表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花束  作者: 小佐内 美星
第一部 私も彼女もまだ小学生でした。
8/28

第一部 エピローグ

 彼女と出会って変わったことはたくさんある。勝手に変わったこともあるし、自発的に変えようとしたこともある。一気に全部はできなかったけれど、私は前を見て過ごすことを心がけるようにもなった。


 正面を向くというのは恐ろしく勇気がいる。悪いものを見ることが増えたし、つまずくことも増えたように思える。それでも、世界ががらっと変わったことに違いはなかった。 


 私は小学五年生で、彼女は小学六年生。


 だから、彼女は当然、先に卒業してしまった。中学校の方向が小学校と一緒だったから、通学路では今まで通り話しながら登校することができた。でも学校の中で、つい彼女の姿を探してしまう癖が抜けなくて、どこかぽっかりと空いた穴を、顔を上げて前を向いて歩きながら、何かで埋められないかと探す日々が続いた。


 誰かが私にとって、欠けられない存在になってしまうのは、怖い。姉が気高く去っていったように、また私の前から消えてしまうような気がしたから。そして、あれほど与えてくれていた無償らしい愛情を、もう二度とは得られないのかもと沈んでしまうから。


 私はどこまで結城比奈に頼っていいのだろう。弟子、彼女は私を弟子にしてあげると言った。そういう言葉を、いつまで覚えていていいのだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