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11 常識人はいないのか!

顔文字を使用する箇所がありますので、不快に感じる方はご注意ください。

試合の場所を送ると言った小林君。けれど、それから数日何の変化もなく、やっぱり子供の無邪気な約束なんだと納得した。

常識的に考えて、普通に無理だろう。よかった、あの子までとんでもな性格じゃなくてよかった。

どうかそのままでいてくれと思いながらパソコンに向かっていると、携帯が軽快な音を立てた。


ああうん、チョコボが踊っちゃってるのは多少大目に見てほしい。

流行りの曲を入れるのは何となく癪だし、すぐに古くなるから頻繁に変えなきゃ行けないのも面倒。だけど、デフォルトの電子音だと着信との区別がつきにくくて紛らわしい。


着信はすぐに気づけるように、デフォルト派だ。曲にしていた時期もあったけれど、鳴っても気づかない自分に絶望してやめた。ゲームのサントラだと人とかぶることもほとんどないし、チョコボだと可愛くて癒される。

チョコボ1匹飼いたい。あの鳥、絶対可愛いよ!


ところで、誰からのメールだろうか。今日は差し迫った課題もないはずだし、バイトもシフト変更がない類いのものをしているから、特にメールが来るはずはないんだけれど。

意味のないメールは嫌いだと知っているから、みんな無駄な暇つぶしでは送ってこないはずだ。



「……ん?小林?」



ごちゃごちゃとしたメアドの下の件名には、「小林でっす!!!!」なんてやたら暑苦しいテンションが押しこまれている。何これウザい。

私の知り合いの中には、こんなにウザいテンションの小林はいないはずだ。他の名字ならちらほらいるけれど。……いちゃうけれど。


迷惑メールだろうと思いながら開いて。

思わず机に突っ伏した。



「……どこから取ってきた……!」




さっきまで考えていた小林君だった。この子こんなに暑苦し……いやいやいや、テンション高い子だったのか。


犬みたいだとは思っていたけれど、どこぞの赤いはちまき巻いた武将みたいなテンションはいらない。あれは二次元で充分だ。ついでにいうなら、その武将はもう片方のゲームの方が好きだ。

筆頭は馬鹿め!よりパーリーしちゃう方が好きだけれど。

ショタならなんでもいいわけじゃない。可愛げのあるショタに限る。


――まあうん、現実逃避はやめるとしよう。


十中八九、小林君は蓮君の携帯からアドレスを抜き取ったんだろう。蓮君自身が許可を出したかどうかは怪しいけれど、出所はそこしかない。

メールの内容はサッカーの対校試合について、場所はどこかの中学校。絶対に来てくれと無駄にエクスクラメーションにあふれたそれに、簡潔に一文だけ返事をした。



『叱りに行くから、首を洗って待ってらっしゃい』



即行で返信が来た。



『Σ(´ΩωΩ`)』



返信しないで放置していたら、さらに追加で来た。



『ΣΣΣ(((´ΩωΩ`))))』



遊んでないで宿題やれ、小林君。中学生なら宿題ぐらいあるだろう。

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