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手習ひ  作者: MOCHA
第3章 鄙の君
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夢見の京

 二人の姫は転寝(うたたね)をしていた。

 近くで碁を打つ音が聞こえる。屋敷の簀子(すのこ)で雨を見ながら祖父と正綱が囲碁を打っているようだ。微睡(まどろみ)の中で一ノ姫は耳を澄ました。

「京は相も変わらず落ち着かぬ様子で」

「また何かありましたか」

傍流(ぼうりゅう)摂関家と連衡(れんこう)貴族が官職を巡って対立してるようですな」

「なるほど」

「ま、数年前の血で血を洗う政変に比べれば可愛いものではと」

「足の引っ張り合い程度ということですか」

如何(いか)にも」

 再び石を打つ音が聞こえる。

「中央はそれでいいでしょうが、地方はそうともいかぬでしょうに。地方の豪族どもが反抗し、租税も滞りがちだと」

「おお・・・愚息(ぐそく)も苦労していると文に書いてきておりますな」

 一ノ姫は再び微睡(まどろ)んだ。

 

 一ノ姫が目覚めた時、雨は既に上がっていた。碁を打つ音も止んでいた。

(はて、先程の話は(うつつ)だったか、それとも夢であったか)

 一ノ姫にも判断がつかなかった。

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