はじまりの街
“コネクト”
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目を開けると、俺は街にいた。
続々と現れる光は、たぶんプレイヤーだろう。
そんなことを思いながら俺は街並みを眺めた。
「すっげー、こりゃβの時の掲示板通りだわ」
グラフィックがリアルになり再現度まで高い。
石畳を踏みしめる感触は現実に近く、風が顔に当たると、その匂いでさえ再現されている。
明らかに、今までのVRゲームとは一線を画すゲーム・・・AOってすげぇ
「・・・・・・・・・はっ!こんなことしてる場合じゃない、あいつらと集合するんだった」
碧と蒼真と最初の街の噴水で約束していたのを思い出した。
某緑のアイコンアプリでそう話し合っていたのを思い出した俺は、急いで目的地に向かう。
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噴水まで辿りついた俺は、さっそく蒼真を見つけた。
「おーい!こっちこっち!」
そう呼んでいる蒼真の元へ、俺は全力で走り出した。
「やっと、来たな・・・って!グホッ!!」
そして俺は全力のドロップキックを蒼真の腹にかました。
「そんな大声で呼ばなくてもわかってる」
「だからって、いきなりこれはないだろ!」
「いや、現実でできないツッコミをしようかと」
「現実じゃなかったらいいんだ!?」
「おう」
「俺これからゲームでお前に会うの怖いんだけど・・・」
そんなことを言う蒼真はほっておいて碧を探す。
「なぁ、碧はまだ来てないのか?」
「もうそろそろ来ると思うけどな」
そう思っているところに、ちょうどよく碧がやって来た。
「ごめん!二人ともおまたせ!」
「おっ、来たな!」
「そんな待ってないから大丈夫だぞ」
「道に迷っちゃって・・・」
「マップ使えばすぐだろ?」
「廃人のお前と一緒にすんな蒼真」
「なんかツッコミが厳しすぎる気がするんだけど!?」
「気のせいだよ〜」
「そうだ、気のせいだ」
「二人ともひどい!!」
そんなこんなで3人揃うことが出来た。
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しばらく話していると、蒼真が・・・
「よし!ステータスを見せ合おうぜ!」
「は?急にどうした?」
「パーティー組むなら各役割決めないといけないからな!」
「そういうことか」
「私はいいよ、はい!」
そうして、全員でステータスを見せ合うことになった。
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ネーム/ホムラ Lv/1
職業/冒険者
性別/男
種族/人間
STR/50
VIT/0
AGI/50
INT/0
DEX/0
スキル
武器制限無効化
焔魔導
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ネーム/ソウヤ Lv/1
職業/冒険者
性別/男
種族/サイボーグ
STR/15
VIT/10
AGI/20
INT/5
DEX/50
スキル
火器の達人
精密射撃
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ネーム/ヒスイ Lv/1
職業/冒険者
性別/女
種族/エルフ
STR/10
VIT/10
AGI/15
INT/45
DEX/20
スキル
全属性魔法
MP自然回復量(極)
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「「偏りすぎ!?」」
「これでいいだろ」
「いやいやいや、STRとAGIのみとかおかしいだろ!」
「当たらなければどうということはない」
「「本気でやるヤツ初めて見た」」
前回説明するのを忘れてたが、俺はSTRとAGIに全てステ振りをした。高火力高機動、これが俺のスタイルだ。
「そういうソウヤこそ、DEXにほとんど振ってるじゃないか」
「俺のスキル上これぐらいしないと意味無いんだよ!」
「ヒスイもINTにほとんど振ってるんだな」
「私は魔法使うから、威力上げるにはこうするしかないのよ」
「俺も銃の威力上げるために振るしかなかったんだよなー、銃はDEX値を反映するから」
「ソウヤには聞いてない」
「ひどっ!!」
使用する武器によっては要求されるステータスが違うものが、このAOの特徴だろう。
近接として上げられる武器のほとんどはSTR依存だが、銃や弓はDEX依存だ。
杖、というより魔法はINT依存で威力のほかにMP回復量が上がる。
「ところでよー、ホムラの焔魔導ってなんなんだ?魔法じゃないのか?」
「スキル説明だとこんな感じだな」
『焔魔導』
炎魔法を極めた者のみが到達する、魔導と呼ばれるスキル
焔を自在に操ることが出来る
「え!魔法極めたら魔導ってスキルになるの?」
「なんかランダムでやったらもらえたぞ?」
「てか、基本俺達ランダムだよな、レアばっか持ってるし」
「「それな(ね)」」
「というか、焔を自在に操るってどんなスキルだよ・・・これでよくキャラつくったな」
「まぁ・・・ロマン?」
「うわぁ、バカがここにいるわ」
「バカはソウヤだけで十分だ」
「たしかにね」
「俺だけでってどういうことだ、おい」
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そういえば、ステータスを見て気になったことがあった。
職業ってなんだ?
「なぁ、職業ってなんだ」
「これからプレイしていったら変わるらしいわよ?」
「なんでも、最初はみんな冒険者で固定でプレイヤーの行動によって設定されるってよ」
「ふーん、てことはPKとかやるとそういうたぐいに変わるってことか」
「その場合は、『暗殺者』とか『殺人鬼』になるらしい」
「私は目指すのは『大賢者』よ!」
「俺は今のところ『狙撃手』を目指すぜ!」
「俺は・・・まぁ、なんでもいいかな」
とりあえず、『剣士』でも目指しますかね。
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「よし!パーティーも組んだことだし狩りに行こうぜ!」
「「暑苦しい・・・」」
「なんでだよ!?」
はい、またまた気分更新&短いです。
本当にすいません。
もし疑問や変な点を見つけたら教えていただければ幸いです。
次の話のあとがきで種族補正について書こうと思います。