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手習ひ  作者: MOCHA
第4章 平穏
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二ノ姫の快方

 一ノ姫と二ノ姫は近くの木陰で夕涼みをしていた。

 夏の間、外出ばかりしていたせいか、二人の姫は陽射しで肌は小麦色になり、髪も赤茶けた色だった。この時代、きめが細かくて色白の美肌、ふくよかで柔らかそうな頬、長くあでやかな黒髪が美人の条件だった。外で体を動かしているせいか、二人の姫は贅肉(ぜいにく)がなく、すらりとしていたので、美人の条件からは程遠かった。外を出歩くのに長髪は邪魔だったので肩の先で切り揃えていた。京に戻ったら、二人の母にどやされるかも知れないと一ノ姫は思った。

「それは不健康と言うものです」

 元医博士(いはかせ)殿は(のたま)う。今日も医博士(いはかせ)が同行していた。

「色白というのは人に()りますが、外に出ず部屋にひたすら引き(こも)っているせいです。ふくよかなのも運動不足ですな。黒髪も長ければいいものではない。手入れも大変ですし、洗わないのは不衛生ですし、臭いを消すために香を焚くのは論外ですな」

 元医博士(いはかせ)は歯に衣を着せぬ物言いで断言する。その横で(ひな)の君も頷いている。

(ひな)の君は健康的な人がいいのかな)

 そんな(ひな)の君を見ながら二ノ姫は思う。

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