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プロットを作ります。
作ってしまっていいもんかまだ謎ですが……。
あ、とりあえずヒロインがPHSで協会と連絡をとるという適当に考えたネタはボツで。タイトル候補にもなっているVBIP? でしたっけ? 可視の体と不可視の力。そこに第三の能力であるPHSが出てくると、せっかくタイトルにもなっている要素に対して邪魔なので。神様から貰える能力は二つだけにします。
じゃあどうやって協会と連絡をとるか? まぁ取る必要もないと思うんですけど、自由に飛び回れる無資格幽霊が連絡係になってくれるんじゃないかと。
あとは、無資格幽霊が
「どこどこで酔っ払い同士が殴り合いしてます」
と教えてくれる。で、資格者幽霊が警察に電話するとか。ヒロインも最初はそういう無資格幽霊だったんですよね。
そしてスカイツリーの非常口から資格協会に行けて……
そこに神様がいる。
神様はすごい。各国の資格協会すべてに同時に存在している。
触れることで力を与える。逆に奪ったりもできる。けど奪うということはそうそうない。資格制度は、ほぼ完璧に機能している。
あとは……
ヒロインがIP(不可視の力)で攻撃するときは重力への干渉力が自然と弱まって、若干体が浮くとか。
そういう細かい部分ぽろぽろと思いつきますけど。
そろそろプロットにいってみましょう。
というのも、ちょっと頭の中で考えてみたときに、ヒロイン視点の話と殺人鬼視点の話の回数とかバランスで悩みそうだなと思って……。
ちょっと今、軽く探ってみてもいいんじゃないかなって。
この小説、ヒロイン視点と殺人鬼視点を交互に、というのを構想しています。
各視点でどんな話を予定しているか、ざっくり並べてみましょう。
殺人鬼視点①。そのへんでつかまえた美少女を殺すシーン。虐待の過去を独白。殺害解体がもう日常化していることにも触れる。後日、天才女優登場。
ヒロイン視点①。ヒロインが他クラスの女子に触られそうになるイベント。帰り道、友人がいじめっ子だった過去を明かす。友人と別れて一人で歩く。
殺人鬼視点②。天才女優との撮影。アドリブキスシーン、その後話しているときに殺害。暴走。町をさまよって美少女を解体しまくる。
ヒロイン視点②。殺人鬼と遭遇。幽霊である事情に触れながら、対決。倒す。資格協会からは殺すよう指示されるが、殺人鬼に共感したヒロインは殺さずに抱擁する。
その後のヒロインの日常?
殺人鬼視点③。独房内でヒロインのことを考え、自分でもよくわからないまま改心。涙を流す。
そう、殺人鬼のターンが一つ多いです。
そのせいかなんのせいかわからないけど、殺人鬼視点で物語が始まっている。これどうなんだ。
ヒロイン視点で始まるほうが自然な気がします。こいつが主人公なんですよ、と主張できます。後から出てきたやつが主人公というのは、多分、大多数の感覚的にあまりない気がするので。
最初にヒロイン視点のなにかを入れられれば……。
ヒロイン視点①。通行人と過剰に距離をとりながら歩くヒロイン。通学路でクラスメイトと挨拶を交わすが、近づこうとした相手に対して逆に離れていく。そこで相手が思いだして、
「たしか、人間アレルギーだったっけ?」
それに対して口頭でアレルギーの説明をするヒロイン。
短い気がするけど、とりあえずこれで。
殺人鬼側と時系列も合わせたいです。なのでヒロイン①は一日目の早朝ということで。
次の殺人鬼①も一日目の早朝。そのあと撮影現場入りして女優と会う。
番号がずれてヒロイン②。これは昼休みがいいですね。「近所で映画の撮影をやってるんだって」的な会話がされていて、ヒロインは他クラスの女子に触られそうになる。そして友達と下校。夕方です。
殺人鬼②はキスシーンで、撮影終了、二人の会話、女優を殺して、暴走。
ヒロイン③で出会います。倒します。ヒロインのその後の日常を書くかも。
殺人鬼③の場所は、留置場? ならそんなに時間は飛ばずに済むのかな。殺人鬼が美しい涙を流すというエンドですがまだ本当にこれでいいかちゃんと検討してない。
これでなんか、ヒロインと殺人鬼の歩調が揃いましたね。
次はエンディングを本気で考えていこうかな。
殺人鬼を倒す。ここまでは決定でいいですね。まさか負けるなんてことはないでしょう。お話的に。
その後の抱擁と殺人鬼の涙は多分セットだと思います。いや、やっぱりこれ入れたいですね。なんかありがち系ですけど、殺人鬼の美少女観の変化というのは二人が出会って対決した影響としてなんていうかあのその……
出会うんですから変化がないとですね。出会って変わった、というのが、なんか、物語として強いシーンなんじゃないでしょうか。
ヒロインさんは天使なヒロインですし、立場的にも神の使いですし。殺人鬼を改心させるという、天使さの総括りのような話ですし。この締めは入れましょう。
で、これ考えなきゃいけない。絶対考えとかなきゃいけない。……『ヒロインのその後の日常』。
べつにその後の日常じゃなくていいです。次の殺人鬼ターン③で物語が終わるので、このヒロイン③で彼女の話を締めなくてはならない。そのための何かがほしいです。
殺人鬼③はエピローグ的なものですので、ヒロイン③で結構ガッツリ終わっていた方がいいかもしれないです。
