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森_ミドリ_縁
自分が目を覚ましたのは、鬱蒼とした森の中だった。
耳に届くのは、風に揺れる枝葉の音だけ。とても静かで、不思議なほど穏やかな場所だった。
「……ここは、どこだ?」
見覚えのない景色に、思わず声が漏れる。
体を起こし、周囲を見渡してみる。
すると、どこからか水音が聞こえてきた。
音のする方へ足を向けてみると、やがて森の中にぽっかりと現れた、光が差し込む美しい泉にたどり着いた。
そして——
そこで、出会ってしまったのだ。
この先、俺の人生に腐れ縁として絡み続けることになる、
ミドリで、つるんとした、
……あの、クサレ蛙と。