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手習ひ  作者: MOCHA
第2章 徒然
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晴耕雨読

 祖父母は好んで外に出る。小さな畑を耕したり、近くの海や山に散策に出掛ける。京の元貴族故、租税もなく自由な時間が多い。その時間を自分たちの健康管理に使っているようだ。祖父母も貴族として在京していた時は、他の貴族と同じ様に部屋に()もりきりか、出仕して雑用をこなす程度だった。だが、祖父が地方へ赴任(ふにん)する様になり、在地の平民の暮らしを見るにつけ、自分達が如何(いか)に体を動かしていないか気づいたらしい。ちょうどその頃知り合った医博士(いはかせ)が、

「適度な運動は必要なのです。京におわす皇族や大臣を含めた貴族の寿命が短いのも運動不足が(たた)っているのです」

 大陸に渡った事もあると言う医博士(いはかせ)は、博識で(こと)に人体については下手な医師よりも有能であった。単に博識だけでなく、得た知識から人体に対する造詣(ぞうけい)を深めていたようだ。だだ、頑迷(がんめい)で口が災いし出世からは遠のいていた。 

 一ノ姫は祖父母らに習い、几帳(きちょう)は使わず、御簾(みす)すら暑い時には上げていた。京の様に忍んでくる者もない、来るにしても同じ年頃の子供ばかりだった。

 元医博士(いはかせ)の言葉に(なら)い、二人の姫も天気のいい日はなるべく外に出ることを心掛けていた。外を散策したりして汗を流す事を爽快に感じるようになっていった。

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