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1、転生

「…」



俺は大学生の田中和希(たなかかずき)、帰宅中にトラックに突っ込まれ死亡し目が覚めたら…





赤ん坊になっていた!!!









「…ァァァァァァ!!!!!!」

(意:何だこれぇぇ!転生!?転生したってことでいいんだよなぁ!?じゃなきゃこんな綺麗な場所に子供の身体で居るわけ無いもんなぁ!!!!)



「…あらあら坊ちゃん。お腹空いたのですか?それともオムツでしょうか?」



「……うぅあ!ぃぁぁあ!!」

(意:メイド初めて見たすげぇ!でも違う!!どこここ!?俺このままなの!?)



「…オムツは変えなくても大丈夫そうですね。ミルクをお持ちしますのでしばらくお待ちください。」



そう言ってメイドさんは大きな扉から出ていく。



(結局ここはどこなんだ…?とりあえず俺今赤ちゃんだよな?なんか普通の赤ん坊感ないけど異世界だから違うのかな?)



辺りを見渡す。大きな扉、大きな窓、シャンデリア…詳しくは無いが高級そうなものばかりである。



「はい坊ちゃん、こちらミルクです。」



そんなことを考えているとメイドさんが戻ってきた。改めて見ると現実離れしている容姿をしている。白銀の髪、深い青色の目、メイド服、2次元のキャラって言われても納得する見た目だ。



「…あぅぁ…」

(意:見た目は子供とはいえ中身が大人だから凄い恥ずかしい…)



だからといって飲まない訳にもいかないので大人しく飲む。この身体だと直ぐに満腹になる。



「…?もうお腹いっぱいなのですか?」



「うぅぅぅうぅぅ!」

(意:お腹いっぱいだ!ありがとう!でもそんなことより今の状況とか教えて貰いたいのに言葉が出ないことがストレスすぎる!)



「…ぅ…」



「あら?眠たいのですか?」



(不自由すぎる…すぐお腹いっぱいになるし眠くなるし声は出せないし…)



「…」



目を瞑り、眠気に身を任せる。



「…おやすみなさいませ。」






────────5年後






時間がたち、俺は5歳となった。言葉を喋れるようになり、意思の疎通も可能になった。



「アナ!次!見せて!」



「はい。では次は風魔法をお見せしましょう。」



メイドさん…アナに魔法を見せてもらいながら思考を巡らせる。



(この世界と今の状況についていくつか分かったことがある。まずこの世界には魔法が存在している。鍛えれば誰でも使えるらしい。次に俺が転生した先は大貴族だった。公爵という役職らしい。どのくらいの立場かは分からないが恐らく高いのだろう。けど…)



「…アナ何をしている。」



「…!だ、旦那様!アラン様に魔法を見せておりました。」



「…フン。そうか。」



「…」



「アラン、教えただろう。挨拶は?」



「…!おはようございますお父様。」



「よろしい。もう少ししたら王家の子と顔合わせするのだ。アナ、きちんと教育しておけ。」



アルバート公爵。俺の父であり、この国で五本の指に入ると言われている大貴族。父の代になってから急速に力を付けたらしい。



「承知致しました。アラン様、部屋に戻りましょう。」



「う、うん。」



俺はアナに手を引かれ部屋に戻る。



(俺のことが嫌いっていうより興味がない…いや、王家との繋がりをもつための物としてしか見ていないようだ。5歳の子供には荷が重い役割だと思うが、公爵は相当な野心家なのだろう。)



「…アナ、今日も色々教えて。」



俺は喋れるようになってからアナにこの世界のことを聞いている。



「はい。昨日は魔法のことを教えましたね。では本日は精霊についてお話しましょう。」



「精霊?」



(魔法に限らず精霊とは…やっぱり元いた世界の常識は通じないな。)



「精霊とは魔法を手助けしてくれる種族や魔法そのものである、と言われております。謎が大き種族ですが詳しく分からない理由は彼らが見えないからですね。」



「見えない?」



「はい、基本的に見えません。ですが例外はあります。それは大成した魔法士が魔法の極地にたどり着いた末に精霊と出会ったという記録が残っているからです。」



「難しいことなの?」



「そうですね。現在、文献が残っているものだけですが、歴代に2人しか居なかったそうです。そのため区別を付けるために魔法士ではなく、精霊士と呼ばれています。」



「へぇ…」



(なるほど…精霊は魔法を極めれば見ることができる…だから魔法を手助けしてくれる種族、魔法そのものなんて呼ばれているのか。)



「アラン様ならなれますよ。」



「…え?」



「アラン様は公爵様、そしてマーガレット様の魔力を受け継いでいますからね。魔力量も相当量あると思われます。」



(公爵…は分かるがマーガレット様?言い方的に母親なのだろうが…そういや母親について聞いた事なかったな。)



「お母様はいないの?」



「…」



アナが驚いた様子でこちらを見てくる。失言してしまったと思っているのだろう。



「…はい。もう少し大きくなったら詳しくお話しますが…アラン様の母、マーガレット様は既にお亡くなりになりました。」



(アナが落ち込んでしまった。なんとか元気づけて上げなくては…)



「そうなんだね。でも僕は大丈夫!お母様がいなくてもアナが居るから!」



(これは本心だ。親からの愛は前世で十分貰ってたしむしろ良かったまである。)



「ゴホンッ…ありがとうございます。この後は昼食に致しましょう。お持ちいたします。では…」



アナは急ぎ足で部屋から出ていく。



「ふぅ…魔法多少でもいいから使えるといいなって思ってたけど…そうか、今の俺っていわゆるサラブレッドなのか…。しかも()()…ねぇ…いよいよ異世界が極まってきたなぁ…」



なんてことを考えていると目の前を何かが通り過ぎる。そしてそれは再度俺の目の前に戻ってき…



『ん?呼んだ?』



「…へ?」





(精霊…みえちゃってるんだけどぉぉぉ!????)





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