鬼視点②。天才女優との撮影。アドリブキスシーン、その後話しているときに殺害。暴走。町をさまよって美少女を解体しまくる。
ヒロイン視点③。殺人鬼と遭遇。幽霊である事情に触れながら、対決。倒す。抱擁する。
その後のヒロインの日常。三十メートル宣告を受けた他クラス女子と仲良くする。
殺人鬼視点③。留置場でヒロインのことを考え、自分でもよくわからないまま改心。涙を流す。
【終】
殺人鬼①は、直前のヒロイン①の日常感(?)とギャップ出してつなげるためにいきなり殺人から入ります。
でもその直後、情報のオンパレードになりますね……。虐待の過去、それがどう捻れて人殺しに繋がるのか、殺人が常習化してることについて。人気俳優である自分の素性。
殺人の常習化は、自分が解体した死体の画像を携帯で眺めていれば自然と伝えられるかな……。これ、いかに直接言葉で書かずに表現するかが肝になりますよね。
「僕、俳優です」の説明は、撮影現場にいく流れでうまく書けるかな。
問題はややこしい虐待の過去とそれによる殺人鬼の形成の部分です。
「芸能一家に生まれた僕は、アイドル、モデル、歌手、女優……若く美しい四人の姉に囲まれて、『いたずら』をされながら育った。
それがどう巡り巡って『このこと』に繋がったのか、僕自身はよく理解できていない。
ただ、長い間、『美少女』は僕の体を蹂躙する存在だった。その完璧な容姿で。成すことすべてが正しく美しいと主張するように。
十九歳……大人になろうとする僕の心は、その支配から解き放たれようとしているのかもしれない。幸か不幸か、もう少女の美しさを失った姉たちの代わりに、道行く美少女を使って。その完全性を暴きながら。」
ナチュラルに犯罪者な彼です。善悪の感覚が軽く欠如しています。
ナチュラルすぎてまずいかな……。たしか、「美少女を解体できなくなるから捕まるのは勘弁」っていう設定でしたよね。
でもこのナチュラル系でいくなら、ナチュラルにクオリティの高い隠蔽をやってのけて、ナチュラルに演技して誰にも不審に思われず普通に暮らし続ける人物、という感じになる?
ナチュラルだとこの先の展開でおいしい部分もあります。
まずキスシーン後の動揺が描きやすい気がします。それすらもナチュラルに、「あれ、僕なんかおかしいぞ?」的に書くと思いますけど。女優さんを普通に興味から会話に誘って、気づいたら解体してました、みたいな。
そしてなにより改心する場面ですね。無自覚な改心と涙を書きたいと思っているので、ナチュラル殺人鬼はキャラとして適切なはずです。
なんで無自覚な改心が書きたいんだろう……これはほとんど私の好みの問題になるんですけど、多分、「登場人物はわかってない。読者だけがわかってる」を書きたいのかと。
って言葉で説明はできましたけど、実際にその効果が得られるかどうかは謎なわけで……。
結果はまだわからないですが、自分的な作戦としては完璧にしていきたい、つまり百パーの努力をしたい、そのためのこの執筆ノートです。
よしよし、詰めていきましょう。この努力の結果がまたヘンテコだったらほんと笑えるんですが、もはやそれすらもネタにしましょう。
(殺人鬼が死体を眺めながら)
「できることなら部屋に飾って、ずっと眺めていたいけど、捕まって『このこと』ができなくなるのは困るから、処理するしかない。切って、削いで、砕いて、割って、トイレに流す」
ナチュラルに死体処理をする殺人鬼です……。
この時点では自分が抱える心の傷の深さに気づいておらず、キスをしてきた女優への「腹にうんこ詰まってるんでしょ」発言や、女優を殺したあとの
「ほら、君も他の連中と同じだ。完璧な存在なんていないんだ。あのときの、美しい姉たちも、『いたずら』も、完璧じゃなかったんだ。大丈夫だ、僕は、この世界から、否定されてない……」
(うわあ、これで伝わるだろうか。表現力……)
などの発言で徐々に彼の状態の深刻さが浮かび上がってきます。
そして暴走して下校途中の美少女を解体しまくる。そんなに美少女いるんだこの学校……。暴走のあまり美少女じゃない人も解体させようかな……。
で、ヒロインに倒されて、抱擁されて、捕まって、留置場で振り返る。
「なんだったんだ、あいつは。
幽霊……。
壊せなかった。
逆に、見えない力が僕を壊した」
(あ、骨折でもしたんですかね、彼)
「美しい。そして壊せない。
『完璧な存在……』
幼い頃に散らばって、必死でつなぎとめたはずの体が、またバラバラになる――、
そんな気がしたが、僕の心は穏やかなままだった。
彼女が言った言葉が、抱きしめられた力強い感触が、よみがえってきた。」
あれっ、抱擁抱擁ってずっと言ってたけど、ヒロインは殺人鬼に普通には触れられないですよ。
うん、まあ、念力で抱擁かな……。
ああいや、体は透けちゃうんだけど、なんかもう気持ちが先行して抱きしめる格好だけとったんですよ。つまり包み込むみたいな。そうしたら、ふつうにギュッてするより伝わった……みたいな。
「美しい。そして壊せない。
『完璧な存在……』
幼い頃に散らばって、必死でつなぎとめたはずの体が、またバラバラになる――、
……そんな気がしたが、僕の心は穏やかなままだった。
彼女の言葉が、頭の中によみがえった。
『もう、苦しまないでください』
抱きしめられたとき、透ける体から温度は感じなかった。
何も感じなかった。
当然だろう。彼女は、幽霊なんだから。
頬を温かいものが伝った。
僕はそれを何気なくぬぐった。」
ひねくれてる(笑)
最後まで無自覚でナチュラルになってしまいました。
殺人鬼がヒロインの手下になる今後の展開がボツになりましたからね。
でもこの締めの一文とか二文、ほんと滑ってないか毎回心配になりますよね。大事ですもんね、締めは。
なんかアドリブで、温度の概念をいれてみました。「温度は感じなかった」って言いながらの「温かいものが」。あれですよ、さっき書いた、「さわれないけど伝わった」そこからの流れで、「温度がないけど温かい」心があたためられて、あたたかい涙に繋がったと。
うわあ……
そんな経験してみたい!!!!!
