2話 転生しました
目を覚ますと、知らない天井が目に入ってきた。
そうだ、僕は異世界に転生したんだ。
しかし、前世の記憶と転生後の記憶が混ざって混乱してしまう。
回りを見渡すと、机の上にあるインクとペンが目に入ったので、ひとまずそれに転生後の記憶についてまとめることにした。
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·読み書きが出来るか心配だったが、少し勉強したら以外となんとかなった。
·今の僕は[ノエル]という、一般家庭の長男として生まれた、普通の男である。
·平民のため、名字は無い。
·家族構成は父、母、兄(5歳年上)、僕の四人である。
·バブレ王国ツウフ領のボイヘン村という田舎の村に住んでいる。
·この世界は、10歳になると[授祝の儀]というスキルと天職を与えられる儀式を受ける事になっている。
·スキルはS~Fでランク分けがされており、F、E、D、C、Bのランクのスキルは鍛練を積むことでも獲得できるが、A、Sランクのスキルは勇者などの特殊な者しか持っていない。
·天職は大きく分けると、[戦闘職][生産職]の二つに分類される。
·戦闘職は一次職、二次職、三次職、特殊職の4つに分類される。
一次職 剣士、魔法使い、武道家等の戦闘に長けた基本的な天職。
二次職 魔法剣士、魔術師、拳闘士等、一次職を極めると就く事の出来る天職。
三次職 剣豪、魔導士、拳王等、二次職を極めると就く事の出来る天職。
特殊職 勇者、賢者、剣聖等、選ばれし者に与えられる特殊な天職。
·生産職は加工職、採取職、特殊職の3つに分類される。
加工職 大工、鍛冶屋、錬金術士など、材料を加工し、物を作り出すことに長け
た天職。
採取職 木こり、漁師、
·僕の兄は二次職である[騎士]を授祝の儀で与えられたため、王都の騎士団からのスカウトが来て、10歳の時に王都に行ってしまった。
·[ステータスボード]という、個人の能力値を数値化したものがある。
·ステータスは10歳になると見れるようになる。
·神が言っていたように、10歳になった今日、記憶を取り戻した。
·勇者達を間引くことを交換条件に特殊な力を与えられる···はず。
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「まぁ、こんなところか。」
と、ここまで書いた所で階段を登ってくる足音が聞こえてきた。
そういえば僕の部屋は二階だったなということを思い出した。
というか、よく考えたら今書いていることが見られたらまずい。
僕は急いで紙を丸めて懐に入れ、ベットに潜り込んだ。
「ノエル、そろそろ起きなさい。今日は授祝の儀を受ける日でしょ。」
母さんの声が聞こえてきた。
「わかってる。すぐ行くよ。」
と、無難に返事をして、母さんが階段を降りていったのを確認する。
···とりあえず準備をして授祝の儀を受けに隣の村[トイカ村]に行くか。
間引きについては今度考えよう。
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授祝の儀を行うトイカ村にたどり着いた。
因みに、トイカ村までは同い年で幼馴染の女の子リーシャとその父親と共に向かった。
道中には魔物が出たが、元王国騎士団員であるリーシャのお父さんが次々に切り捨てていった。
···それにしてもこの村、人多いな。
都会って訳でもないのに活気がある。
「ねえ!ノエル君?!聞いてる?」
とりあえず周囲の人に流されるがまま進んでいると、リーシャが話しかけてきた。
「何?リーシャちゃん。」
「授祝の儀でどんな天職がもらえるのかなぁって。」
「あぁ、その事か。ところで、リーシャちゃんはどんなのが欲しいの?」
「私?私はねぇ、[裁縫師]がいいなぁ。お母さんみたいに。」
[裁縫師]は、布を服やローブに加工したりできる、加工職である。
天職は血統に影響されやすいと聞くので、母親が裁縫師のリーシャなら多分叶うだろう。
「そっか。貰えると良いね。」
「うん。で、ノエル君はどんなのが欲しいの?」
···うーん。天職についてはざっくり調べた程度で、具体的になりたいものはないんだよなぁ。
とりあえず、無難に答えておこう。
「僕は勇者が良いなぁ。」
···まぁ実際勇者にでもなったりしたら、自分も間引きの対象になっちゃうんだけどね。
あ、でも6人殺せば良いんだから、力が与えられる分、それはそれで良いのか。
「そっか。貰えると良いね。」
「うん。···あ、教会が見えてきたよ。」
教会は普段は懺悔に訪れる人や祈りを捧げる人が訪れるが、この日に限っては、
神から与えられた力(天職とスキル)を告げる授祝の儀を行う場所として解放されている。この近辺ではここしか教会がないので、毎年この日は周囲の村の子供たちやその親が来るのである。
授祝の儀は、《儀》といっても、なにか特別なことをする訳ではなく、ただ教会に飾ってある女神像(女神の名前は知らない)に祈りを捧げるだけらしい。
僕とリーシャは並んで祈りを捧げた。
すると、体に力が溢れるような感じがした。
何かいまならステータスボードが見れそうな気がする。
そんな事を考えていたら、目の前に転生特典を選んだ時に使ったボードのような
半透明な黒い板が現れた。
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続きが書けたんで投稿しました。
まぁ、読んでる人なんていないでしょうけどね。(笑)
次回更新日 未定