3話 授祝の儀
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ノエル
種族 純人族
Lv:1
天職 剣士 一次職(調整者 特殊職)
再命 20/20(50/50)
魔力 34/34(70/70)
攻撃 10(20)
防御 10(80)
魔攻 10(20)
魔防 10(50)
俊敏 10(20)
運気 10(100)
スキル
剣術:F 加速:D (選別:EX) (死亡無効-単-) (適応:EX)
称号
勤勉 (転生者)
※()内は本来の数値。他者に認識不可能
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=ステータスについての捕捉=======================================
再命 怪我を負うなどダメージを受けても軽いものならすぐに治る。
要するにダメージを肩代わりしてくれる。
毒を受けたり、大きな怪我を負ったりしたら減少する
魔力 魔法を使う際に消費する魔力を数値化したもの。
攻撃 攻撃によって他人に攻撃にする力。
防御 攻撃等により負うダメージを軽減する力。
魔攻 魔法による攻撃によって他人に攻撃する力。
魔防 魔法による攻撃等により負うダメージを軽減する力。
俊敏 反射神経、足の早さ、攻撃速度を数値化したもの。
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まぁまぁ強い···かな。
一般的な子供のステータスの平均は全部10~20くらいだから、本来の数値は割と高い。
ただ、ひとつ気になるのが[※()内は本来の数値。他者に認識不可能]の所だ。
まぁ、多分オデインがつけてくれたんだろう。
スキルについては今度ゆっくり調べるとしよう。
僕のステータスは確認したから、次はリーシャの天職でも聞こうと思い、彼女に話しかけようとした。
「ねぇ、リーシャ、君はどんな天職をもらった···え?」
その瞬間、僕の視界に入ったリーシャのステータスは凄まじいものだった。
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リーシャ
種族 純人族
Lv:1
天職 剣聖 特殊職 (英雄候補)
再命 230/230
魔力 120/120
攻撃 350
防御 200
魔攻 10
魔防 150
俊敏 200
運気 40
スキル
剣術:S 見切り:B
称号
剣聖 世界を救う者 ※()内は調整者しか見えません
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剣聖 特殊職(英雄候補)!?
ってことは僕の間引きの対象なの?!
Lv1でこのステータスってことは他の英雄候補は恐らくもっとLvが高く、ステータスも当然高くなるわけだ···。
僕、そんなのを6人も殺さなきゃいけないの?
···無理な気がする。
「ね、ねぇ、ノエル君。私の天職、剣聖ってなってるんだけど、どうしよう。」
僕に聞かれても。
と、その時、アナウンスが響いた。
「授祝の儀を終えた方は役場前に集まってください。天職とスキルの記録を行います。」
授祝の儀を終えた子供は天職とスキルを記録する義務がある。
何故なら、報告が義務付けられる前に、[超吸収]という他者のステータス、スキル、寿命を奪い取るスキルを与えられた男がそのスキルを悪用し、大事件を起こしたためである。
そのため、災害の元に成りかねないスキルを持つ人が現れた場合、即刻王都に連行される事になっている。
「ひとまず報告しに行こう。」
僕はリーシャの手を引いて役場前に向かった。
列に並び、自分の番が来たら書記の人に出身地、名前を名乗り、自分のステータスボードを担当の人に見せる。
「ボンヘイ村出身、ノエルです。」
書記の人は僕のステータスボードをみて、必要事項を読み上げながら記録をしている。
「ボンヘイ村、ノエル、剣士、剣術:E、加速:D···と。はい。次の人どうぞー。」
良かった。やっぱり()内は他人に認識されないんだな。
「え、えっと、ボンヘイ村出身、リーシャです。」
「ボンヘイ村、リーシャ···剣聖?!え?ちょ、ちょっと待っててくれ」
リーシャのステータスボードを見た書記官が慌てて誰かを呼びに行った。
···面倒くさい事になりそうだ。
少し待つと、さっきの書記官が何やら重役っぽい髭面のおっさんを連れてきた。
「この嬢ちゃんが剣聖か?···間違いねぇみたいだな。」
とりあえず気になることを聞いてみよう。
「あの···どちら様ですか?」
「ん?あぁ、俺はバブレ王国騎士団第三分隊副隊長のハレスだ。」
「この子···リーシャはこれからどうなるんですか?」
「暫く王国騎士団の見習いとして戦闘の基礎から仕込んで、まともに戦えるようになったら他国との戦争の戦力になるか、魔族との戦争に投入されるかだな。」
「···それは避けられないんですか?」
「剣聖の天職を受けた、つまり英雄候補になったということは、神に戦うことを命じた、ということだ。
だから、戦うことを拒むということは、神に歯向かうということになる。」
「そう、ですか。」
神はランダムに天職を振り分けてるから、戦うことを命じた訳じゃない。
それどころかむしろ戦われると世界が滅びかねないって困ってたんだけどな。
そんな事を伝えたところで、別に何かが変わる気はしない。
笑われて終わりそうな気がする。
「ね、ねぇ、ノエル君。私、どうなっちゃうの?」
「リーシャちゃんは剣聖の天職を与えられて、英雄候補になったから、世界のために戦わなくっちゃいけないんだって。頑張ってね。」
僕は人を励ましたりするのは苦手だ。
どうにも{自分のことじゃないから}と、適当に返してしまう。
リーシャが困惑している。
なんとも言えないその空気に耐えきれず、僕はリーシャの父親を呼んでくるといって、その場を去っていった。
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役場からそう遠くはない商店街でリーシャの父親は買い物をしていた。
「リーシャちゃんのお父さん!大変です!」
「おぉ、ノエル君。どうしたんだい?」
「リーシャちゃんの天職をが剣聖で、王国騎士団に入れられるとか言われてました!それで保護者を呼んできてって頼まれました。」
「え!?リーシャが剣聖?!そ、それは大変だ。すぐに行ってくる。」
そう言い残してリーシャの父親は走っていってしまった。
···さて、時間掛かりそうだし、一人でボイヘン村に帰るか。
主人公は切り替えが早いです。
はい。続きが書けたんで投稿しました。
まぁ、読んでる人なんていないでしょうけどね。
次回更新日は未定です。