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手習ひ  作者: MOCHA
第5章 帰京
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帰京(握り潰した桔梗の花)の文

 京の高階(たかしな)屋敷に戻った二人の姫。懐かしさを感じる間もなく、一ノ姫は(ひな)の君に文を(したた)める。



 (ひな)の君様。

 あれだけの御恩を受けしにも関わらず、お別れの挨拶もせず京へ戻りにけるかな、さぞやお怒りならむ。父の命とは言へ、(あらが)へぬ己の弱さに恥じ入るばかりなり。せめてもの救ひは、最後に一目のみでも邂逅(かいこう)でこしかな。(ひな)の海での想ひ出は一生忘れぬ。


 高階(たかしな)若狭国(わかさのくに)(じょう)


 文は信頼できる女房に託したが返事はなかった。恐らく、父によって握り潰されてしまったのだろう。文にこの手で握り潰した桔梗(ききょう)の花を添えたのを、父はどう感じているのだろうか。今となっては詮無(せんな)いことであった。

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