失礼しました。
いやでもほんとうに、このシーンのこの感じが、私のこの文章力や表現力とかのせいで伝わってなかったら本当に残念なんですけど、この場面、殺人鬼側になって体感したい。自分の罪っていうか、もはや自分自身と言い換えられるレベルの根深い悪……
これを天使みたいな存在から優しく包んでもらえるのなら――もうその瞬間に射
はい、話を戻しましょう。
ぱっと思いつきで入れた「温度の概念」。対比みたいな。
こんなふうにアドリブでぶちこむのって私いつも失敗するんですけど、うーん……これは……
ありかなぁ……。しつこくないし、目にとまらなかったとしても邪魔にはならなそう。
本文をいくつか書いてみたけど、思ったより短いですね。これはカクヨム短編いけるか!?
一万文字以内だよ? がんばろう!
あっ…………性描写、残酷描写……。
過度な性描写や残虐描写は選考対象外なんですよね。
うーん……
『いたずら』ってところまでぼかすことはできましたけどね。残酷系はどうなんだろう。いやいや微妙でしょ。死体処理しますからね。
どこまでが応募可能なのかはっきりわからないのがなぁ……。
過去の受賞作を読んだら……
……おぅ、けっこうヤッてるなぁ……
あれ、これ、ある程度はいけるんじゃないですか。
もうちょい縮められればコバルト短編にも応募できるんですけどね。まぁ現時点、どちらも狙っていくということで。
なんかラスト一文から完成させちゃいまして勝手に一安心しちゃいましたが……
どうなのよ、これ。自分で何度か読み返すうちにアリアリになっちゃったけど……。わかりませんね本当に。自分の書いたものがアリかナシかなんて。多分一生自分ではわかりませんよ。
次、説明ラッシュになりそうなヒロインの幽霊発覚シーン。
「突き出されたナイフと腕は、私の腹部を透けるようにして、通過していた。
「幽……霊」
目を見ひらいた彼の言葉。
私は小さく首をふって、思い返す。
真っ白な部屋、さしっぱなしの点滴、一年おきの手術。
死。
そして、雲の上、堅苦しいスーツを着た神様の言葉。
『また生きたいかね』
私はうなずく。
『ならば資格をとりなさい』
幽霊学、現世干渉学、干渉力学……二年半の勉強で現世干渉資格者となった私は、神様に額を触れられて――、
「V、B、I、P……」
ビジブルボディ・インビジブルパワー(可視の体と不可視の力)を手に入れた。
「半幽霊です、私は」
見えない力が彼を吹き飛ばした。ドアノブやペンを持つぐらいならいいけれど、こうして大きなものに干渉するとIPで常時行っている重力や地面への干渉、そしてVB……体の可視化までもがおろそかになる。ふわりと浮いて、透過率の上がった自分の脚を見下ろしてつぶやく。
「半人前。要、練習です」
IPの波が彼に追い打ちをかけた。ナイフがひしゃげて転がり、塀にぶつかった彼の腕から痛ましい音がきこえた。
アレ? 短くね?
これほんとカクヨム短編応募できるぞ……。
あれー、なんか書き忘れてるのかな、ひょっとして。
いやでも普通に短く書けてる。これ読み手が理解できるかは謎だけど。
ていうか本文書いちゃってよかったんかい……。あとから先行で書いたやつに引っ張られたりしそうで怖い……。
よし、それじゃあもう一回プロットを見直してから本文に入りますね。




