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愛しい君に  作者: 美影
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最初の会話。

彼と会ったのは中学生の時だった。

彼はすごくモテるわけるわけじゃなかったし、目立つ人でも無くて、1年で同じクラスになっても6月まで話したことの無いような人だった。

きっかけは何だったっけ?

ああ、あれだ。

6月の初め、掃除のとき。

確か私は机を運ぶ係だったと思う。運ぶときってどうしても机が斜めになっちゃって筆箱とかが落ちることもあった。もう誰の机かも覚えてないけど、いつものように運んでたら筆箱が落ちてしまったのだ。まだその机を運んでる途中だったし、後で拾えばいいや。って考えて机運びを続行した。

その時に筆箱を拾って私に声をかけた。それが彼と話した最初だったと思う。

厳密にいうと、話したっていうより一方的に文句を言われたってイメージなんだけどね。いや、話したけどさ。

確かこんな言葉。


「筆箱落ちたのに拾ってあげないの?冷たいね」


唖然とした。そのあと心の中で、後で拾おうと思ってた。とかって文句を言った。

確かに少しだけムカついたけど、でもそれだけだったらこんな会話、覚えてないと思う。

そのあとに続いた言葉にもっと唖然としたのだ。


「てか名前なんだっけ…」


え?馬鹿なのかな?この人、馬鹿なのかな!?

真剣に。そう、思った。

いくら私が目立たなくても名前くらい覚えようよ!私も記憶力悪い方だけど、さすがにクラスの人の名前くらいは覚えてるよ!?

なんて心の中で思ったけど、口では


「川上美桜だよ…」


と小さく返事をしただけだった。

これが最初の会話。

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