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手習ひ  作者: MOCHA
第4章 平穏
20/50

鄙の君の所以

 二人で囲碁を打っている時だった。

(ひな)の君はいつからここにいるの?」

 何気なく二ノ姫が(ひな)の君に問う。(ひな)の君は打ち手を止める。

「さて・・・」

 (ひな)の君は右手に持った扇子(せんす)で後頭部を軽く叩く。

「物心ついた時には既にここにいましたから」

 (ひな)の君は再び石を打つ。

「ふうん」

 二ノ姫はわかった様なわからない様な相槌(あいづち)を打つ。ついでに石を打つ。

「!」

 (ひな)の君が盤面を凝視する。そして、静かに石を置く。

「悪手ですな。伊織(いおり)殿、手が(おろそ)かになっておりますぞ」

「あっ・・・」

 一ノ姫は下唇を()んだ。

 同時にはぐらかされた様になったが、一ノ姫は違和感を覚える。こんな(ひな)でこれだけの教養を得ているのが不思議でならなかった。でも、それ以上問い質すのは禁忌(きんき)の様な気がした。人の機微(きび)(さと)い二ノ姫もそれ以上は聞こうとしなかった。

  

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