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彩の季節  作者: 真矢裕美
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新しい家族

祐輔と優菜の間に生まれた

幸子が一歳になった。

そして、祐輔は映画界でも

仕事をこなすようになり、

俳優としての地位を確立していた。

祐輔は、家に帰ると

幸子の相手をしていた。

自分自身は、疲れているのに

幸子をお風呂に入れたりする。

そんな祐輔に、優菜は感謝していた。

祐輔は、子供が好きで結婚したら、

子供が多いほうがいいと

よく言ったことがあった。

そして、優菜は今おなかに

新しい命が宿っていた。

「優菜、もうすぐだな。

次の子供が産まれるの」

「今日ね、病院で診察をしたら

次の赤ちゃんが、

双子だって言われたの」

「えっ、双子?それ、本当か?」

「信じられないでしょ?

実は、私も驚いているの。

幸子の時よりおなかが重いから、

どうしてかなって思ったら、

おなかの赤ちゃんが

双子で入っていたの」

「そうか、双子か。

どっちの双子になっても

元気に産まれてほしいな。

幸子の時は、難産で

大変だったからな」

祐輔は、今でも思い出す。

優菜が幸子を出産する時、

医師から優菜を取るか

幸子を取るかの選択を

とらなければならなかった。

しかし、優菜と幸子が

無事でよかったと思った。

これは、いつか家族が増えても

忘れないでいようと

祐輔は思っていた。

そして、次の子供が

双子だとわかった。

優菜は、性別を聞くのは

産まれた時の楽しみが

なくなるから聞かないと言った。

それは、それでいいと

祐輔は思っていた。

「優菜、体だけは大切にしてくれよ。

オレは、おまえのためにも

子供たちのためにも、

今の仕事を頑張るよ」

「あなた、無理は

なさらないでくださいね」

「あぁっ、大丈夫だ。

優菜、こんなオレのために

ついてきてくれて、家族が

増えようとしている。

おまえと出会えて恋をして

夫婦になれた。

今は、おまえがオレの妻で幸せだ」

「あなた、それは私も同じです。

あなたと出会って幸せです」

「優菜、オレの妻になっても

愛しい女だ。

これから、何があっても

オレについてきてくれるか?」

「えぇっ、あなた」

「今は、恋人に戻って祐輔でいい。

愛しているよ、優菜」

「あぁっ、祐輔。

あなたに愛されてそばにいたい」

「優菜、一時だけでいい。

恋人に戻ろう」

そう言うと祐輔は、

優菜を抱きしめてキスをしていた。

何度も、何度も、唇を重ねて、

お互いの気持ちを確かめていた。

優菜は、幸せだった。

アイドルで人気のあった

祐輔と夫婦になれたこと。

そして祐輔との子供を産むという

幸せをかみしめていた。

「彼氏がいないならつきあって」

と祐輔が言った時のことを

優菜は思い出していた。

初めて祐輔から告白された時に

キスを交わしたことも

鮮明に覚えていた。

今は、夫婦になっても

変わらない優しさで

祐輔は、優菜を愛してくれる。

優菜は、それで幸せだった。

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