どんな感じにしましょうか。
半幽霊という正体をバラした後ですから、それ踏まえた感じになるのかな。全然思い浮かびません……。
ああ、とりあえず、何人かが殺人鬼の犠牲になってるんだからそのことに触れないと。
で、なんでしょう、エピローグの殺人鬼の涙はヒロインの行動の影響なので、ヒロイン③の締めは、彼女は今後もこんな感じで行動していきますよ系のものなら、なんか繋がりますね。
ああ、そうです、ここにきていきなりぶちこんだ、「協会側からは殺人鬼を殺すように言われたけど殺さなかった」というエピソード……これ本当にぶちこむのならある程度拾わないと。
もうなんか、命令違反で呼び出しくらって、でもヒロインは自分の考えを貫いたので……という仕事ドラマみたいな流れになりますよね。そこからの殺人鬼の涙……。どうなんだこれ、どうなんだ……。
まず、協会側が殺人鬼を殺せって言うのがアリかナシか、そこから考えます。
殺せって言ったのは誰でしょうね。誰にしろ、どういう動機で……。
うーん、この話が環境問題に踏み込みそうになったときも思ったことなんですけど、「何かを良くするために誰かを殺すのが正しい」、これを持ち出すと、そう考えないキャラたちとの間で争いになるんですよね。
そういうのの、どっちが正しいかをテーマにする話じゃないと思うんですよね、これ。そういう論争とは別の場所でストーリーを展開させたいと思って。
なしですね。「協会側に殺せと言われたけど」とぶちこんだの、やっぱなしです。
ああいや、やっぱりぶちこめるかもしれません。
協会側ではなく周囲の幽霊に「殺せ」と言われたんだとしたら。それならただの意見の相違ですし、それに協会側も殺さないのが正解という立場なら、論争が物語を乗っ取ることもないですし。
ああでもね……ごちゃごちゃするよな、これ。「殺せ」と言う幽霊を出さなきゃいけないし、そいつの説明も出さなきゃいけないし、協会側も出さなきゃいけないし、それによく考えたら協会側も同意見ならヒロインの行動に特別感がでません。
協会側はとくに決まりを設けておらず、ヒロインの意思で殺人鬼を生かした。それが彼の改心という結果を生んだ。そうしたいです。
うーん、だからやっぱりヒロイン視点のラストに合うのは、彼女のその後の日常かな。彼女は自分のしたことの意味(殺人鬼の改心)を知らないまま日常を送る、みたいな。
殺人鬼倒す。抱擁。(改行いれて)その後の説明。……殺人鬼は逮捕。事件のことでテレビとかが、めっちゃ騒ぎになってる。今日もヒロインは人間アレルギーを偽りながら、ささやかな善行をする。
って「ささやかな善行」とか初めてでてきたワードですけど……。これまでずっとヒロインさんはそれをしてきたんですかね? まぁ、してきたんでしょう。
でもそれ、もしかして半幽霊の仕事なの?
そこそこ、そこです。まだしっかり決めてなかった。現世に干渉する資格を与えられた者たちは何か協会から仕事を与えられているのか?
それって神様が決めてることですよね。もう私の中で、固めのオッサンキャラと確定している神様が。
資格取得のために必要なのは、現世への干渉の仕方の勉強でしたよね。悪事を働くのはNGでしょう。では逆に善行は? 義務付けられているのか?
義務付けられているというイメージで私はこれまで色々と語ってきたんですよね。ヒロインが無資格時代に火事を見つけて知らせてたとか。
なんか、今あるイメージとしては、半幽霊の義務は節度を守ることだけでそれ以外は自由、なんですよね。
善行が義務になると思想が絡んでくるから。殺人鬼を殺すか否か……はたしてどちらが善なのか、みたいな。
でも自由が与えられているなら、あの場でヒロインが殺人鬼を殺すのはアリだったのか?……多分、現世の人たちにわからないようにやればアリなのでは?
あーいや、殺人は禁止されてる、のほうがいいかな。
結局殺人鬼を改心させたのは、殺さなかったことじゃなくて抱擁なんだから、殺人は協会側で禁止されてるから百%ヒロインの意思ではなくて、ヒロインがとった特別な行動は抱擁……と。あ、なんか言ってることわかりにくかったらすみません。
ヒロインがヒロインだったから、殺人鬼が改心したのです。そういうのを書きたいんですね。
抱擁によって殺人鬼が改心した→このヒロインは抱擁をするようなヒロインなんですよ→心優しいヒロインなんです→小さな善行をしてるんです。別に誰に言われたわけでもないのに!
そんな善行ヒロインを物語の最初から描きましょう。
なんとなくごみ拾いっていうのが浮かんだけど……
あああわかった。
ヒロインから三十メートル離れることを義務付けられたあの他クラスの女子です。あいつが後日談で再登場。なにか言いたそうにこちらを見ている。元いじめっ子の友達がにらみつける一方で、ヒロインは女子を許してしまい、仲間に入れてしまう。
いやあ天使だね!
そしてリンクしますね。ヒロインが物語当初から見せていた性格の良さ。これが終盤でまた炸裂して、エピローグで殺人鬼にも炸裂していた。
これこれ、これでいいんじゃない? うまくまとまってる気がしませんか? 少なくとも私の中ではまとまってますよ。
あーいやいや、プロットを書いてみて全体像を俯瞰してからですね。そのためのプロットでしょう、多分。
よし、次、ようやく、ようやくようやくプロットです。




