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第2章 第4話:ステイルメイト(膠着状態)

第4話:ステイルメイト(膠着状態)


勝ち戦なのに重苦しい空気の王宮の会議室の中、結が挙手をする。

「本日、チート持ちの魔物を発見。

これは魔王軍側も召喚して、チート持ちの魔物を召喚していた可能性

を示唆しているわ。

つまり、チートはこちらの専売特許ではないということ」


ナノハが腕組みをして言った。

「前回龍脈が満ちたときに、魔王軍が押し寄せてきた理由。

召喚を警戒したか、召喚直後の無力なうちに倒すためだと思っていた。

あれは、魔王軍も召喚しようとした可能性があるってことね」

フリーダが思考をまとめるように言う。


「龍脈のシステムは単純な椅子取りゲームってこと?

龍脈は満ちるたびに「誰か」が召喚という椅子に座る。

数十年前、最初の椅子に座り、召喚したのは魔王軍、だから優位だった。

一年前、次に椅子に座り、自分たちを呼び出したのは人間側。

旧王政でチャージに時間がかかった理由も、そう仮定すれば辻褄があうわ」

伊織が思い出したように言った。


「合点がいった。『手ごわい奴ら』だ。

魔王が最初の召喚で呼び出したチート持ちだったわけだ。

だが、数には限度がある」

劉斗が不思議そうな顔をした。


「なんで今まで、チート持ちに気づかなかったんだ?」

結が困ったように答えた。

「私しか、チートの燐光は見えないの。

見えないものの贋作は作れないでしょ?私は前線向きじゃなかったし」

オラクルが困ったように言う。

「最短で一月後、龍脈は満たされる」

結も困ったように言う。


「考える時間は少ない。

このままなら、魔王に三度目の召喚をプレゼントするだけね」

劉斗が挙手した。

「龍脈を空にする方法は?」

フリーダが指を折りながら、答えた。

「1、召喚。2、帰還。3、チートの暴走。

1、新たな召喚は、新たな召喚の犠牲者を増やす。魔王に召喚させるのも当然無し。

2、私たちは魔王を放置したままの帰還は望まない。

3、チートの暴走は予測不能よ」


結が困ったように答えた。

「魔物と戦わなければ殺される。だから戦う。

それは龍脈が満たされる速度が変わるだけ、時間稼ぎね」

伊織が刀の柄に手をかけた。


「魔王を切る、か」

結が困ったように答える。

「チート持ちの数も種類も分からない。

龍脈遺跡を死ぬ気で攻めてくるから、被害が大きいでしょうね」


ナノハが思考をまとめるように、つぶやく。

「魔物は倒さないといけない、そうすると龍脈が満ちる。

使えない龍脈を維持しても、魔王軍が召喚で強化するリスクしかない。

魔王とチート持ちの魔物相手の決戦は、犠牲もリスクも大きい。

ステイルメイト?」


オラクルが珍しく発言する。

「軍事のことはよくわかりませんが、皆さんご自分のことばかり。

お相手のことを考えていないように見えます」

ナノハの目に光が戻る。


「そう、盤面を逆にしましょう。

魔王からこちらは、次の召喚で勝ち確を狙っているように見える。

だから、龍脈を死守しチャージを加速しているように見える。

龍脈が満ちそうなら、全力で攻める」


今まで黙っていたゲンゾウが、ゆっくりと言う。

「もう帰っても、いいんじゃぞ?」


劉斗も首肯した。

「もう十分手伝ってくれた。これ以上、この世界に付き合う必要なんてない」

ナノハは冷徹な元帥に戻っていた。


「帰還は『プランC』、選択肢の一つ」

劉斗が首をかしげる。

「プランC?帰るのが一番の目的じゃないのか?」

ナノハは不敵に笑う。


「いいえ。これから一月、我々は引きこもり、チャージ速度を減速する。

先送りではなく、これは準備期間。

私のラストピースは工業都市にある。引きこもりを何とかしてくる」

膠着状態をどう解決するか、よろしければ考えてください。

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