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最悪の終わりによる幸せ  作者: 白雪猫
3/5

再会

いや、忙しかったんですって……イベントとかイベントとかイベントとか……


ゲームしてましたはい

徴兵令。


戦争を行う上で割とよくある事だ。しかしながら、本人や身内がお国からそんなものを出されて喜ぶケースは少ないだろう。「死にに行ってくれ」そんなことを言われてるに等しいからだ。徴兵令を出されて上官になれる可能性はこのナハト帝国ではまず無い。一から訓練をし、しっかりと育った人材の方が優秀で何より使いやすいからだ。ということは間違いなく徴兵令で集められた兵の大半以上が前線の壁になる訳だ。ここ数十年で戦争におけるバランス、戦闘法が大きく変わったとはいえ犠牲者が出るように戦争は出来ている。


当然、白斗もそんなものに出たくはない。戦闘狂じゃあるまいし。


「お断りします」


「「なっ……」」


「そうか」


隊長格の男以外が狼狽する。まさか、抵抗はあっても正面切ってはっきりと断られるとは思わなかっただろう。


しかし、徴兵令というのは


「抵抗するならすぐさまここで処刑することになるのだが」


そう言って、腰につけていた剣を抜く。刃がひかりをきらりと反射する。


徴兵令というものは国から出されている。そんなものに抵抗するというのは自殺行為に等しい。


だが、白斗はそれを理解していて発言する。


「あまり物騒な真似は止めてくれないか?ただでさえ既にご近所さんが集まってきてるんだから」


白斗の言葉に我が帝国の軍人は周りを見渡す。


白斗の言う通り、子供やらおばさんやらがそこまで少なくない数集まっている。


「白斗兄ちゃんなんで軍人さんに囲まれるの?」


「お国の兵隊さんになるのよ」


「まあ!あの優しい子がねぇ…寂しくなるわねぇ」


などなど、色々ざわついている。


だが、男は視線を白斗に戻しニヤッと笑う。


「丁度いい」


「「は?」」


「……」


男の発言に他の軍人達が戸惑う。明らかに軍にひいては国にマイナスイメージを与えかねない。確かに軍としては多少なりとも強行的な姿勢は見せた方が良いのだろうが、それは時と場合による。明らかに今はその時ではない。なぜなら今は戦争が起きてるわけではない。各国でにらみ合いが続き、時々衝突が起こるものの大規模でないのが現状だ。この時に無理やり徴兵しようとして処刑するなどイメージダウン待ったなしである。


「何がいい時期なんだ?」


「あ?決まってんだろう。ここでお前を処刑して裏で税金の無駄遣いと言われないようにするんだよ」


だめだ、頭いたい。


こいつの脳にはきっとうじが湧いているに違いない。


裏で叩かれているのは事実だが、それでも軍がないとまともに生活をおくれないのは何より一般市民が理解している。だが、ここで白斗を処刑したらやりたい放題の狂犬扱いされるのはまちがいないだろう。


「馬鹿かよ……」


「ふん、これからお前を処刑する。何か言うことはないか?」


剣の先を向けてきながら言う。


「なんて野蛮なの!?最近の軍はあんな感じなのね…気を付けなきゃ…」


「白斗兄ちゃんどうなっちゃうの?」


「この軍のろくでなしめ!」


もはや、処刑される前から軍に対してのブーイングが起こる。


だが、ご近所さんはこれといって白斗を心配する素振りは見せなかった。


白斗も正直げんなりした気持ちでいう。


「いや、言わせる気ねぇだ」


「死ねぇ!!!」


言葉が言い終わる前に問答無用で切りかかってくる。


白斗はそれに反応して体を動かそうとした。




「はいはい、そこまでね」




額を軽く弾かれるのを感じた瞬間、今まで目の前に立っていた男が吹っ飛ぶ。


そして、代わりにその場に立ったのは黒髪のそこまで背の高くない少年。


「まったく、躾がなってないねー最近は」


白斗は額を触りながら、黒髪を(なび)かせる少年を見て口角を上げる。


「や、久しぶり白斗。相変わらずな白髪だね」


「理仁先輩、お久し振りです」


こうして2人は再開した。




日常が壊れる感覚が白斗に駆け抜けた。


若干書き方変えてみました。まあ、あまり大差ないですが。相変わらずの進行ペースです

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